慶尚南道昌寧郡(キョンサンナムド・チャンニョングン)の牛浦沼(ウポヌプ)で赤外線ドローンで捉えたヌートリアたちの移動の様子。[写真 大邱大学のチョ・ヨンソク教授]
大邱大学生物教育科のチョ・ヨンソク教授チームが気候変動にともなう今後のヌートリア分布を分析した結果、ヌートリア個体群が洛東江水系と南海岸の海岸一帯に沿って拡散すると予測された。西側には全羅南道長興(チョルラナムド・チャンフン)の海岸湿地一帯まで出現することができ、東側には浦項(ポハン)と蔚山(ウルサン)地域まで拡散する可能性が大きいことが確認された。チョ教授は「遺伝的に寒さに適応しながら土着化する過程を経験しているが、気候変動によって暖かい冬になればヌートリアはより簡単に増える可能性がある」とし「海辺に沿って全羅南道光陽(クァンヤン)を経て西側にも移動する可能性がある」と話した。
ヌートリアは、国内で生態系撹乱種に指定された38種のうち、唯一の哺乳類だ。植物の根を手当たり次第にかじって湿地破壊者とも呼ばれる。洞窟を掘る習性があり、堤防を破壊することもある。このため、夏場に洪水の危険性を高める主犯にも挙げられる。
オランダやイタリアなど他の国々もヌートリア退治に乗り出したが、撲滅に失敗した。また米国も誘導不妊や狩猟など多様な方法を試みているが、一部の州では完全撲滅をあきらめた状態だ。1981年から1989年まで大々的な除去作業を通じて、英国だけがヌートリアを完全に退治することに成功した。
専門家らは研究を通じて、捕獲制度をより精巧な方法で改善してこそ、ヌートリアとの戦いに勝つことができると強調した。チョ教授は「ヌートリアは繁殖力があまりにも強いため、今のように不規則に行われる捕獲では文字通り持続可能な退治作戦にしかならない」として「研究基盤の捕獲作業で退治に成功した英国のように常時的で集中的な捕獲システムを構築しなければならない」と話した。
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