ハンコックタイヤのタイヤ販売店Tステーションで整備士がテスラ「モデル3」に電気自動車専用タイヤの「iON evo AS」を装着している。[写真 ハンコックタイヤ]
電気自動車の販売は停滞するが、電気自動車タイヤ市場は活気を帯びている。2~3年前に販売台数が大きく増えた電気自動車にタイヤ交換の周期がきたためだ。市場調査会社SNEリサーチによると、2021~2022年に世界で売れた電気自動車は1725万7000台だ。タイヤ交換周期が通常2~3年である点を考慮すれば今年の交換対象電気自動車タイヤは単純計算で7000万個に達する。市場調査会社プレシデンス・リサーチは「世界の電気自動車タイヤ市場規模が今年629億1000万ドル(約9兆8028億円)に拡大するだろう。その後年平均16.5%ずつ成長し、2032年には2141億9000万ドルに達するだろう」と予想する。8年間で約3.4倍に成長するという観測だ。
電気自動車の走行に最適化された電気自動車タイヤは、機能と素材の面で内燃自動車タイヤと違いが大きい。ネクセンタイヤ技術研究所のパク・ギソク研究企画担当は「電気自動車は200キログラム以上の重さを占めるバッテリーのため内燃車より20%以上重く、耐久性を高めなければならない」と話した。パク氏は続けて「電気自動車は高いトルクを出すので出発・加速時にタイヤが相当に摩耗する」と説明した。また、電気自動車は他の騒音が小さい代わりにタイヤの摩擦音は内燃車より大きく感じられるため、タイヤに特殊な吸音成分を追加したりもする。走行距離を伸ばす技術も多様に反映する。このように研究開発にさらに投資されただけに電気自動車用タイヤ価格は一般タイヤより15~30%高い。
韓国のタイヤメーカーは電気自動車用タイヤをゲームのルールを変える機会とみている。これまで世界のタイヤ市場は1位のミシュランなど海外ブランドが優位を占め、ハンコックタイヤが7位、錦湖(クムホ)タイヤが15位、ネクセンタイヤが20位の順だ。だが新技術が必要な電気自動車用タイヤ分野では韓国のタイヤメーカーがリードできるという観測が出ている。大徳(テドク)大学未来自動車学科のイ・ホグン教授は「ミシュランなど世界的タイヤ企業は振動・騒音管理技術面では足りない側面がある。韓国製タイヤはバランスが取れた性能を備え電気自動車タイヤに適合するという評価を受けている」と話した。
韓国企業は早くから電気自動車専用ブランドを発売し世界市場に挑戦している。ハンコックタイヤは2022年5月に世界で初めて電気自動車専用ブランドの「iON」を、錦湖タイヤは3月に電気自動車専用ブランド「EnnoV」を立ち上げた。世界のタイヤ市場で電気自動車専用ブランドを発売した企業はこの2社だけだ。
一方、韓国タイヤ3社は1-3月期に過去最高の業績を収めた。ハンコックタイヤは売り上げ2兆1273億ウォン、営業利益3987億ウォンで1-3月期としては過去最高の営業利益を記録した。錦湖タイヤも1-3月期に売り上げ1兆445億ウォンで前年同期比4.6%増え、営業利益も1456億ウォンで167%成長した。ネクセンタイヤは売り上げ6781億ウォンで前年同期比6%成長し、営業利益は416億ウォンで157.3%成長した。
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