中国の五星紅旗と米国の星条旗 [中央フォト]
◆インド洋に10年以上注力した中国
中国は先月、インド洋のモルディブと軍事協力を締結した。人口40万人の島国モルディブは中東-アフリカ-欧州・アジアをつなぐインド洋航路にある要衝地だ。陸地面積は300平方キロメートルにすぎないが、排他的経済水域(EEZ)は90万平方キロメートルを超える「海洋大国」であり、インド洋の前進基地とも呼ばれる。
すでに中国は一帯一路(陸・海上新シルクロード)事業を通じてモルディブに港・港湾などを建設した。このため今回の軍事協定を通じて商業用のこの施設をいつでも軍事基地に転換することが可能になった。実際に軍事基地に転換する場合、中国は2017年に東アフリカのジブチに構築した基地に続いてインド洋の真ん中に2つ目の海外基地を確保することになる。
中国はモルディブに10年以上にわたり注力してきた。2014年に習近平国家主席は中国の指導者では初めてモルディブを訪問した。習主席は当時、「小さな国だとしても地位が低いわけではない」と述べた。習主席の今年最初の首脳会談の相手もモルディブのムハンマド・ムイズ大統領だった。
中国はオーストラリアにも接近している。オーストラリアはインド洋で最も広いEEZ(640万平方キロ)を保有する国で、EEZの面積がインド(163万平方キロ)の4倍にのぼる。第2次大戦当時に西部の港町フリーマントルに潜水艦基地を開設して以降、オーストラリアはインド洋の最強国として君臨してきた。オーストラリアと中国の関係は2020年以降、大きく悪化した。オーストラリアが中国に新型コロナ起源調査を要求し、、これに反発した中国がワインなどオーストラリア産製品に報復関税をかけながらだ。その後、オーストラリアはクアッドのほか、米国中心の防衛協定AUKUSの一員として、これまでインド洋で中国の軍事拡張を阻止するのに先鋒の役割をしてきた。
ところが2022年に中国との関係改善を主張するアンソニー・アルバニージー首相が就任して状況は変わった。アルバニージー首相は同年11月にインドネシアで開催された主要20カ国・地域(G20)会議で習主席と会った。6年ぶりに開かれた中豪首脳会談だった。昨年11月にはオーストラリア首相では7年ぶりに中国を訪問して習主席と再会した。
3月には中国の王毅外相がオーストラリアを訪問し、ペニー・ウォン豪外相と会った。両国は経済など交流協力を増やす一方、海洋問題をめぐる対話を継続することで合意した。その後、中国はオーストラリアのワインに最大218%までかけた反ダンピング・反補助金関税を3年ぶりに撤廃した。
オーストラリアの動きについては、中国との関係改善を通じて経済的利益を図るものの、米国主導の安保協議体加入は維持する「安米経中(安保は米国、経済は中国)」の実利外交路線という解釈が出ている。しかし中国とオーストラリアの密着が安保同盟に否定的な影響を及ぼすという見方もある。インド日刊紙デカンヘラルドは「中国はオーストラリアを米国同盟体制から切り離すことを望んでいる」とし「中国はオーストラリア経済の中国依存度と脆弱性に執拗に付け込むはず」と指摘した。
中国と密着するモルディブ・豪州…米海上包囲網に亀裂か[グローバルリポート](2)
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