インドの女優カンガナー・ラーナーウト氏。総選挙に出馬する意向を示した。[写真 映画公式スチールカット]
インド・ヒンズー教では牛は神聖な動物をみなされ、牛肉取食はタブーとなっている。BJPの一部議員は牛肉禁止法案発議まで準備中だとBBCは伝えた。BBCはまた「ラーナーウト氏が『私が牛肉を食べたというのは謀略』としながら悔しさを訴えている」とし、インド選挙の混乱ぶりを伝えた。
ラーナーウト氏の父親は事業家、母親は教師だが祖父が州議会議員だった。ラーナーウト氏にも政治の血が流れているということだ。だがいざ本人はというと、成長期には政治に関心がなかったという。モデルエージェンシーのスカウトを通じて芸能生活を始めたが興味を感じられず、演技に挑戦した。
その後2008年当時最年少でインド有数の映画祭「ナショナルフィルムアワーズ」で主演女優賞を受賞し、演技キャリアにおいて転換点を迎える。2008年はラーナーウト氏にとってさまざまな面で意味深い年だったが、その前年が彼女の人生で特に最悪だったためだ。
ラーナーウト氏は俳優アディツア・パンチョリさんとその夫人と特に親しかったが、後日パンチョリさんと不倫関係だったことが発覚した。事態は泥沼化し、パンチョリさんがインタビューで「(ラーナーウトが)私からお金まで借りた」と暴露し、ラーナーウト氏が「すでにそれよりも多くの金額で返した」という釈明までした。その後、ラーナーウト氏は「結婚しない」と宣言し、「特定の関係に縛られたくない」とその理由を明らかにした。
結婚の代わりに政治を選んだラーナーウト氏には非難が絶えなかった。今回の牛肉論争もそうだ。BBCは「ラーナーウトの政敵は彼女の以前のSNSの投稿などを検索して突き止めたとし、彼女が過去に牛肉を食べたという主張をしている」と伝えた。これに対してラーナーウト氏は「根拠のない風評であり、私は牛肉だけでなくすべての赤い肉を食べない」とし「私はヒンズー教徒であることを誇らしく思っている人間だ」と主張した。
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