韓国政府が9日、北朝鮮の3度目の汚物風船散布に正面対抗して対北朝鮮拡声器放送を再開した。2018年の板門店(パンムンジョム)宣言と9・19軍事合意以降に拡声器を撤去してから6年ぶりだ。
韓国大統領室はこの日午前、張虎鎮(チャン・ホジン)国家安保室長の主宰で国家安全保障会議(NSC)緊急常任委員会を開いてこのように決めたと明らかにした。NSC直後に大統領室は立場文を出し、「北朝鮮の汚物風船再散布に対する対応案を議論した結果、きょう中に対北朝鮮拡声器を設置し放送を実施することにした。われわれが取る措置は北朝鮮政権には耐え難くても、北朝鮮の軍と住民らには光と希望の便りを伝えるだろう」と明らかにした。
韓国合同参謀本部は、国防部担当記者団にショートメッセージを送り、「この日午後、最前方地域で対北朝鮮拡声器放送を実施した。わが軍の対北朝鮮拡声器放送追加実施の有無は全面的に北朝鮮の行動にかかっている」と警告した。
ひとまず放送を再開したが、持続的に行うかは今後の北朝鮮の対応により決めるという趣旨だ。
合同参謀本部はこの日、軍が保有する固定式拡声器のうち一部だけ稼動したと明らかにした。
北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は9日夜、「もし、韓国が国境越しにビラ散布行為と拡声器放送挑発を並行するなら、疑う余地もなく新たなわれわれの対応を目撃することになるであろう」と威嚇した。金副部長はこの日夜、朝鮮中央通信を通じて配布した談話で「われわれの対応行動は9日中に終了する計画であったが、状況は変わった」としてこのように話した。
◇「サムスンのスマホが世界1位」ニュースの後にBTSの歌
2018年の撤去当時の固定型拡声器は24個あり、2.5トン軍用トラックに載せて運用する移動型(機動型)拡声器も16台ある。
この日午後5時、「北朝鮮同胞のみなさんこんにちは」で始まった放送は、軍が製作した対北朝鮮心理戦放送である「自由の声」を聴取距離10~30キロメートル水準の高出力拡声器で再送出する方式で2時間にわたり行われた。最初の放送のニュースコーナーでは、アナウンサーが9・19軍事合意の効力停止に対する韓国国防部政策室長の肉声発表、韓米日の北朝鮮核開発とロシアとの軍事協力強力糾弾のニュース、サムスン電子の携帯電話出荷台数世界1位のニュースなどを伝えた。30分ほどのニュースコーナーが終わると韓国国歌の愛国歌が鳴り響き、中間には歌手BTS(防弾少年団)の『Spring Day』『Butter』『Dynamite』と、赤頬思春期のヒット曲などが流れたりした。
韓国軍は先週、前方地域で対北朝鮮放送再開に向けた実戦訓練を進めたと公開した。合同参謀本部は「最近拡声器移動と設置、運用手続き熟達など別名『自由のこだま訓練』を2018年以降で初めて実施した」と明らかにした。
韓国政府がこの日予告通りに「対北朝鮮拡声器カード」を持ち出したのは北朝鮮が8日夜から汚物風船を再度散布したのに伴ったものだ。合同参謀本部によると、北朝鮮は8日夜11時から9日午前まで廃紙、ビニールなどのごみが入った風船330個を飛ばした。先月28~29日の260個、今月1~2日の720個に続き3度目だ。
北朝鮮は韓国政府の拡声器放送再開発表後も汚物風船を散布した。また、複数の軍消息筋によると、対南拡声器を設置すると推定される動きを見せたという。
北朝鮮はこの日、立場を出さなかったが、今後反発が予想される。対北朝鮮拡声器放送はこれまで北朝鮮が極度に敏感に反応する心理戦の手段である点と、実際の放送再開時に反発した前例からみると、韓半島(朝鮮半島)の緊張レベルが上がるものとみられる。これに伴い、北朝鮮の挑発に対応しながらも偶発的な衝突に広がらないよう状況管理が必要という指摘が出る。
これと関連し、韓国国防部はこの日非常勤務体制に入り全軍の対備態勢を強化した。国防部の申源湜(シン・ウォンシク)長官はNSC直後に緊急全軍主要指揮官会議を開いた。申長官は対北朝鮮拡声器放送実施にともない指揮官の格別の注意を促し、「これを口実に北朝鮮が直接的な挑発を敢行する可能性に対し徹底的に備えよ」と指示した。
