北朝鮮労働党代表団が中国・ベトナム・ラオスを相次いで訪問すると朝鮮中央通信が22日、報じた。伝統的友好国と「党対党」外交を強化する歩みでコロナ禍下で疎遠になっていた東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係も回復させるようとしているとみることができる。
◇中国通の国際部長、初の歴訪
通信はこの日「労働党中央委員会政治局候補委員であり党中央委員会の国際部長である金聖南(キム・ソンナム)同志を団長とする労働党代表団が中国・ベトナム・ラオスを訪問するために21日、平壌(ピョンヤン)を出発した」と報じた。団長を務めた金部長は金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)の通訳者出身の代表的な「中国通」だ。
金部長は2021年1月、社会主義圏国家と「党対党」外交を総括する職責である労働党国際部長に任命された。海外歴訪は今回が初めてだ。朝中修交75周年を迎えて両国が首脳級で今年を「朝中友好の年」に決定したことから、初めての歴訪地に中国を選んだとみられる。昨年ロシアと急速に密着したことと比べて相対的に静かな雰囲気だった中国との関係を今年はしっかりと築いていこうという意味もある。
両国の発表によると、金部長は北京訪問初日の21日に中国序列4位で全国人民政治協商会議(政協)の王滬寧主席をはじめ、中国側カウンターパートである中国共産党対外連絡部の劉建超部長と会談を行った。劉部長は中国共産党中央政治局委員兼外交部長である王毅氏の後任として有力視されている。
◇「平和な環境をともに作っていこう」
この日在北朝鮮中国大使館によると、王主席は金部長と会って「戦略的疎通を強化して平和で安定した外部環境をともに作っていく用意がある」と述べた。「平和で安定した外部環境」は、米国をはじめとする西側の牽制(けんせい)に対抗して朝中が団結しようという意味だと解釈することができる。
これに対して金部長は「両国の社会主義事業はさらに大きな発展を得るだろう」として呼応した。金部長と劉部長との会談でも、両側は今年両国間の友好・協力関係を発展することで合意し、韓半島(朝鮮半島)情勢などに対して意見を交換したと中国共産党対外連絡部がこの日明らかにした。
金氏は中国に続いてベトナムとラオスも訪問する。これに先立ち18日、中国吉林省で劉部長が会ったベトナム共産党対外関係中央委員会のレ・ホアイ・チュン委員長と金部長も会うなら、3国間連鎖会談が実現する意味があるという分析もある。
◇ASEANとの関係回復に動き出す
ラオスの場合、今年ASEAN議長国として北朝鮮が唯一参加する地域内の多国間安保協議体であるASEAN地域フォーラム(ARF)などを開催する点で注目される。北朝鮮は昨年7月ARFの場合、議長国のインドネシアの期待を裏切ったまま5年連続で外相ではない大使級を出席させた。またARF期間に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)まで発射して会議の雰囲気に「冷や水」を浴びせるとASEAN9カ国外相が「驚愕(dismayed)」という表現まで動員して糾弾声明を出した。当時外交部当局者は「韓半島問題で中立的な立場を志向してきたASEANの伝統に照らし合わせると非常に珍しい」と評価した。
このような背景から、北朝鮮は昨年までやや疎遠だったASEAN外交を強化するために、コロナ禍以降、労働党国際部長の初めての歴訪日程にベトナム、ラオスまで含めたものと分析される。特に北朝鮮は先月14日、韓国とキューバの電撃的な修交以降、社会主義友邦と伝統的な連帯強化にさらに注力する一方、欧州をはじめとする西側国家とも大使館再稼働協議を理由に疎通を再開した。1日には国連の新任北朝鮮駐在常駐調整官の任命を承認した。また今月入り、中南米やアフリカなど大陸を問わず代表団を派遣し、積極的な外交活動を行う姿を印象づけている。
これに関連して、北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「北朝鮮がコロナ禍以後に制限された外交スケジュールを本格化し、新冷戦以降の陣営外交が復活するような動きに呼応している」とし「社会主義圏を対象に対外活動を増やして友好国と党次元の高官交流に続いて、後続実務接触を拡大して外交的孤立を脱離しようとするだろう」と見通した。
