◆「事業費、韓国30兆ウォン、フランス70兆ウォン」
7月ごろの事業者選定を控え、現地では韓国が原発受注で有利という評価が出ている。何よりも価格競争でフランスを大きく上回るからだ。チェコメディア「経済ジャーナル(Ekonomicky Denik)」は16日(現地時間)、情報筋を引用し「韓水原がダンピングに近い価格で拒否できない提案をした」とし、韓国が受注する可能性が高いという見方を示した。国内原発業界では総事業費として30兆ウォン台を提示したが、フランスは70兆ウォン台を提示したという話も出ている。
実際、韓国型原発の「価格性能比」は世界最高水準だ。世界原子力協会(WNA)によると、2021年基準で韓国型原発の建設単価は1kWあたり3571ドルと、フランス(7931ドル)の半分にもならない。慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「韓国型原発は原子炉・タービンのような主要機器や部品のサプライチェーンが安定化されていて、建設現場管理能力が非常に優れている」とし「さらに国内外で多数の原発を建設して建設効率性まで高め、単価を低めることができた」と説明した。
韓国のもう一つの強みはいわゆる「オン・タイム・オン・バジェット(決められた予算で予定通り竣工)」だ。フランスは世界2位の原発稼働国(56基)だが、納期遵守競争力は客観的に韓国が優れている。韓国はアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発を日程に合わせて建設したのに対し、フランスがフィンランドに建設したオルキルオト3号機は予定より14年遅く竣工した。フランス電力が建設中の英国ヒンクリーポイントC原発も竣工時点が当初の2023年から2028年に延びた。安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官は最近、記者らに対し「フランスは事業費が増え、工事期間が延びるが、我々はUAEで期間内に終わらせた経験がある」とし、チェコ原発の受注に自信を表した。
とはいえ油断はできない。フランスは欧州の盟主として欧州原発市場を守るためにチェコ原発の受注に国力をオールインしている。3月には欧州連合(EU)内の原発拡大陣営12カ国と共同声明を出して「近隣原発同盟」を強調したが、チェコもここに参加した。マクロン大統領もチェコを訪問して受注戦を支援した。フランスはチェコから近いうえ陸路で移動でき、政治的な面では韓国より有利という評価だ。特にチェコは数十兆ウォン台の開発事業のためEUから資金を調達しなければならないが、この部分でもフランスが力を発揮することができる。
こうした地理的・政治的論理は原発受注において少なからず影響を及ぼす。2022年のポーランド1段階原発受注で韓国が米国に劣勢だったのもこうした背景のためだ。ポーランドはロシアがウクライナのザポロジエ原発を攻撃するのを見て、原発パートナーに米国を選択した。経済性の面では韓国が圧倒していたが、韓国は潜在的なロシア攻撃を防げないと判断したのだ。当時、ポーランドのモラウィエツキ首相はX(旧ツイッター)で「ハリス米副大統領、グランホルム米エネルギー長官とも対話した」とし「ポーランドと米国の強力な同盟は我々の計画の成功を保証する」とコメントした。政治的な判断が事業者選定に決定的な影響を及ぼしたのだ。
このように原発の輸出は技術や経済性よりも両国政府間の取引という例が多いため、国内の民間企業も緊張している。斗山エネビリティのイ・スンジェ常務は「13日、チェコ現地で33のメディアと懇談会を開いたが、韓国が有利と見るメディアが少なくなかった」とし「しかし結果は予測しがたく、最後まで受注に総力を尽くす」と述べた。政府としてもチェコ原発の受注は国内原発生態系の復元のために重要だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は2030年までに原発10基を輸出する計画だが、チェコ原発が今後の状況の分岐点となる見通しだ。
このため昨年9月に韓悳洙(ハン・ドクス)首相が、先月には安徳根長官がチェコを訪問した。UAEバラカ原発の受注も最後まで国家レベルで総力を尽くした影響が大きかった。2009年12月、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は原発輸出をめぐる談判のためUAEを訪問した。当時、仏有力日刊紙フィガロは「韓国は韓国電力の建物に戦時状況室(war room)を設置し、李大統領が自ら受注戦を指揮した」と報道した。チョン・ボムジン教授は「チェコ原発の受注に関連し、韓水原や民間企業、産業部ができることはすべてしたと考える」とし「韓国が勝負どころで勝機をつかめるよう大統領の外交的支援が必要な時」と話した。
韓国原発、欧州橋頭堡を確保しろ…30兆ウォンのチェコ原発受注戦に総力(1)
