25年前にH.O.T.のムン・ヒジュンとBabyV.O.Xのカン・ミヨンのスキャンダルが起きた時、H.O.T.ファンからカッターの刃と血書を受け取ったのはカン・ミヨンだった。しかし先週aespaのファンから脅迫混じりの「デモトラック」を送りつけられたのは熱愛説の相手である俳優イ・ジェウクではなくカリナだった。ファンらはなぜカリナに怒ったのか。
先月27日、カリナとイ・ジェウクの熱愛説がふくらむと双方は「お互いを知っていくところ」としながら交際を認めた。するとソーシャルメディア(SNS)はカリナのファンらの失望と憤怒の混ざった投稿で埋め尽くされた。所属事務所のSMエンターテインメントの前には中国のファンたちが送りつけた「デモトラック」まで登場した。結局カリナは5日に自筆の謝罪文を上げた。恋愛すると謝罪までしなければならないアイドルファンダムに納得できないという反応が出ており、BBCなど外信は「悪名高いK-POP文化」にスポットを当てた。
◇「みんなうまくいけという声」…「私の子」スター作る養育者ファン
K-POP文化はBBCの指摘の通り「悪」だろうか。最近アイドルの熱血ファンらの感情はスターに対する憧れよりは子どもに対する「タイガー・マム」の愛着に近い。カリナに向けられたファンらの批判を詳しく見れば「君をその座に上げたのはマイ(aespaファンダム)だ」「ファンらを失望させないで誇らしい歌手になると言ったじゃないか」という形だ。一言で「私がお前をこんなに育てたのに!」という感情が敷かれている。いわゆる「養育者ファンダム」だ。
韓国ジョージ・メイソン大学国際学科のイ・ギュタク教授は「最近のアイドルファンには『私が君を熱心にサポートし1位にする』という養育の概念がある。『プロデュース101』などオーディション番組が流行した後ではさらにそうだ。親が『私がお前を良い大学に行けるよう支援するからそれまで勉強に専念しなさい』という概念に近い」と説明した。
ファンらは新曲が出ればアルバム数百枚を購入して人気ランキングを上げるために歌をストリーミングしたりアイドルに献身する。ファンらが送ったデモトラックの電光掲示板の文言「How dare you?(よくもそんなことを)」にはカリナがこうした犠牲を裏切ったという思いが込められた。カリナは謝罪文に「失望させないでさらに成熟し熱心に活動する姿を見せたい」と書いてファンらの憤怒をなだめた。
◇アイドルと「ごはん食べた?」メッセージ…近くなった「テレビの中の女神」
ファンプラットフォームでは毎月購読料を払うとアイドルとメッセージをやりとりできる。アイドルのスケジュールや性格によりメッセージや写真を送る頻度は千差万別だ。
ファンとアイドルの関係変化には急速に発達したメディア技術も寄与した。国民大学メディア・広告学部のナ・ウンギョン教授は2020年の論文「メディアファンダムの心理学:だれでもファンを持っている時代、崇拝から親しみへ」で、「メディアテクノロジーの発達でメディア消費者とメディア人物の間の関係はますます複雑多端になっているのに対し、その本質に対する統合的で包括的な理解は不足した実情」と指摘した。
テレビなど大衆メディアで一方向的にアイドルに接するしかなかったファンらは、いまではSNSでアイドルと日常的な対話をできるようになった。こうしたコミュニケーションはスターのメッセージを1対1のチャットルームで受信し返事できる購読型メッセンジャー「バブル」などファンプラットフォームとして商品化された。メッセージを頻繁に送るアイドルは「孝行息子、孝行娘アイドル」としながら口コミが広がり、反対にコミュニケーションを疎かにすれば非難される。
カリナは代表的な「孝行娘アイドル」の1人だった。常に「バブル」で疎通し、そのおかげで「ファンによくしてくれることで有名で、バブルもよくくる」アイドルに指折り数えられた。ところが恋愛を始めた時点から「バブル」を疎かにするようになったという指摘が出た。裏切りを感じたファンらの「バブル」購読キャンセルが続いた。
大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「ファンらの過熱した反応は個人の私生活とガールズグループとしての活動を分離できない文化遅滞現象が原因」と指摘し、その背景のひとつにこうしたファンプラットフォームを挙げた。彼は「1対1のサービス提供は下手をするとその人と自分との関係を金で買ったという誤解を与える恐れがある。アーティストにも望ましくない。途轍もないもない感情労働」と批判した。
しかし最近K-POP市場でスター誕生に向けた「ハードコアファン」の火力は必須になった。カリナの熱愛のニュースが伝えられた後にファンダムから出た「お金はファンが使い赦しは大衆がする」という嘲笑には骨がある。アイドルに献身する「コアファン」と軽く消費する「ライトファン」の間には消費する時間とお金の規模でも狭めることのできない間隙があるためだ。
専門家らは持続可能なK-POPの発展に向けては「熱心なファン」に依存する産業構造が変わらなければならないと指摘する。イ・ギュタク教授は「K-POP産業がこの5~6年間で大衆的な人気より忠誠度の強いファンに依存する傾向が過度に高まった。コアなファンのお金と時間を担保に人気を得る産業構造が変わらなければならない。企画会社で長期的な次元でファン層を広く多様にさせられる方法を考えなければならない」と指摘した。
