イタリアの国旗
イタリアANSA通信は19日(現地時間)、サルデーニャ島サッサリ裁判所が原告であるメローニ首相に7月2日の出廷を要求したと報じた。メローニ首相は自分の顔を合成してディープフェイク淫乱動画を制作・流布した2人に対して10万ユーロ損害賠償を要求している。サルデーニャ島在住の男性2人はそれぞれ73歳、40歳の父子だという。
検察によると、40歳男性はポルノ動画を編集して、特定ソフトウェアを使って淫乱動画女優の顔をメローニ首相のものと差し替えたと明かした。この動画は過去数カ月間、米ポルノサイトに掲示されて世界的に数百万件の再生回数を記録した。
捜査官はポルノサイトに動画を掲示した人々が使ったニックネームを基に該当の動画の出処となった電話番号を追跡して制作者を特定したとANSA通信が伝えた。メローニ首相は弁護人を通じて「このようなタイプの被害を受けたすべての女性に対し、告発することを恐れないようにというメッセージを伝えるために訴訟に出た」と明らかにした。勝訴した場合、賠償金はすべて暴力被害女性のための内務省基金に寄付する予定だという。
メローニ首相は2022年9月の早期総選挙で右派連合(イタリアの同胞、同盟、フォルツァ・イタリア)が勝利してイタリア初の女性首相になった。メローニ首相は自身が2012年に創党した極右政党のイタリアの同胞(FdI)の代表だった。FdIはイタリアファシズムの創始者ベニート・ムッソリーニ(1922~43年執権)が立てた国家ファシスト党(PNF)の後身にあたり、メローニ首相には「女ムッソリーニ」というニックネームがついている。
この記事を読んで…