7月ごろの事業者選定を控え、現地では韓国が原発受注で有利という評価が出ている。何よりも価格競争でフランスを大きく上回るからだ。チェコメディア「経済ジャーナル(Ekonomicky Denik)」は16日(現地時間)、情報筋を引用し「韓水原がダンピングに近い価格で拒否できない提案をした」とし、韓国が受注する可能性が高いという見方を示した。国内原発業界では総事業費として30兆ウォン台を提示したが、フランスは70兆ウォン台を提示したという話も出ている。
実際、韓国型原発の「価格性能比」は世界最高水準だ。世界原子力協会(WNA)によると、2021年基準で韓国型原発の建設単価は1kWあたり3571ドルと、フランス(7931ドル)の半分にもならない。慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「韓国型原発は原子炉・タービンのような主要機器や部品のサプライチェーンが安定化されていて、建設現場管理能力が非常に優れている」とし「さらに国内外で多数の原発を建設して建設効率性まで高め、単価を低めることができた」と説明した。
韓国のもう一つの強みはいわゆる「オン・タイム・オン・バジェット(決められた予算で予定通り竣工)」だ。フランスは世界2位の原発稼働国(56基)だが、納期遵守競争力は客観的に韓国が優れている。韓国はアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発を日程に合わせて建設したのに対し、フランスがフィンランドに建設したオルキルオト3号機は予定より14年遅く竣工した。フランス電力が建設中の英国ヒンクリーポイントC原発も竣工時点が当初の2023年から2028年に延びた。安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官は最近、記者らに対し「フランスは事業費が増え、工事期間が延びるが、我々はUAEで期間内に終わらせた経験がある」とし、チェコ原発の受注に自信を表した。
とはいえ油断はできない。フランスは欧州の盟主として欧州原発市場を守るためにチェコ原発の受注に国力をオールインしている。3月には欧州連合(EU)内の原発拡大陣営12カ国と共同声明を出して「近隣原発同盟」を強調したが、チェコもここに参加した。マクロン大統領もチェコを訪問して受注戦を支援した。フランスはチェコから近いうえ陸路で移動でき、政治的な面では韓国より有利という評価だ。特にチェコは数十兆ウォン台の開発事業のためEUから資金を調達しなければならないが、この部分でもフランスが力を発揮することができる。
こうした地理的・政治的論理は原発受注において少なからず影響を及ぼす。2022年のポーランド1段階原発受注で韓国が米国に劣勢だったのもこうした背景のためだ。ポーランドはロシアがウクライナのザポロジエ原発を攻撃するのを見て、原発パートナーに米国を選択した。経済性の面では韓国が圧倒していたが、韓国は潜在的なロシア攻撃を防げないと判断したのだ。当時、ポーランドのモラウィエツキ首相はX(旧ツイッター)で「ハリス米副大統領、グランホルム米エネルギー長官とも対話した」とし「ポーランドと米国の強力な同盟は我々の計画の成功を保証する」とコメントした。政治的な判断が事業者選定に決定的な影響を及ぼしたのだ。
このように原発の輸出は技術や経済性よりも両国政府間の取引という例が多いため、国内の民間企業も緊張している。斗山エネビリティのイ・スンジェ常務は「13日、チェコ現地で33のメディアと懇談会を開いたが、韓国が有利と見るメディアが少なくなかった」とし「しかし結果は予測しがたく、最後まで受注に総力を尽くす」と述べた。政府としてもチェコ原発の受注は国内原発生態系の復元のために重要だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は2030年までに原発10基を輸出する計画だが、チェコ原発が今後の状況の分岐点となる見通しだ。
このため昨年9月に韓悳洙(ハン・ドクス)首相が、先月には安徳根長官がチェコを訪問した。UAEバラカ原発の受注も最後まで国家レベルで総力を尽くした影響が大きかった。2009年12月、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は原発輸出をめぐる談判のためUAEを訪問した。当時、仏有力日刊紙フィガロは「韓国は韓国電力の建物に戦時状況室(war room)を設置し、李大統領が自ら受注戦を指揮した」と報道した。チョン・ボムジン教授は「チェコ原発の受注に関連し、韓水原や民間企業、産業部ができることはすべてしたと考える」とし「韓国が勝負どころで勝機をつかめるよう大統領の外交的支援が必要な時」と話した。
韓国原発、欧州橋頭堡を確保しろ…30兆ウォンのチェコ原発受注戦に総力(1)
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