先月27日、カリナとイ・ジェウクの熱愛説がふくらむと双方は「お互いを知っていくところ」としながら交際を認めた。するとソーシャルメディア(SNS)はカリナのファンらの失望と憤怒の混ざった投稿で埋め尽くされた。所属事務所のSMエンターテインメントの前には中国のファンたちが送りつけた「デモトラック」まで登場した。結局カリナは5日に自筆の謝罪文を上げた。恋愛すると謝罪までしなければならないアイドルファンダムに納得できないという反応が出ており、BBCなど外信は「悪名高いK-POP文化」にスポットを当てた。
◇「みんなうまくいけという声」…「私の子」スター作る養育者ファン
K-POP文化はBBCの指摘の通り「悪」だろうか。最近アイドルの熱血ファンらの感情はスターに対する憧れよりは子どもに対する「タイガー・マム」の愛着に近い。カリナに向けられたファンらの批判を詳しく見れば「君をその座に上げたのはマイ(aespaファンダム)だ」「ファンらを失望させないで誇らしい歌手になると言ったじゃないか」という形だ。一言で「私がお前をこんなに育てたのに!」という感情が敷かれている。いわゆる「養育者ファンダム」だ。
韓国ジョージ・メイソン大学国際学科のイ・ギュタク教授は「最近のアイドルファンには『私が君を熱心にサポートし1位にする』という養育の概念がある。『プロデュース101』などオーディション番組が流行した後ではさらにそうだ。親が『私がお前を良い大学に行けるよう支援するからそれまで勉強に専念しなさい』という概念に近い」と説明した。
ファンらは新曲が出ればアルバム数百枚を購入して人気ランキングを上げるために歌をストリーミングしたりアイドルに献身する。ファンらが送ったデモトラックの電光掲示板の文言「How dare you?(よくもそんなことを)」にはカリナがこうした犠牲を裏切ったという思いが込められた。カリナは謝罪文に「失望させないでさらに成熟し熱心に活動する姿を見せたい」と書いてファンらの憤怒をなだめた。
◇アイドルと「ごはん食べた?」メッセージ…近くなった「テレビの中の女神」
ファンプラットフォームでは毎月購読料を払うとアイドルとメッセージをやりとりできる。アイドルのスケジュールや性格によりメッセージや写真を送る頻度は千差万別だ。
ファンとアイドルの関係変化には急速に発達したメディア技術も寄与した。国民大学メディア・広告学部のナ・ウンギョン教授は2020年の論文「メディアファンダムの心理学:だれでもファンを持っている時代、崇拝から親しみへ」で、「メディアテクノロジーの発達でメディア消費者とメディア人物の間の関係はますます複雑多端になっているのに対し、その本質に対する統合的で包括的な理解は不足した実情」と指摘した。
テレビなど大衆メディアで一方向的にアイドルに接するしかなかったファンらは、いまではSNSでアイドルと日常的な対話をできるようになった。こうしたコミュニケーションはスターのメッセージを1対1のチャットルームで受信し返事できる購読型メッセンジャー「バブル」などファンプラットフォームとして商品化された。メッセージを頻繁に送るアイドルは「孝行息子、孝行娘アイドル」としながら口コミが広がり、反対にコミュニケーションを疎かにすれば非難される。
カリナは代表的な「孝行娘アイドル」の1人だった。常に「バブル」で疎通し、そのおかげで「ファンによくしてくれることで有名で、バブルもよくくる」アイドルに指折り数えられた。ところが恋愛を始めた時点から「バブル」を疎かにするようになったという指摘が出た。裏切りを感じたファンらの「バブル」購読キャンセルが続いた。
大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「ファンらの過熱した反応は個人の私生活とガールズグループとしての活動を分離できない文化遅滞現象が原因」と指摘し、その背景のひとつにこうしたファンプラットフォームを挙げた。彼は「1対1のサービス提供は下手をするとその人と自分との関係を金で買ったという誤解を与える恐れがある。アーティストにも望ましくない。途轍もないもない感情労働」と批判した。
しかし最近K-POP市場でスター誕生に向けた「ハードコアファン」の火力は必須になった。カリナの熱愛のニュースが伝えられた後にファンダムから出た「お金はファンが使い赦しは大衆がする」という嘲笑には骨がある。アイドルに献身する「コアファン」と軽く消費する「ライトファン」の間には消費する時間とお金の規模でも狭めることのできない間隙があるためだ。
専門家らは持続可能なK-POPの発展に向けては「熱心なファン」に依存する産業構造が変わらなければならないと指摘する。イ・ギュタク教授は「K-POP産業がこの5~6年間で大衆的な人気より忠誠度の強いファンに依存する傾向が過度に高まった。コアなファンのお金と時間を担保に人気を得る産業構造が変わらなければならない。企画会社で長期的な次元でファン層を広く多様にさせられる方法を考えなければならない」と指摘した。
この記事を読んで…