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【コラム】NATO、スウェーデンの加盟でバルト海まで対ロシア包囲網構築(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇NATO加盟国、国防費増額ラッシュ

ロシアのウクライナ侵攻により安全保障に対する警戒心が高まった欧州のNATO加盟国は自国の国防費増額に先を争って乗り出している。NATOによると、昨年国防費が国内総生産(GDP)の2%を超える加盟国は11カ国だったが、今年は18カ国に増えた。ドイツのピストリウス国防相は最近行われたミュンヘン安全保障会議で、ドイツは国防費をGDPの2%を超え3.0~3.5%まで増額する計画であることを明らかにした。さらにドイツでは独自の核武装の必要性まで提起されている。

このようにロシアのウクライナ侵攻がもたらした結果はNATOのロシア包囲網拡大と欧州諸国の警戒心急増にともなう国防費増額として現れた。トランプ前米大統領がこれまで強く要求してきた欧州諸国の国防費増額は逆説的にもロシアのウクライナ侵攻一発で解決される様相だ。結局プーチン大統領は戦後に不利な損益計算書を手にすることになるだろう。


NATOの東進でロシアが孤立することが世界平和に向け望ましいのかに対しては意見が入り乱れている。一部ではNATOとロシアが不可侵条約を結び、現在の境界線からこれ以上東進しないことが世界平和に向け必要なことではないかとの主張も出ている。

グリペン戦闘機、早期警報統制機、最先端中小型潜水艦を生産する世界的な防衛産業事業者のサーブを保有するスウェーデンのNATO加盟は欧州の軍事力強化に確実に寄与するだろう。スウェーデンは2度の米朝首脳会談を仲介するなど伝統的に国際紛争仲裁で先に立ってきた国だ。スウェーデンのNATO加盟がNATOの軍事力増強にとどまらず、NATOとロシアの間の平和仲裁の役割にまでつながればという望みだ。

◇韓米同盟に自強力も育てなくては

米国はウクライナに対する支援を通じてウクライナがロシアに対抗できるよう支援すべきというのが基本の立場だ。しかし米国は一方的にすべての負担を抱え込むことは望まない。最小限今回の戦争の直接的当事者に当たる欧州が米国よりも多くの費用を負担しなければならないという立場だ。もしトランプ前大統領が11月の米国大統領選挙で勝利すれば、こうした声がさらに強くなるだろうということは火を見るより明らかだ。

米国が「世界の警察」役割を放棄して米国の利益を優先に考えるという「米国優先主義(アメリカファースト)」が大勢になって久しい。米国優先主義は韓半島(朝鮮半島)の状況にも決して肯定的ではない。北朝鮮が露骨に核兵器使用の威嚇と恐喝を日常的に行っている。北朝鮮の脅威には血盟である米国との同盟強化で対処し、別の一方では米国の自国優先主義にも賢く対処する案を準備する必要がある。国際政治という冷酷な現実の中で生き残りに向けては韓米同盟の強化と同時に、核を持っている北朝鮮に対応できるそれなりの自強力も強化しなければならない。韓国の外交安全保障当局の精巧な戦略と対策が切実な時点だ。

李汀圭(イ・ジョンギュ)/元駐スウェーデン韓国大使

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