パキスタンの国旗
パキスタンの日刊紙ドーンが先月31日に伝えたところによると、同国パンジャブ州の女性が先月17日に兄弟により絞殺された。
父親はこれを見守っており、別の兄弟はこの場面を撮影してSNSに上げた。動画は急速に拡散し公憤を起こした。
これに対し現地警察は捜査に入り、先月30日に関連した家族を容疑者として逮捕した。
家族は当初、女性が自然死したと主張した。
現地警察は、殺人動機は明らかでないが、事件の主犯の兄弟が警察の調査で、女性が身元のわからない男性と何度もビデオ通話をするのを目撃したと供述したとし、今回の事件が名誉殺人のすべての特徴を持っていると説明した。
この事件が知らされるとオンラインでは「むごい」としながら批判の声があふれている。
あるネットユーザーはXを通じて「彼らを公開的に処罰しなければならない」と批判した。
パキスタンなど南アジアのイスラム圏では家の名誉を失墜させたという理由で家族が女性を殺害することがしばしば発生する。
パキスタンの人権団体、パキスタン人権委員会(HRCP)によると、2022年には316件の名誉殺人がパキスタンで発生した。だが家族を殺害した後もこれを隠すケースが多く、実際の事件数はこれよりもっと多いものと推定される。
パキスタン政府は名誉殺人を防止するため、2016年にこれに対する処罰を強化したが、依然として根絶されていない。
一方、2023年にはイラク出身の女性がトルコでユーチューブチャンネルを開設し人気を呼んでいたが、故郷に帰ったところ父親によって殺害されている。娘を殺害した父親は懲役6月を宣告された。父親は寝ていた娘の首を締め、その後警察に自首した。
イラクでは刑法第41条により「夫の妻に対する処罰」と「彼らの権限下に法律または慣習によって規定された一定範囲内で両親の子どもに対する訓育」は適法な権利とされる。
また、第409条は「妻やガールフレンドが別の恋人と同床中の姦通現場を発見しただちに彼らあるいはそのうちの1人を殺害したり、あるいは暴行して相手を殺したり永久的な障害を負わせた者は3年以下の懲役刑に処する」と明示している。
国連は世界でいわゆる名誉殺人で家族の手により命を失う女性が毎年5000人以上に上ると推定している。
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