「温度が変わった」。
日本でビジネスをする韓国ブランド代表はこの2~3年間ほど事業をやりやすかった時はなかったと口をそろえる。こうした変化はコロナ禍を経ながら加速した。家にいる時間が増え、動画配信サイトを中心に日本で吹いたいわゆる「第4次韓流」が背景に挙げられる。「Kカルチャー」に対する好感度が既存のマニア層から大衆に拡大し、これは韓国という国のイメージを高めるのに重要な役割をした。
◇消費財に広がる「第4次韓流」
韓国に対する関心は自然に韓国料理とファッション、ビューティーなどライフスタイルに広まった。主にドラマやアイドル音楽などの文化コンテンツにとどまっていたこれまでの韓流と最近の第4次韓流が明確に異なる点だ。いまや日本では韓国の人たちが食べる食べ物、着る服、使う化粧品など、ライフスタイルに基盤を置いた消費財に関心が高まっている。
韓国ファッションブランドの地位変化は韓国で先に感知された。この数年間、ソウルの漢南洞(ハンナムドン)と聖水洞(ソンスドン)のファッションショップ前に旅行カバンを手にした外国人が列を作る姿はおなじみ光景になった。外国人の中でも日本人の売り上げの割合が特に高い。あるカジュアルブランドは週末の3日間に行った百貨店でのポップアップストアで、5億ウォンの売り上げのうち50%を日本人の売り上げが占めた。ソウル・清潭洞(チョンダムドン)にある別のカジュアルブランドのフラッグシップストアでは一時日本人売り上げが月間販売の90%に迫る記録を立てたりもした。
日本の消費者のこうした呼応は自然にブランドの日本進出へとつながっている。コーロンFnCの雑貨ブランド「アーカイブエプク」は4月に最初の海外進出国を日本と決め、公式オンラインショップを開いた。「聖水洞のショールームを訪れた日本人ショッピング客から日本進出に関する問い合わせが増えたのが契機になった」というのがブランド関係者の説明だ。
◇ブランド品とSPAの間
事実日本はファッション大国として知られる。市場規模が韓国より2倍以上大きい100兆ウォン台と推定される。三宅一生、山本耀司、川久保玲など世界的デザイナーを輩出し、コム・デ・ギャルソン、サカイなど世界的ブランドからユニクロなど世界的SPAまで広く保有している。こうした日本で韓国のファッションブランドが関心を集める動力は何だろうか。パルコ渋谷店の平松有吾店長は「K-POPの影響が明確にあるが、それだけでこれほど関心を集めることはできない」と話した。
韓国ブランドは日本のファッション市場で空いている2つの地点を攻略する。まず価格帯だ。先月からパルコとザ・現代グローバルポップアップストアを進めている現代百貨店のパク・ドンヨン商品本部責任者は「百貨店中心のブランドと中間価格以下のファストファッションが掌握した日本市場で韓国ブランドはデザイナーの感性に適切な品質、合理的な価格で中間価格以上高価以下市場を攻略する」と話した。マルディメクルディのパク・ファモク代表も「(日本市場には)適切な価格帯で自分たちだけのストーリーを語るブランドが少ないという感じ。ムシンサや29CMのようなオンラインプラットフォームで激しい競争に勝ち抜いて生き残った韓国ブランドならば勝算があるとみる」とした。
◇感覚は世界水準、価格は適切
また別の強みは新しさだ。高い価格に20年前の感性を維持する日本のグローバルブランドの隙間を韓国ブランドが埋めている。日本のファッション業界専門家らも韓国ブランドの魅力として「トレンディーなデザイン」を挙げた。日本のファッションプラットフォーム、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)ブランド営業本部の松田健氏は「Y2Kなどトレンドを忠実に反映する強みがある」と付け加えた。過去の韓国ブランドはロゴを全面に出したり、デザインよりはアイドルに頼るイメージだったが、最近ではデザイン自体だけで魅力を出す。若い女性顧客から「かわいい」という呼応を得て、これを導入する日本企業も増えているというのが多くの関係者の話だ。
ブランドを解釈する方式も日本人には新鮮だ。平松店長は、ソウル・聖水洞の地上部をがら空きにしたタンバリンズの店舗を見てパリのポンピドゥーセンターを思い起こしたという。伝えた。その上で「韓国ブランドはブランドの強みと魅力を徹底して表現し一気に集中させる力がすごい」と話した。伊勢丹の韓国プロジェクト担当者も「単純に服だけ見せるのではなく、インテリア、植物、ディスプレーなどすべてのものを注意深く展開し、そのブランドの服を着た人の暮らしを想像できる世界観構築が優れている」と説明した。
◇SNSで趣向大統合
