１１月の米国大統領選挙でトランプ前大統領が当選するのではないか、クリーンエネルギー関連企業が懸念している。トランプ氏は風力発電、電気自動車（ＥＶ）産業などを支援するバイデン大統領の政策を「クレイジーなこと」「新たなグリーン（ｇｒｅｅｎ）詐欺」などと批判してきた。特にインフレ抑制法（ＩＲＡ）を通したＥＶバッテリー事業補助金政策を中断すると公言した。

トランプ氏を支持する保守派の有権者もＥＶに対して否定的な見方を強く持っていることが分かった。

２７日（現地時間）、ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）と世論調査企業モーニング・コンサルトが米国成人２２００人を対象にアンケート調査を実施した結果、保守派回答者はＥＶに対して「非常に否定的」（４１％）、あるいは「やや否定的」（２０％）と答えた。進歩派回答者の場合、否定的見解を見せたのは２３％にすぎなかった。業界は大統領選挙が近づくほどＥＶに対する好き嫌いが政治志向によってより強く出てくると予想している。


トランプ氏が当選してもＩＲＡの廃棄が容易ではないという展望もある。２８日、米政治専門紙ポリティコ（Ｐｏｌｉｔｉｃｏ）によると、米商工会議所はＩＲＡ廃棄を阻止するためのロビー資金として、今年だけで２４００万ドル（約３８億円）を支出した。２０２２年８月ＩＲＡ発効後、関連投資金が３５２０億ドルに達して、これは約２７万件の新しい雇用創出につながるという分析も出ている。トランプ氏が再執権する場合、ＥＶ企業テスラのイーロン・マスク最高経営責任者（ＣＥＯ）をホワイトハウス顧問に任命する方案を議論中という報道（２９日ＷＳＪ）も衆目を集めている。ＥＶ産業に対するトランプ氏の態度変化の可能性を覗くことができる。

ムン・ビョンス／論説委員