バイデン米大統領と習近平中国国家主席が２日に電話による首脳会談をしたとホワイトハウスが明らかにした。２人が直接対話をしたのは昨年１１月のサンフランシスコでの首脳会談から約５カ月ぶりだ。

ホワイトハウスはこの日、首脳間の電話会談後に配布した報道資料で、「両首脳は協力分野を含め溝のある分野で多様な２国間問題と地域的・世界的問題に対し率直で建設的な議論を持った」と明らかにした。議論のテーマでは麻薬関連協力、軍事分野協力、人工知能（ＡＩ）関連の危険解決に向けた対話、気候変動、人的交流に対する持続的な努力などを挙げた。

バイデン大統領はこの日の電話会談で、「台湾海峡の平和と安定、南シナ海の法治と航行の自由を維持することが重要だ」と強調した。また、ロシアの防衛産業基地に対する中国の支援と、欧州と大西洋横断の安全保障に及ぼす影響に対する懸念を提起し、韓半島（朝鮮半島）の完全な非核化に向けた米国の持続的な努力を強調したとホワイトハウスは伝えた。


ホワイトハウス国家安全保障会議（ＮＳＣ）関係者は前日の事前会見で「両首脳は昨年の首脳会談で、競争を責任感を持って管理し、意図しない対立を防止するため定期的に疎通ラインを維持することで合意した。今回の電話会談は当時の合意を持続する努力の一環」と話した。両首脳は２０２２年１１月と昨年１１月の２回にわたり対面で会談した。最後の電話会談は２０２２年７月だ。米中は今回の電話会談に先立ち１月と２月にサリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）、ブリンケン国務長官がそれぞれ中国の王毅外相と会って事前協議を進めた。

ホワイトハウス関係者は、台湾問題をはじめ１１月の大統領選挙の主要問題に浮上した中国産麻薬の流通に対しては「実質的な成果を引き出さなければならない」と何回も強調した。また、偶発的衝突を防ぐための協議チャンネル確保と軍事用に転用される懸念が提起されるＡＩ関連議論も主要議題に掲げた。これと関連し「先月２１日に中国は米国など１２０カ国以上とともに国連で画期的なＡＩ決議案を支持した。今後数週間進められるＡＩ関連対話で特定の懸念について疎通することになるだろう」と説明した。

今回の会談が大統領選挙を控えた状況管理に目的があることを示唆したものと解釈される。

中国国営新華社通信も米中首脳の電話会談の事実を伝えながら「両首脳が２国間関係と双方が共同で関心のある問題に対し率直で深く意見を交換した」として今回の電話会談がバイデン大統領の要請で行われたと報道した。