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「価格を下げて市場掌握」 造船業に戦線拡大した米中貿易戦争(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

中国の五星紅旗と米国の星条旗 [中央フォト]

米中貿易戦争の戦線が半導体から造船・海運分野に拡大する状況だ。米国の関連労働団体が中国造船企業の不公正競争を指摘し、米当局に調査を要請したからだ。

11月の米大統領選を控えて労働組合の支持を望むバイデン米大統領はこれに反応し、関連調査に着手する可能性を表した。世界1位の中国造船業が米国の強力な牽制と規制を受ける場合、2位の韓国造船業に影響が及ぶという見方が出ている。

12日(現地時間)のフィナンシャルタイムズ(FT)などによると、全米鉄鋼労働組合(USW)、国際機械工・航空宇宙労働組合(IAM)など労働組合5団体はこの日、米通商代表部(USTR)に「造船・物流・海洋分野における中国の行動と政策、慣行について調査してほしい」という内容の請願書を提出した。中国企業が価格を人為的に引き下げて市場を掌握し、米国の船舶・海運会社が差別を受けているという主張だ。


労働組合側は中国造船業者の後ろ盾に中国政府を挙げた。その間、中国は「中国製造2025」戦略の10大戦略育成事業の一つ「造船業」に予算と人材を大規模に投入してきた。労働団体は請願書で「中国政府のこうした努力は他のどの国よりはるかに攻撃的で介入主義的」とし「多くが国営の中国企業が世界の港湾とターミナルの資金調達から建設・運営まで掌握しているという点でサプライチェーンの懸念もある」と述べた。実際、中国国営企業の上海振華重工(ZPMC)は現在、全世界貨物クレーンの70%を供給している。こうした状況は単純に不公正貿易行為にとどまらず、米国の経済全般を脅かす道具になるというのが労働組合の懸念だ。

労働団体は今回の請願で特に安全保障問題を強調した。全世界貨物移動および配送追跡データを提供する中国の物流情報LOGINKを代表事例で挙げた。そして「米軍の貨物の90%が商業用船舶で移動するが、中国はLOGINKのようなシステムで敏感な物流データを収集して中国当局に渡しているはず」と主張した。

米国は中国の港湾施設接近も心配している。先月、バイデン大統領はクレーンなど中国産港湾施設に関連し、沿岸警備隊に対して米国の海洋運送体系をサイバー脅威から保護するのに必要な権限を付与する行政命令に署名した。ZPMCが製作した米各地港湾のクレーンに要求もしていない無線モデムなど通信装備が装着されていて、この装備が国家安全保障に潜在的リスク要素だという米議会の調査結果が出た後だった。

労働組合は今回の請願でUSTRに「現在、米国造船業者の市場シェアは世界で建造される商業用船舶の1%にもならない」とし「米国の港に停泊する中国産船舶に料金を賦課し、米国の造船業を支援するための基金を設立してほしい」と要求した。


「価格を下げて市場掌握」 造船業に戦線拡大した米中貿易戦争(2)

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