2024年1月5日に北朝鮮が西海(黄海)北方限界線(NLL)緩衝水域で200発以上の砲射撃をしたの受け韓国海兵隊が対抗する海上砲射撃訓練を行った。海兵隊第6旅団のK9自走砲が海上目標に向かって射撃している。[写真 韓国海兵隊]
韓国軍当局によると、海兵隊北西島嶼防衛司令部は延坪島と白翎島一帯でK9自走砲などを動員した砲射撃訓練を実施した。K9自走砲40台以上が動員された中で250発以上が発射されたという。
こうした訓練が実施されたのは2018年7月以降で初めてだ。1月に北朝鮮が200発の海岸砲射撃挑発をしたのを受け北側水域に向け400発の対応射撃をしたことはあるが、北朝鮮に対応するのではなく韓国軍の計画に基づく実射撃訓練は6年間なかった。
これは2018年の9・19軍事合意で西北島嶼を含む西海(黄海)の緩衝水域で砲射撃をしないことを取り決めたのに伴う措置だった。韓国軍は北西島嶼での海上訓練を全面中断し最小単位の陸地訓練だけ行った。
合同参謀本部例規には射撃距離により訓練をA(射撃距離18キロメートル以上)、B(5~18キロメートル)、C(5キロメートル以下)と区分するが、9・19合意によりこの海域でA・B水準の訓練は不可能だと韓国軍当局は判断した。K9、多連装ロケット、スパイクミサイルなどの訓練がこれに当たる。このほかK6重機関銃、海上バルカン砲など機関銃級武器で行うC水準の訓練は可能と判断したが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は黄海上の緊張緩和のためこうした訓練も陸地に移して進めたという。
結局北西島嶼訓練は砲兵と装備を陸地に引き上げる循環式内陸地域射撃訓練にするほかなかった。陸地訓練は最大射程距離が短くならざるをえないばかりか、K9など主要武器を陸地に移さなければならない非効率性も問題だった。人員と装備が移動する過程でこれまで約160億ウォンに達する追加訓練費用が発生したという。既存の射撃場を訓練場として使う場合、内陸部隊の訓練計画を調整しなければならず、住民からの苦情が発生するなど付随的な問題も少なくなかった。
先月末から北朝鮮が行っている汚物風船による挑発は9・19合意によるこうした韓国軍の足かせを解く名分として作用した。韓国政府は2日、「北朝鮮に耐え難い措置に着手することにした」と発表した後、4日の閣僚会議で9・19軍事合意効力停止案を審議、議決した。
表現は効力停止だが事実上の破棄という話が出た。国防部のチョ・チャンレ政策室長は当時「9・19軍事合意のすべての効力停止決定により、これまで制約を受けてきた軍事境界線(MDL)、西北島嶼一帯での韓国軍のすべての軍事活動を正常に復元するだろう」と明らかにした。
この時から今月中の訓練再開は予定されていたが、結果的には今回の訓練が時期的に朝ロ密着を通じた韓半島(朝鮮半島)での脅威の高まりと北朝鮮の汚物風船再散布、弾道ミサイル挑発などに正面から対抗する性格も帯びることになった。
近く最前方での地上砲兵射撃訓練も再開される見通しだ。この訓練はMDLから5キロメートル以内での砲射撃を禁止した9・19合意で中断された。
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