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世界各地で絶えない中国スパイ疑惑(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
敵国を探らない国はない。スパイ活動は本来、水面下で静かに激しく行われ、諜報領域は暗黙的な影の地帯と見なされる。ところが最近、米国とその同盟国が中国の諜報活動や関連疑惑を積極的にメディアに公開している理由は何か。

世界各地で中国スパイの脅威が拡大することに対する米国と同盟国の反撃であり、相対的な劣勢による不安感と警戒心の表現という分析がある。簡単にいえば、中国の脅威が急激に強まっているが、これに各国が直面した挑戦に単独で対応するのが難しいため、同盟国が共に行動に出たということだ。

BBCは「西側はその間、中国の挑戦を深刻に考えていなかったため諜報領域でも遅れをとり、中国スパイの脅威にさらに脆弱になった」とし「(最近、西側全域で中国スパイが逮捕されたのは)隠れていた西側と中国間の権力および影響力競争が公開的に出てきているという信号」と分析した。


ナイゼル・インクスター元英国対外情報局(MI6)作戦局長は「中国情報機関はすでに2000年代から産業スパイ活動に関与したが、西欧企業は中国市場内での立場の悪化を懸念して積極的に対応しなかった」と指摘した。昨年10月に米国主導の情報共有同盟「ファイブアイズ(Five Eyes)」のトップらが初公開会議を開いて中国の脅威について警告したのも、企業の警戒心を高めるための意図的な動きだったということだ。

中国との情報戦で米国と同盟国が現在直面している主な挑戦を整理すると大きく3つある。西側と異なる優先順位と目標を持つ中国スパイ、圧倒的な中国の数の優位、中国の制度的・技術的制約による難度の増加だ。

BBCによると、西側のスパイは敵を理解する「情報収集」自体に集中するが、中国スパイは共産党政権の安定のためにはるかに戦略的な目標を追求する。米戦略国際問題研究所(CSIS)は報告書「2000年以降の米国内スパイ活動調査」で、この数年間に中国は核心技術の確保など商業的スパイ活動のほか、莫大な量の個人情報の盗用、政治的強圧行為、影響力行使などを追加したと分析した。最近西側で増えたハッキング事件と政界の中国スパイスキャンダルにはすべて理由があった。

諜報活動で中国の数の優位は圧倒的だ。BBCによると、中国で安保・情報分野に従事する人員は約60万人にのぼると推定される。2019年にEU外務省はベルギー・ブリュッセルで250人以上の中国スパイが活動中だと指摘した。MI6は中国スパイが専門ネットワーキングプラットホーム「LinkedIn」を通じて英国だけで2万人以上の人に接近したと明らかにした。

CSISの報告書によると、2000年以降、米国企業が中国を相手に提起した知的財産盗用訴訟だけで1200件を超え、公開的に米国家安全保障に深刻な被害を与えた中国スパイ事件だけで224件にのぼる。米軍事専門誌のインド太平洋防衛フォーラムは、中国が西側の学者とビジネス専門家を抱き込むために少なくとも500件の人材養成プログラムを運営していると伝えた。また中国のハッキングプログラム規模とハッカーが盗んだ個人および企業データは他のすべての国の規模を合わせたものより多い。

最近、西側情報機関や工作員が中国情報を収集するのが難しくなったのも客観的な事実だ。中国国内で顔認識とデジタル追跡技術がかなり発達しているからだ。また中国の企業や政府機関が独自開発プログラムを広く使用し始め、西側諜報員の情報獲得の難度はさらに高まった。さらに中国政府が「反スパイ法」「対外関係法」などを強化し、逮捕の危険性も高まった。西側同盟国間の情報共有および協力が求められる理由だ。

BBCは中国のスパイ活動に追いつくための西側国家の努力を扱った14日の報道で「スパイ活動に関する過度な暴露は相手国に対する大衆の不信感と憂慮を強める」と警告した。また、こうした「暴露戦」は激しい対立や危機状況で自国の選択肢を減らすこともあるという分析だ。専門家らは緊張が高まって不信感が乱舞する状況であるほど、開かれたコミュニケーションチャンネルを確保することが最優先課題だと、BBCに明らかにした。

サゴン・クァンスク/中央日報中国研究所研究員


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