韓国に感覚の良い新進ブランドが過去になかったわけではない。変わった点はSNSという強力な拡散プラットフォームができた点だ。東京で会った韓国ブランド消費者はほとんどが友人のインスタグラムや日本国内のインフルエンサーのアカウントで韓国ブランドに初めて接したと答えた。実際に韓国ブランドが好調な海外市場の共通点はSNSの浸透力が高い市場だ。
何よりSNSで趣向の大統合が始まった。韓国の路上で流行しSNSで通じるファッションコンテンツが日本に、東南アジアに、米国に簡単に広げられるという話だ。この過程で拡散力が高いK-POPコンテンツが触媒になっただけではない。そのため最近海外で好調な韓国ブランドはインスタグラムなどのソーシャルメディアや、ムシンサや29CMなどオンラインプラットフォームに乗って成長した小ブランドが中心だ。「マーティンキム」「マルディメクルディ」「オープンワイワイ」「ミスチーフ」などが代表的だ。これらはSNSを活用してブランドの世界観を確実に構築し疎通に長けているという共通点を持つ。SNSビジュアルを通じて一気に爆発的に拡散する点も特徴だ。
◇「K」はずしても生き残れるか、完成度は課題
韓国ファッションブランドにとって日本市場は非常に魅力的だ。市場規模も大きいが、地理的に近いため物流費用が少なく、気候とスタイルが似ているという利点がある。夏にTシャツ中心に売れる東南アジアより客単価も高い。何より日本市場は本格的な世界市場進出前の橋頭堡としやすい。KOTRA東京貿易館のイ・ビョンウク副館長は「日本内需市場は参入は難しいが、ひとまず進出すれば欧州や米国のようなもっと大きな市場とすぐにつながれる世界的市場。一度認められたブランドに対する関心が簡単に消えないのも長所」と話す。
ただ日本市場に成功裏に定着するための課題も明らかだ。中間価格帯に個性あるブランディングとデザインで訴求するが完成度に対しては残念という指摘が出る。平松店長は「(韓国ブランドが)やはり本質やクオリティはまだだと考える。もっと上を目標にできるのではないだろうか」と評価した。ムシンサのホ・チョル本部長は「韓国ブランドに真摯に関心を持ついま、彼らの忠誠度を得るにはいまよりもっと高い完成度を見せ、価格を過度に上げないなどの英敏な戦略が必要だ」と話した。結局Kブランドだから好きなのではなく、Kをはずしても生き残れるように独自の力を育てなければならないという課題が残る。
日本でビジネスをする韓国ブランド代表はこの2~3年間ほど事業をやりやすかった時はなかったと口をそろえる。こうした変化はコロナ禍を経ながら加速した。家にいる時間が増え、動画配信サイトを中心に日本で吹いたいわゆる「第4次韓流」が背景に挙げられる。「Kカルチャー」に対する好感度が既存のマニア層から大衆に拡大し、これは韓国という国のイメージを高めるのに重要な役割をした。
◇消費財に広がる「第4次韓流」
韓国に対する関心は自然に韓国料理とファッション、ビューティーなどライフスタイルに広まった。主にドラマやアイドル音楽などの文化コンテンツにとどまっていたこれまでの韓流と最近の第4次韓流が明確に異なる点だ。いまや日本では韓国の人たちが食べる食べ物、着る服、使う化粧品など、ライフスタイルに基盤を置いた消費財に関心が高まっている。
韓国ファッションブランドの地位変化は韓国で先に感知された。この数年間、ソウルの漢南洞(ハンナムドン)と聖水洞(ソンスドン)のファッションショップ前に旅行カバンを手にした外国人が列を作る姿はおなじみ光景になった。外国人の中でも日本人の売り上げの割合が特に高い。あるカジュアルブランドは週末の3日間に行った百貨店でのポップアップストアで、5億ウォンの売り上げのうち50%を日本人の売り上げが占めた。ソウル・清潭洞(チョンダムドン)にある別のカジュアルブランドのフラッグシップストアでは一時日本人売り上げが月間販売の90%に迫る記録を立てたりもした。
日本の消費者のこうした呼応は自然にブランドの日本進出へとつながっている。コーロンFnCの雑貨ブランド「アーカイブエプク」は4月に最初の海外進出国を日本と決め、公式オンラインショップを開いた。「聖水洞のショールームを訪れた日本人ショッピング客から日本進出に関する問い合わせが増えたのが契機になった」というのがブランド関係者の説明だ。
◇ブランド品とSPAの間
事実日本はファッション大国として知られる。市場規模が韓国より2倍以上大きい100兆ウォン台と推定される。三宅一生、山本耀司、川久保玲など世界的デザイナーを輩出し、コム・デ・ギャルソン、サカイなど世界的ブランドからユニクロなど世界的SPAまで広く保有している。こうした日本で韓国のファッションブランドが関心を集める動力は何だろうか。パルコ渋谷店の平松有吾店長は「K-POPの影響が明確にあるが、それだけでこれほど関心を集めることはできない」と話した。
