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【コラム】尹政権の経済政策 「シャワー室のバカ」になってはいけない(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

尹錫悦大統領

こうした問題点を直視した尹政権が公示価現実化を廃棄するという決定をしたのは合理的でもある。しかし合理性だけで世の中の問題が解決するわけではない。公示価現実化の廃止は政務的・戦略的には敗着だ。租税の再分配機能を考慮しない失策の中の失策といえる。文政権当時のように「現実を考慮せず家を持ったので税金をより多く出すべき」というような懲罰的課税は国民を疲れさせ、経済をゆがめる。持続してはいけない。しかし制度自体は維持するのが望ましい。住宅価格の上昇を抑える効果が大きいからだ。住宅価格が急騰すれば、いつでも現実化率を上方修正できる余地を残しておくべきだった。今からでも廃止を覆すのがよい。

R&D予算も文政権の間違った政策を正すのが出発だった。文政権で急増した国家債務を安定的に管理するには緊縮するのが合理的な方向だ。しかし軽重を分けなかった。石油が一滴も出ない韓国が暮らしていく原動力は労働力しかない。その労働力を高めるにはR&D能力を高める必要がある。ところがそれを減らせば自らの手足を縛る格好になる。これほどの矛盾はない。R&D予算の縮小は総選挙にも影響を及ぼしたようだ。事後解釈ではあるが、科学研究団地がある大田(テジョン)地域で与党が惨敗したのは果たして偶然だろうか。

1997年の通貨危機直後に韓国経済がすぐに回復できた原動力は、金大中(キム・デジュン)政権の情報技術(IT)育成だった。このために当時の政府は莫大な資金を投入した。われ先にと政府の予算を不正に使った企業も多い。その程度のバブルはやむを得ない。


米経済学者ミルトン・フリードマンは自由主義経済学者だったが、「シャワー室のバカ」になってはいけないと言った。経済政策が熱・冷を行き来しながら失敗に終わるという警告だ。もどかしくてもゆっくり方向を変えなければいけない。経済政策の長短所に同時に目を向けなければいけない。尹政権は過去と戦わずに実用だけ見て進むべきだろう。議会を掌握した巨大与党も同じだ。

キム・ドンホ/経済エディター


【コラム】尹政権の経済政策 「シャワー室のバカ」になってはいけない(1)

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