◇中国通の国際部長、初の歴訪
通信はこの日「労働党中央委員会政治局候補委員であり党中央委員会の国際部長である金聖南(キム・ソンナム)同志を団長とする労働党代表団が中国・ベトナム・ラオスを訪問するために21日、平壌(ピョンヤン)を出発した」と報じた。団長を務めた金部長は金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)の通訳者出身の代表的な「中国通」だ。
金部長は2021年1月、社会主義圏国家と「党対党」外交を総括する職責である労働党国際部長に任命された。海外歴訪は今回が初めてだ。朝中修交75周年を迎えて両国が首脳級で今年を「朝中友好の年」に決定したことから、初めての歴訪地に中国を選んだとみられる。昨年ロシアと急速に密着したことと比べて相対的に静かな雰囲気だった中国との関係を今年はしっかりと築いていこうという意味もある。
両国の発表によると、金部長は北京訪問初日の21日に中国序列4位で全国人民政治協商会議(政協)の王滬寧主席をはじめ、中国側カウンターパートである中国共産党対外連絡部の劉建超部長と会談を行った。劉部長は中国共産党中央政治局委員兼外交部長である王毅氏の後任として有力視されている。
◇「平和な環境をともに作っていこう」
この日在北朝鮮中国大使館によると、王主席は金部長と会って「戦略的疎通を強化して平和で安定した外部環境をともに作っていく用意がある」と述べた。「平和で安定した外部環境」は、米国をはじめとする西側の牽制(けんせい)に対抗して朝中が団結しようという意味だと解釈することができる。
これに対して金部長は「両国の社会主義事業はさらに大きな発展を得るだろう」として呼応した。金部長と劉部長との会談でも、両側は今年両国間の友好・協力関係を発展することで合意し、韓半島(朝鮮半島)情勢などに対して意見を交換したと中国共産党対外連絡部がこの日明らかにした。
金氏は中国に続いてベトナムとラオスも訪問する。これに先立ち18日、中国吉林省で劉部長が会ったベトナム共産党対外関係中央委員会のレ・ホアイ・チュン委員長と金部長も会うなら、3国間連鎖会談が実現する意味があるという分析もある。
◇ASEANとの関係回復に動き出す
ラオスの場合、今年ASEAN議長国として北朝鮮が唯一参加する地域内の多国間安保協議体であるASEAN地域フォーラム(ARF)などを開催する点で注目される。北朝鮮は昨年7月ARFの場合、議長国のインドネシアの期待を裏切ったまま5年連続で外相ではない大使級を出席させた。またARF期間に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)まで発射して会議の雰囲気に「冷や水」を浴びせるとASEAN9カ国外相が「驚愕(dismayed)」という表現まで動員して糾弾声明を出した。当時外交部当局者は「韓半島問題で中立的な立場を志向してきたASEANの伝統に照らし合わせると非常に珍しい」と評価した。
このような背景から、北朝鮮は昨年までやや疎遠だったASEAN外交を強化するために、コロナ禍以降、労働党国際部長の初めての歴訪日程にベトナム、ラオスまで含めたものと分析される。特に北朝鮮は先月14日、韓国とキューバの電撃的な修交以降、社会主義友邦と伝統的な連帯強化にさらに注力する一方、欧州をはじめとする西側国家とも大使館再稼働協議を理由に疎通を再開した。1日には国連の新任北朝鮮駐在常駐調整官の任命を承認した。また今月入り、中南米やアフリカなど大陸を問わず代表団を派遣し、積極的な外交活動を行う姿を印象づけている。
これに関連して、北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「北朝鮮がコロナ禍以後に制限された外交スケジュールを本格化し、新冷戦以降の陣営外交が復活するような動きに呼応している」とし「社会主義圏を対象に対外活動を増やして友好国と党次元の高官交流に続いて、後続実務接触を拡大して外交的孤立を脱離しようとするだろう」と見通した。
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