尹錫悦大統領が19日に京畿道城南で開かれた少子高齢社会委員会会議で冒頭発言をしている。[写真 大統領室写真記者団]
人口は大統領のアジェンダだ。朴槿恵(パク・クネ)政権や文在寅政権は後回しだった。文在寅前大統領は少子高齢社会委員長として一度も対面会議を主宰しなかった。朴元大統領は2回した。尹大統領もこれまで軽視してきた。昨年3月に主宰したことしかない。今回は毎月人口非常対策会議を主宰して取りまとめるという点は評価に値する。人口戦略企画部に力を与えた点も肯定的だ。また、過去の少子化対策は総合ギフトセットと呼ばれた。300件を超えた。これに対し今回は仕事と家庭の両立、教育・介護の3分野60件ほどに減らした。選択と集中とみることができる。
ソウル大学人口政策研究センターのイ・サンリム責任研究員は「これまであれこれ乱発し責任を取らないやり方が繰り返されたが、今政権は責任を強化しようとするのが変わった点。非常委員会体制に行くことにしたため大統領が明確に約束を守って信頼を与えなければならない」と話した。
しかし従来の福祉強化政策の枠組みから抜け出せていないという指摘が出る。ソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授は「構造的な対応策が抜けている」と話した。例えば教育体系や大学入試制度を出生児童20万人時代に合わせ変えるべきなのに70万人時代のやり方を固守しているということだ。
人口非常事態を宣言したが核心政策である外国人・移民政策がほとんど検討されていない点も限界と指摘される。人口戦略企画部に少子化予算事前審議権を与えることにしているが、審議結果を企画財政部がそのまま受け入れるかもカギだ。育児休職大幅拡大などが目立つのは事実だが、日本のように子ども3人以上の世帯のすべての子どもの大学授業料免除、高校生までの児童手当て支援のような破格な対策はない。結婚と出産を敬遠する若年層の考えを変えられるか疑問だ。
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