少なくとも１３３人が亡くなったロシア・モスクワ郊外のクロッカス市庁舎公演会場テロに関連し、テロリストが観客を１カ所に追い詰めて銃撃を加えるために非常階段の近くに火を付けるなど緻密に犯行を計画していた情況が明らかになった。



２４日（現地時間）、英日刊紙ガーディアンによると、今回のテロ攻撃を自分たちの仕業だと主張しているイスラム国家（ＩＳ）は独自に運営している通信社アマクを通じてテロ当時に撮影したと見られる動画を新たに公開した。該当の動画はテロリストが自ら撮影したと見られるもので、彼らはクロッカス市庁舎のロビーでコンサート観覧客を追いかけて近距離で銃器を乱射している。数多くの人々が銃弾に倒れた。ある銃撃犯が他の銃撃犯に「仏心など出さずに殺せ」と話す場面も確認された。


これに先立ち、ＩＳのアフガニスタン支部であるイスラム国（ＩＳ）ホラサン州（ＩＳＩＳ－Ｋ）はテロ直後、自分たちの犯行だと主張してテレグラムを通じて現場映像を公開した。ガーディアンが報じたアマクの動画が既に公開されたものと同じ動画なのかは確実ではない。ただし、ロシアのプーチン大統領をはじめ、ロシア側がＩＳの主張を無視してウクライナ関連説を印象づける兆しが続くと証拠として追加映像を公開した可能性もある。

テロリストが犯行場所を事前に現地調査した可能性も高いとみられている。ガーディアンは「銃器乱射犯がコンサートホールに乗り込み、群衆の間で放火して逃走した方法に関連して新たな情況が明らかになった」と伝えた。銃撃犯は非常階段の近くに火を付けたが、これは群衆をロビー中央に追い詰めて被害を増やそうとする狙いがあったものとみられる。ガーディアンはテロリストたちが観客を「殺傷区域（ｋｉｌｌｉｎｇ　ｚｏｎｅ）」に追い詰めたとし「テロ攻撃を緻密に計画したとみられる」と説明した。

一方、ロシア連邦保安局（ＦＳＢ）が逃走中の容疑者を逮捕したと明らかにした中で、彼らが尋問中に拷問されたと疑われる情況も確認されたとガーディアンは報じた。ロシアブロガーが流布した映像一つには保安軍が尋問中の容疑者を銃器で殴打して足で蹴る場面が含まれているという。

身体の一部を傷つけるなど過酷な行為をする場面もあったとガーディアンは伝えた。