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【コラム】医政衝突で表れた大韓民国の素顔(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1950年に韓国戦争(朝鮮戦争)が始まると、ソウル大病院は「阿鼻叫喚」だった。北朝鮮軍が南侵4日目の6月28日、病院の前にまで迫った。医療従事者は負傷者を残して離れることができなかった。治療を続けた。しばらくして北朝鮮軍が国軍阻止線を突破して病院に乱入した。負傷者と医療従事者に片っ端から銃撃した。約900人が命を失った。生き残った医療従事者は連行された。公開処刑にされたりもした。6・25ソウル大医学部虐殺事件だ。追悼碑がソウル大病院にある。

いかなる理由であれ、今回の医政衝突で研修医が救急室・集中治療室・手術室を離れたのは遺憾だ。先輩たちが命をかけて守ったところをあまりにも安易に放棄した。患者に背を向ける態度に国民は驚いて失望した。患者が自分の家族だと考えていればそのようにしていただろうか。重症・急病患者だけでも交代で守っていれば、より多くの応援を受けたはずだが、残念だ。患者に対して謝意を抱かなければいけない。先週パン・ジェスン全国医大教授非常対策委員長が「国民なしに医師もないことを忘れていた」と述べた。謝罪があまりにも遅かった。誠意が感じられなかった。国民と医師の間の深い傷と不信は長く残るだろう。

この過程で一部の発言は度が過ぎるものだった。患者のそばに残った研修医を嘲弄した。「一生剥製にしなければいけない」という脅迫もした。盧煥圭(ノ・ファンギュ)元大韓医師協会会長は「医師に勝てると考えたこと自体が愚かな発想だ」と語った。優越感と特権意識がにじみ出る不適切な発言だ。「謙虚な者が強者」という真理を知らない態度だ。「こんな国に暮らしたくないので溶接を習っている」「ブドウ農家をする」などのコメントが続いた。医師が溶接やブドウ農家をできない理由はない。とはいえ誰もができる簡単なものではない。直ちに大韓溶接協会は「医師が溶接を馬鹿にしている」として遺憾を表した。


今回の事態は韓国社会の恥部である階層・貧富葛藤をそのまま表した。理念・地域・世代葛藤より根深い。中産層が崩れてさらに深刻になった。最近、私的な席で均衡感覚を失って過度に医師をかばう人が目につく。ある大手企業の最高経営責任者は「研修医が酷使されている。むしろよかった。この際休んで1年くらい遊べばどうか」と話した。普段とは違って興奮していて疑問が抱いた。患者の心配は関心外だった。すべて理由があった。娘がレジデント2年目だった。個々人の事情で全国が利己心に振り回された。

深刻性が分からないのか、政府の対応には問題がある。戦略も、広報も不足している。医学部の定員拡大は以前から利害関係が複雑に絡んだ事案だ。どのように解決するのか、政府の具体的かつ精巧な計画がなければいけない。2000人増員の根拠は何か、実際に現場で何人を追加で教える余力があるのか、医療報酬はどう改善するのか、激務の研修医の労働人権問題はどう解決するのか…。


【コラム】医政衝突で表れた大韓民国の素顔(2)

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