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韓国、輸出は回復傾向だが…物価・ウォン安・金利に身動き取れない内需

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国ウォン

「製造業生産・輸出を中心とした景気回復が続いているが民間消費の鈍化など経済部門別に回復ペースに差」(韓国企画財政部の3月経済動向)。

「内需鈍化が持続しているが輸出は回復傾向」(KDIの 3月経済動向)。

輸出は良いが、内需は悪い。最近の経済に対する韓国政府および韓国開発研究院(KDI)をはじめとする国内研究機関の診断はこの一言に集約することができる。内需鈍化に対する警告が各機関から聞こえる状況で、国内消費をより一層鈍化させるだけの要因が山積している。物価上方圧力が続いているところにウォン価値の下落、高金利による消費余力萎縮の影響も出ているためだ。


物価は内需鈍化の最も大きな要因に挙げられる。先月の消費者物価は前年比3.1%上昇し、2月に続いて2カ月連続で3%台の物価上昇率を記録した。リンゴ・ナシをはじめとする農産物価格の暴騰が注目されたが、長期的不安要因は別にある。再び始まった国際原油価格上昇ラリーだ。3日、ドバイ原油の1バレル当たりの価格は89.48ドルで、昨年10月30日(89.85ドル)以降の高水準を記録した。

国際原油価格の上昇は国内のガソリン・軽油価格だけでなく全般的な生産者物価上昇につながる。実際、生産者物価指数は昨年12月から3カ月連続で前月比騰勢を継続した。石炭・石油製品、化学製品などの価格が上昇しながらだ。生産者物価は消費者物価の先行指標と呼ばれる。銅・アルミニウムなど原材料価格も上昇している。

価格が上がれば消費は鈍化する。同じお金で買うことができる品目が減り、消費するときの心理的負担も大きくなるためだ。2月全産業生産は半導体の輸出増加に支えられて前月比1.3%増となったが、内需指標である小売販売額は3.1%減となるなど統計指標にも現れている。

1ドル=1350ウォン前後を行き来する為替レートも内需不安をあおる要因だ。4日ソウル外国為替市場で対ドルのウォン相場の終値は1347.1ウォンだった。前日比1.8ウォン安となったが、2日1ドル=1352.1ウォンで取引を終えるなど、年内で最高水準のウォン安ドル高となった。内需の側面でドル価格の上昇は輸入物価が高くなるだけに家計消費を鈍化させる要因として働く。

反対に輸出の側面ではドル高が肯定的要因として作用する可能性が高い。製造業を中心に米国景気が好調を示したことがドル高現状の原因の一つであることから、半導体など韓国主力輸出商品の需要が増加しているためだ。輸出は増えるが内需は失速する非対称構造が今後さらに深刻化するだろうという意味だ。

現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「半導体の輸出増加は続くものとみられる」としつつも「それでも景気がいいと言えないのは内需不振のためだ。高物価・高金利状況が続いているうえに高金利による利子負担が決定的」と話した。続いて「利下げがない限り、内需が反騰するほどのモメンタムがなさそうだ」と付け加えた。

米国の利下げが早い時期には行われず、利下げ幅も限定的になるだろうという予測も出てきて、高金利による内需沈滞に対する懸念も高まった。

高金利は利子費用の増加につながり、内需を鈍化させる決定的要因として働く。利子を出した分、使うお金は減るためだ。昨年世帯当りの月平均利子費用は前年(9万8700ウォン)比31.7%増の13万ウォンを記録した。2019年統計集計以降、最大の上昇幅となった。



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