高まった関税リスクにもかかわらず、これまでの商品輸出は中国経済専門家らの期待を上回った。しかし暗い面もある。政策当局が家計支出拡大のために広範囲な措置を取ったが、民間消費はやや振るわなかった。特に高所得層の消費支出不振が経済成長に悪影響を及ぼしている。投資パターンは依然として今年下半期に集中する景気浮揚策を反映する方向で進行している。予定された政策が特定産業分野に偏っていることを考慮すると、現在好調の経済活動は「未来の経済活動をあらかじめ前倒しにして使うこと」であり、持続可能でないかもしれない。また、不動産市場はかなり悪化し、価格下落の流れが加速している。
こうした複数のマクロ経済側面の不安な混合を反映し、市場も高い水準の変動性を見せた。通貨の側面では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ遅延、米国の高い成長率、そして関税リスク増加の結果として「さらに長くさらに強いドル(stronger-for-longer dollar)」現象が表れたが、人民銀行(PBOC)が許容できる人民元(CNY)通貨切き下げ幅には限界があるだろう。5月の不動産政策変化(在庫減少努力のための直接的な国家支援)で一時的に活気を取り戻した不動産市場はこの3週間にまた冷え込んだ。