韓国ブランドは日本のファッション市場で空いている2つの地点を攻略する。まず価格帯だ。先月からパルコとザ・現代グローバルポップアップストアを進めている現代百貨店のパク・ドンヨン商品本部責任者は「百貨店中心のブランドと中間価格以下のファストファッションが掌握した日本市場で韓国ブランドはデザイナーの感性に適切な品質、合理的な価格で中間価格以上高価以下市場を攻略する」と話した。マルディメクルディのパク・ファモク代表も「(日本市場には)適切な価格帯で自分たちだけのストーリーを語るブランドが少ないという感じ。ムシンサや29CMのようなオンラインプラットフォームで激しい競争に勝ち抜いて生き残った韓国ブランドならば勝算があるとみる」とした。
◇感覚は世界水準、価格は適切
また別の強みは新しさだ。高い価格に20年前の感性を維持する日本のグローバルブランドの隙間を韓国ブランドが埋めている。日本のファッション業界専門家らも韓国ブランドの魅力として「トレンディーなデザイン」を挙げた。日本のファッションプラットフォーム、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)ブランド営業本部の松田健氏は「Y2Kなどトレンドを忠実に反映する強みがある」と付け加えた。過去の韓国ブランドはロゴを全面に出したり、デザインよりはアイドルに頼るイメージだったが、最近ではデザイン自体だけで魅力を出す。若い女性顧客から「かわいい」という呼応を得て、これを導入する日本企業も増えているというのが多くの関係者の話だ。
ブランドを解釈する方式も日本人には新鮮だ。平松店長は、ソウル・聖水洞の地上部をがら空きにしたタンバリンズの店舗を見てパリのポンピドゥーセンターを思い起こしたという。伝えた。その上で「韓国ブランドはブランドの強みと魅力を徹底して表現し一気に集中させる力がすごい」と話した。伊勢丹の韓国プロジェクト担当者も「単純に服だけ見せるのではなく、インテリア、植物、ディスプレーなどすべてのものを注意深く展開し、そのブランドの服を着た人の暮らしを想像できる世界観構築が優れている」と説明した。
◇SNSで趣向大統合
韓国に感覚の良い新進ブランドが過去になかったわけではない。変わった点はSNSという強力な拡散プラットフォームができた点だ。東京で会った韓国ブランド消費者はほとんどが友人のインスタグラムや日本国内のインフルエンサーのアカウントで韓国ブランドに初めて接したと答えた。実際に韓国ブランドが好調な海外市場の共通点はSNSの浸透力が高い市場だ。
何よりSNSで趣向の大統合が始まった。韓国の路上で流行しSNSで通じるファッションコンテンツが日本に、東南アジアに、米国に簡単に広げられるという話だ。この過程で拡散力が高いK-POPコンテンツが触媒になっただけではない。そのため最近海外で好調な韓国ブランドはインスタグラムなどのソーシャルメディアや、ムシンサや29CMなどオンラインプラットフォームに乗って成長した小ブランドが中心だ。「マーティンキム」「マルディメクルディ」「オープンワイワイ」「ミスチーフ」などが代表的だ。これらはSNSを活用してブランドの世界観を確実に構築し疎通に長けているという共通点を持つ。SNSビジュアルを通じて一気に爆発的に拡散する点も特徴だ。
◇「K」はずしても生き残れるか、完成度は課題
韓国ファッションブランドにとって日本市場は非常に魅力的だ。市場規模も大きいが、地理的に近いため物流費用が少なく、気候とスタイルが似ているという利点がある。夏にTシャツ中心に売れる東南アジアより客単価も高い。何より日本市場は本格的な世界市場進出前の橋頭堡としやすい。KOTRA東京貿易館のイ・ビョンウク副館長は「日本内需市場は参入は難しいが、ひとまず進出すれば欧州や米国のようなもっと大きな市場とすぐにつながれる世界的市場。一度認められたブランドに対する関心が簡単に消えないのも長所」と話す。
ただ日本市場に成功裏に定着するための課題も明らかだ。中間価格帯に個性あるブランディングとデザインで訴求するが完成度に対しては残念という指摘が出る。平松店長は「(韓国ブランドが)やはり本質やクオリティはまだだと考える。もっと上を目標にできるのではないだろうか」と評価した。ムシンサのホ・チョル本部長は「韓国ブランドに真摯に関心を持ついま、彼らの忠誠度を得るにはいまよりもっと高い完成度を見せ、価格を過度に上げないなどの英敏な戦略が必要だ」と話した。結局Kブランドだから好きなのではなく、Kをはずしても生き残れるように独自の力を育てなければならないという課題が残る。
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