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【コラム】NATO、スウェーデンの加盟でバルト海まで対ロシア包囲網構築(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

スウェーデンの国旗

スウェーデンのクリステンション首相が7日、米ワシントンDCで北大西洋条約機構(NATO)加盟書類をブリンケン米国務長官に手渡した。これによりスウェーデンはフィンランドに続きNATO32番目の加盟国となった。続けて11日にはベルギーのブリュッセルにあるNATO本部にスウェーデンの国旗が掲揚された。スウェーデンのNATO加盟は約200年にわたりスウェーデンが堅持してきた核心安全保障政策である「中立路線」の放棄を意味する。それだけ歴史的事件だ。

スウェーデンはスイスやオーストリアのような永世中立国ではない。永世中立国というのは他国の戦争に参加しない義務を負担する一方、他国によって独立と領土保存が「条約によって」保障された国を意味する。スウェーデンは条約によって中立が保障された国ではない。スウェーデンの中立はスウェーデン自らが明らかにした中立路線だ。すなわち、スウェーデンは軍事同盟に加担し戦時に望まない戦争に引きずり込まれるのを避けるために「戦時中立に向けた平時非同盟」を原則とする実利的な安全保障政策でこれまで中立路線を標榜してきた。戦争や冷戦時代の東西理念対立でどちら側にも加担しておらず、そのおかげで2度の世界大戦の惨禍を避けることができた。

◇ロシアの脅威にさらされたスウェーデン


スウェーデンが中立路線を取った最も大きな背景は、強大国の間に置かれた地政学的立地だ。その中でもロシアはスウェーデンと地理的に近くにある最も脅威となる強大国だ。スウェーデン領土であるゴットランド島はロシアのバルト艦隊司令部があるロシアの飛び地カリーニングラードからわずか350キロメートルしか離れていない近距離だ。

ロシアの存在によるスウェーデンとフィンランドの潜在的な安全保障不安は2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を契機に現実的な脅威となった。両国はこれに対する迅速な対応としてNATO軍事同盟への加入という確実な「安全保障保険」を選択した。NATO加盟前にもスウェーデンはNATO加盟国の軍隊と合同軍事演習をするなど緊密な軍事協力関係を維持してきた。

NATO関係者らはスウェーデンを「影のメンバー」と呼ぶほどだった。スウェーデン国民も戦争が勃発すれば加盟国ではなくてもNATOの兵力がスウェーデンを支援するだろうという信頼に一寸の疑いもないほどだった。したがってNATOに加盟しても軍事協力関係に大きな変化は予想されないが、集団安全保障体制であるNATO加盟を契機に、スウェーデンは有事の際にNATOから軍事的支援を受ける権利を法的に保証される点は明らかに変わることだ。

今後のカギは果たしてスウェーデンが自国領土に外国軍の駐留や核兵器配備まで許容するかどうかだ。これはスウェーデンとしては極めて敏感な問題のため、すでに内部で警戒と懸念の声が出ている。もしスウェーデンに外国軍の配置や核兵器配備がなされれば、ロシアにとっては耐え難い安全保障への脅威になるだろう。

NATOは第2次世界大戦後に、ソ連に対抗するため米国・英国・フランスを中心に作った軍事同盟だ。NATOは1949年の創設当時12の加盟国で始めたが、1991年のソ連崩壊を契機に旧ソ連の衛星国が大挙加盟し30カ国に拡大した。NATOの地理的範囲も次第に東進し、ロシアと国境を接する構図になった。2年前にウクライナを侵攻したロシアの名分のひとつもNATOの東進への対応だった。スウェーデンとフィンランドのNATO加盟によりバルト海はもう「NATOの湖」になった。地中海に続きバルト海までロシアを囲むNATOの包囲網が構築されたという評価が出ている。


【コラム】NATO、スウェーデンの加盟でバルト海まで対ロシア包囲網構築(2)

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