バイデン米大統領の任期最後の一般教書演説は事実上、大統領選挙の前哨戦となった。演説の最初から、１１月の大統領選挙での対決が確定したトランプ前大統領を照準を合わせた。

◆トランプ氏狙い「怒り・報復の米国…民主主義を守るべき」


バイデン大統領は７日晩（現地時間）、ワシントン連邦議会下院本会議場で行った一般教書演説で「３年前の１月６日、歴史は目撃した。南北戦争以降、民主主義にとって最も大きな脅威だった。しかし彼らは失敗した」と述べた。２０２１年のワシントン「議事堂暴動」に関する発言だった。バイデン氏は「政党と関係なくすべての米国人が民主主義を守らなければいけない」と強調した。


◆「トランプ氏とは違いプーチンに屈しない」

ウクライナ戦争に関連し、バイデン氏は「自由と民主主義が世界で攻撃を受けている」とした後、「米国はウクライナでから逃げない」と持続的な支援方針を明らかにした。

また「私の前任者（トランプ氏）はプーチン大統領に『好きにしろ』と言った。彼はロシアの指導者に頭を下げた」とし「私はプーチンに頭を下げない」と強調した。

バイデン氏は「私はプーチンがウクライナで止まらないと確信する」とし「ウクライナ支援予算が議会で止まっている。議会に言う。我々はプーチンに対抗しなければならない」とウクライナ支援予算の処理を促した。続いて「米国はウクライナに地上軍を派兵しなかった」とし、その方式を守ると強調した。

◆「イスラエル、ガザ地区の民間人を保護すべき」

イスラエルとパレスチナの武装組織ハマスの戦争にも言及した。バイデン氏は「イスラエルはハマスを攻撃する権利がある」としながらも「イスラエルはガザ地区の罪のない民間人を保護する責任がある」と述べた。また人道的支援を拡大するための臨時港をガザ地区の海岸に建設するよう米軍に支援した事実にも言及した。

◆「不公正な中国経済慣行に対抗する」

バイデン氏は中国に関連し「我々は中国の不公正な経済慣行に対抗していて、台湾海峡での平和と安定を守る」と明らかにした。「我々は中国との競争を望むが、紛争は望まない」としながらだ。

バイデン氏は「私は太平洋でインド、オーストラリア、日本、韓国、島嶼国など同盟とパートナーシップを再活性化した。私は米国の最先端技術が中国の武器に使用できないよう確実にした」と強調した。そして「私の前任者（トランプ氏）は中国に対する激しい発言にもかかわらず、このようにする考えがなかった」と自身と比較した。バイデン氏は「我々は中国や他の国と２１世紀の競争で勝つことができる最も強力な位置にいる」と話した。

一方、連邦赤字問題について「富裕層増税」を通じて３兆ドル（約４４３兆円）減らすと明らかにし、現在１５％の法人税最低税率を２１％に引き上げると約束した。