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【コラム】韓国外交の3つの罠(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2番目、感性的アプローチの罠だ。多くの国民が徹底した利益計算ではなく好き嫌いの感性で外交問題に接近する。おそらく世界で唯一韓国だけが国名の前に「親」または「反」という接頭語を付け、親米・親中・反米・反中のような言葉を使うだろう。国に何が利益になるかを計算するのではなく、好きか嫌いかの感性が先んじるのだ。政治家らは国民の考えを国益中心に集めるより、彼らの感性に迎合して党派利益を追求する。米国大統領選挙でトランプ氏が当選し取引的アプローチをするならば、それは嫌いか好きかの問題にとどまることではないではないか。

3番目、希望的思考の罠だ。外交は国同士の関係で個人間の関係と質的に違う。個人間の関係ではこちらが善意で対すればあちらも善意で対するという期待が通じることがある。たとえ個人間の関係が間違っても当事者ひとりで終わる。しかし国を代表する外交が間違えば数百万人、数千万人が被害を受ける。そのため個人間に適用される道徳観念や行動基準を国同士の関係にそのまま適用しようとすれば大きな問題が生じる。

例えば過去に韓国政府は中国に良くすれば中国も相応の好意に出てくると期待して中国に接した。そうするうちに何より中国が韓半島(朝鮮半島)問題を韓中関係そのものより米国との戦略競争の従属変数として扱ってきた点を見逃した。中国は2010年に明白な国際法違反である北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃の時も両非論を主張し、THAAD配備の際も韓国に経済制裁を加え韓米間の距離を広げようとした。


来週の総選挙は韓国外交の方向にも深刻な影響を及ぼすだろう。外交をめぐる論争も入り乱れるだろう。最も恐ろしいのは外交問題を国全体の利益の観点から冷徹に問い詰めて議論するのではなく、感性と陣営論理に訴えて国内政治ゲームのいけにえとする可能性だ。その場合、国民は大きな混乱に陥り国際社会は冷笑を送るだろう。

何よりわれわれが当面の国際政治現実に対する真剣な討論から始めたら良いだろう。メッテルニヒの警句の通り「現実をありのままに受け入れて現実に対する妄想」に陥るまいとする国民的努力を期待する。また、金大中(キム・デジュン)元大統領が獄中書信で明らかにしたように「書生的問題意識」は持っても徹底した「商人的現実感覚」に立脚して国益を問い詰めそれを達成する戦略を模索することを希望する。どうか筆者があまりに多くのことを希望しているのではないことを切実に望む。

尹永寛(ユン・ヨングァン)/峨山政策研究員理事長、元外交通商部長官


【コラム】韓国外交の3つの罠(1)

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