17日午後5時、ソウル市恩平区の烽山デッキ。ラブバグが交尾する姿と、ラブバグをはじめとするあらゆる虫が死んだまま貼られている虫取りテープが木ごとに設置された様子。チョン・ウネ記者
道に沿って立っている木には、幹ごとに濃い茶色の「虫取りテープ」が貼られていた。テープにはラブバグなどハエ類が死んだままついていた。テントウムシなど余計な被害に遭った虫も見えた。恩平区庁は2020年、虫の大規模な発生で苦境に立たされた烽山に薬剤を散布するなど大々的な駆除に取り組んできたが、2022年から「環境にやさしい駆除」を名目に虫取りテープを使っている。「山や川には生態系の変化をもたらす化学的駆除はやめるように」というソウル市の立場などを反映したものだ。
ティンカーベル(トウヨウモンカゲロウ)に続き、ラブバグ(ヒイロトゲナシケバエ)が群れをなして現れ、自治区が苦境に立たされている。ソウル市の関係者は「6月から受け付けられた今年のラブバグ駆除に関する苦情が17日現在、およそ1200件に急増した」と話した。
ラブバグの大発生は2022年から始まった。最初は恩平区を中心に現れた大発生は、ソウル市全域に広がる様相を見せている。2022年夏に計4418件だった苦情件数が昨年は5600件へと27%急増した。
ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポグ)の漢江(ハンガン)近くに住むソンさん(35)は、「昨年まではラブバグを見ることもできなかったが、最近急にうちの町にも多くなった。散歩する時、顔と腕にくっついるものを追い出すが、昨夜は家の中にも入ってきたのを見てびっくりした」と話した。ソウル大学のシン・スングァン教授は「今年のラブバグ大発生はもう始まったばかりなので推移を見守る必要があるが、落葉土があるところであればどこでも卵を産む可能性があり、ソウル市全域と京畿道の一部地域に広がっているとみている」と話した。
ラブバグだけでなく、トウヨウモンカゲロウも3年間大発生中だ。2022年の南楊州(ナムヤンジュ)を皮切りに、昨年はソウル城東区(ソンドング)や広津区(クァンジング)、松坡区(ソンパグ)など東部地域の漢江沿いに大発生している。今年、ソウル市が受け付けたトウヨウモンカゲロウ関連の苦情は229件だ。昨年までは苦情件数を集計していなかった。
専門家らは、温暖化に代表される気候変動で、このような虫の大発生が現れたと分析している。昆虫は気温と湿度の高い条件を好むからだ。ラブバグも昨年より暑さが早く訪れた今年、半月近く早く観測された。国立生物資源館によると、昨年ラブバグの最初の観察記録は6月15日だったが、今年は6月2日だった。
国立生物資源館はラブバグなどが外来種である可能性を念頭に置いて遺伝子を調べていると明らかにした。気候が変化し、外来種が国内に流入し、大発生につながりやすくなったためだ。国立生物資源館のパク・ソンジェ研究官は「土着種なら過去に大発生の記録があったはずだが、そうではないという点で外来種である可能性を念頭に置いて大発生の原因を調べている」と話した。
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