中国テック企業は政府の保護の下で技術と市場を同時に育てている。ＢＹＤの王伝福会長は１月、自動運転技術開発に１０００億元（約２兆２１２５億）を投資すると明らかにした。吉利自動車は２月に自動運転車のナビゲーション精密度を高めるため１１基の低軌道衛星を打ち上げた。その上各地方政府も競争的に自動運転インフラ構築に努めている。北京市は５月３１日に「自動車・道路・クラウド統合インフラ建設プロジェクト」の入札を公告した。北京市の投資金額は９９億３９００万元に達する。中央政府と地方政府の強力な支援の下で電気自動車・バッテリー生態系を構築した方式を自動運転でそのまま再現している。

◇電気自動車のように…中国の速度戦に遅れをとる韓国

こうした中国の自動運転速度戦に韓国は再び押されている。自動運転車が道路運行を通じてデータを蓄積することから難しい。自動運転試験運行中の歩行者のデータをどのように匿名処理するのかに対する規定もまだまとめられていない。全国１７市道の３４カ所が自動運転実証区域に指定されているが、こうした基本的な規制が整理されていないため活用できるデータは限定的だ。走行データ規模もまだとても小さい。韓国の自動運転累積運行距離１位企業のオートノーマスＡｔｏＺの運行データは約４０万キロメートル。中国はすでに昨年９月に７０００万キロメートルの自動運転データを確保し米国と同等の水準に達した。


こうした渦中に韓国の自動運転技術が中国に流出する事件も起きている。韓国大法院（最高裁）は５月、自動運転研究資料を中国に持ち出した韓国科学技術院（ＫＡＩＳＴ）所属の教授に懲役２年を宣告した。教授は「自動運転車の目」と呼ばれるライダの研究資料を中国の重慶理工大学教授などと共有した容疑を受ける。大法院は教授が２０１７年５月に中国政府の人材誘致計画である「千人計画」に選ばれ研究支援金２７億２０００万ウォンなど合計３３億ウォンを受け取ることにしたのを事実だと判断した。

韓国のモビリティ業界は自動運転技術競争で押されないため支援法規から用意すべきだと口をそろえる。万一事故が発生した時に規定された安全措置をすべて備えていれば免責される規定など新技術産業の成長を促進できる装置が必要ということだ。ソウル市立大学機械工学科のファン・ミョンジュン教授は「いまわれわれに必要なことは実験室の走行データではなく公共道路での走行データ。制度と投資以前に、『自動運転がわれわれに必要だ』という社会的共感が先だ」と話した。


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