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朝中関係に異常気流…北朝鮮、中国の要求で「派遣労働者召還」を指示

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国が北朝鮮労働者全員の一括帰国を要求したという報道が出てきた中で、北朝鮮が中国国内の北朝鮮公館に「条件」や「口実」を付けずに召還事業を徹底的に執行するようとの指示を出したことがわかった。

ラジオ・フリー・アジア(RFA)は11日、北朝鮮が中国国内公館に送った指示書を入手したとしてこのように報道した。

5~6月に作成されたと推定される指示書は「召還事業を条件と口実を付けずに徹底的に執行すること」を指示し、召還対象に「年ごろの対象」「患者」「家庭事情」「召還指示対象」などを指定している。


また「社長らが現地の相手側と優柔不断に駆け引きし召還事業を執行できない問題が絶対に起きないようにすること」という内容も明示されている。

北朝鮮当局は新型コロナウイルスによって帰国できなかった海外派遣者らを速やかに召還しようとしているとみられ、これは一方で海外派遣者の召還作業が円滑でないという意味ともみられる。

複数の北朝鮮消息筋によると、中国国内の北朝鮮労働者のうち30代以上の女性とビザ期間満了者などを中心に本国への召還が進められている。コロナ禍で長期間帰国できず婚期を逃した中国派遣女性労働者の家族が当局に問題を提起し、30代女性が最優先の召還対象にされたという。

北朝鮮当局は中国の要求に段階的帰国という一種の折衷案を提示したが、中国はビザが満了した労働者をひとまず全員帰国させてから新規労働者を受け入れるという立場を固守しているという。

海外労働者派遣は制裁を受けている北朝鮮の代表的な外貨稼ぎの窓口のため中国の要求は事実上金正恩(キム・ジョンウン)政権を手なずけようとしているとの分析も出ている。最近北朝鮮がロシアと同盟水準に密着しており中国が牽制に出たということだ。

北朝鮮がこうした指示を出したのも中国の一括帰国要求と関連する可能性があるとみられる。

中国はこのほかにも最近北朝鮮との貿易で税関の統制と密輸取り締まりも強化したとされる。中国は北朝鮮の貿易の90%を占めており、これもまた北朝鮮に打撃が避けられない措置に当たる。

統一研究院のチョ・ハンボム碩座研究委員はRFAに「中国は国境開放後に継続して(北朝鮮労働者の)帰国を推奨した。中国はできるなら(国連決議違反に対する)負担を減らしたく、北朝鮮は主要収入源を逃したくない状況が衝突しているもの」と話した。北朝鮮の海外労働者派遣は国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁違反に該当する。

韓国外交部と国家情報院は一連の動向に対し「関連状況を鋭意注視している」との立場を出した。

ただ中国外交部は関連報道に対し強く否定する立場を出した。

中国外交部は関連報道後「朝中関係異常説」に対して強く否定した。中国外交部の林剣報道官は「中国当局の北朝鮮労働者送還要求」に対する事実確認要請に、「関連状況は聞いていない」とし、最近韓国メディアで朝中関係の異常気流を言及したことに対し「実体のない憶測であり誇張された宣伝」と反論した。

だが中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳会談を記念するために作った中国遼寧省大連市の「足跡銅板」も除去されたことが確認されるなど最近朝中関係の異常気流が感知され続けている。

2017年12月に採択された国連安保理決議第2397号はすべての国連加盟国が自国内で働いている北朝鮮労働者を2019年12月までに本国で送還しなければならないと規定している。だが今年初めに刊行された国連対北制裁専門家団の報告書によると、中国やロシアなど40カ国で10万人以上の北朝鮮労働者が依然として外貨稼ぎに動員されている。



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