韓国大統領室はこの日午前、張虎鎮(チャン・ホジン)国家安保室長の主宰で国家安全保障会議(NSC)緊急常任委員会を開いてこのように決めたと明らかにした。NSC直後に大統領室は立場文を出し、「北朝鮮の汚物風船再散布に対する対応案を議論した結果、きょう中に対北朝鮮拡声器を設置し放送を実施することにした。われわれが取る措置は北朝鮮政権には耐え難くても、北朝鮮の軍と住民らには光と希望の便りを伝えるだろう」と明らかにした。
韓国合同参謀本部は、国防部担当記者団にショートメッセージを送り、「この日午後、最前方地域で対北朝鮮拡声器放送を実施した。わが軍の対北朝鮮拡声器放送追加実施の有無は全面的に北朝鮮の行動にかかっている」と警告した。
ひとまず放送を再開したが、持続的に行うかは今後の北朝鮮の対応により決めるという趣旨だ。
合同参謀本部はこの日、軍が保有する固定式拡声器のうち一部だけ稼動したと明らかにした。
北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は9日夜、「もし、韓国が国境越しにビラ散布行為と拡声器放送挑発を並行するなら、疑う余地もなく新たなわれわれの対応を目撃することになるであろう」と威嚇した。金副部長はこの日夜、朝鮮中央通信を通じて配布した談話で「われわれの対応行動は9日中に終了する計画であったが、状況は変わった」としてこのように話した。
◇「サムスンのスマホが世界1位」ニュースの後にBTSの歌
2018年の撤去当時の固定型拡声器は24個あり、2.5トン軍用トラックに載せて運用する移動型(機動型)拡声器も16台ある。
この日午後5時、「北朝鮮同胞のみなさんこんにちは」で始まった放送は、軍が製作した対北朝鮮心理戦放送である「自由の声」を聴取距離10~30キロメートル水準の高出力拡声器で再送出する方式で2時間にわたり行われた。最初の放送のニュースコーナーでは、アナウンサーが9・19軍事合意の効力停止に対する韓国国防部政策室長の肉声発表、韓米日の北朝鮮核開発とロシアとの軍事協力強力糾弾のニュース、サムスン電子の携帯電話出荷台数世界1位のニュースなどを伝えた。30分ほどのニュースコーナーが終わると韓国国歌の愛国歌が鳴り響き、中間には歌手BTS(防弾少年団)の『Spring Day』『Butter』『Dynamite』と、赤頬思春期のヒット曲などが流れたりした。
韓国軍は先週、前方地域で対北朝鮮放送再開に向けた実戦訓練を進めたと公開した。合同参謀本部は「最近拡声器移動と設置、運用手続き熟達など別名『自由のこだま訓練』を2018年以降で初めて実施した」と明らかにした。
韓国政府がこの日予告通りに「対北朝鮮拡声器カード」を持ち出したのは北朝鮮が8日夜から汚物風船を再度散布したのに伴ったものだ。合同参謀本部によると、北朝鮮は8日夜11時から9日午前まで廃紙、ビニールなどのごみが入った風船330個を飛ばした。先月28~29日の260個、今月1~2日の720個に続き3度目だ。
北朝鮮は韓国政府の拡声器放送再開発表後も汚物風船を散布した。また、複数の軍消息筋によると、対南拡声器を設置すると推定される動きを見せたという。
北朝鮮はこの日、立場を出さなかったが、今後反発が予想される。対北朝鮮拡声器放送はこれまで北朝鮮が極度に敏感に反応する心理戦の手段である点と、実際の放送再開時に反発した前例からみると、韓半島(朝鮮半島)の緊張レベルが上がるものとみられる。これに伴い、北朝鮮の挑発に対応しながらも偶発的な衝突に広がらないよう状況管理が必要という指摘が出る。
これと関連し、韓国国防部はこの日非常勤務体制に入り全軍の対備態勢を強化した。国防部の申源湜(シン・ウォンシク)長官はNSC直後に緊急全軍主要指揮官会議を開いた。申長官は対北朝鮮拡声器放送実施にともない指揮官の格別の注意を促し、「これを口実に北朝鮮が直接的な挑発を敢行する可能性に対し徹底的に備えよ」と指示した。
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