韓国政府の医科大学定員拡大方針に反発する専攻医の集団離脱で12日も医療空白事態が続いている。この日午後、忠清南道論山市(チュンチョンナムド・ノンサンシ)に位置したある保健支所(保健所の下位施設)が、勤務中だった公衆保険医師が総合病院に派遣されたことで診療不可休診となっている。政府は現在、上級総合病院20カ所に軍医官20人や公衆保健医師138人など158人を投じている。[写真 フリーランサー キム・ソンテ]
生命の危険にさらされている患者の手を最後まで離してはいけないのが医師だ。特に医大教授は将来医者になる学生たちを教える。仁術を伝授しなければならない師匠が集団行動の予告で患者を窮地に追い込んでもいいのだろうか。ソウル大医大教授は18日を辞職の時点として定めた理由に対して「専攻医の退職届が効力を発生する日だから」とした。弟子の将来は心配するが、今すぐ治療が切実な患者は我関せずという言葉にも聞こえる。11日まで医師の集団行動被害申告・支援センターに受け付けられた患者被害の申告件数は472件にのぼる。手術の遅延329件、診療の取消79件だ。集計に反映されていない事例ははるかに多いことだろう。手術・治療を一刻も早く受けなければならない重症患者は不安な毎日を送っている。
政府が上級総合病院20カ所に急派した軍医官20人と公衆保健師138人が昨日から診療を始めたが専攻医1万2000人の空席を満たすには力不足だ。医療界や政府が対話で解決方法を探る方案が最善だ。ソウル大教授の提案には非現実的な内容が多いが、「政府は2000人という数字を決めずに、医師協は増員の全面再検討主張を引っ込めろ」という部分は一理ある。
医療界は集団行動のレベルを高めていて、韓悳洙(ハン・ドクス)首相は昨日も2000人増員方針を再度確認した。翰林(ハンリム)大医大本科1学年83人が教授から留級通知を受けるなど医大生集団留級事態もさらに状況を混乱させる一因となっている。政府は言葉だけで脅しながら「専攻医復帰期間」を今日明日と延ばすのではなく、誠意ある対話のために努力してほしい。増員規模を含めたすべての議題を対話テーブルにのせるオープンな姿勢が必要だ。そのためには専攻医が病院に戻るべきだが、事態を解決するべき医大教授まで辞職に加勢する態勢だ。医大教授の子弟の自制と省察をあわせて促したい。
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