米国大統領選挙がバイデン大統領とトランプ前大統領の再対決で事実上確定し、両陣営の勝機に影響を及ぼす場外人物にも注目が集まっている。最高の人気を謳歌しているポップスターのテイラー・スウィフトさん、強大な財力と発言力を持ったテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏、バイデンに代わる候補として名前が挙がっていた元ファーストレディーのミシェル・オバマ氏などが代表的だ。
◇キングメーカー? 政界にも「スウィフト効果」
スウィフトさんは今回の大統領選挙予備選の分岐点になる5日(現地時間)の「スーパーチューズデー」を控えてファンに投票を呼びかけるコメントを出して目を引いた。インスタグラムのストーリーに「3月5日はテネシーなど16の州と米国領で大統領選挙プライマリー(予備選)が開かれる」とし「皆さんを最もよく代表する人に投票してほしい」と明らかにした。
スウィフトさんは2020年大統領選挙当時はバイデン氏を露骨に支持していたが、今回は特定の政党と候補には言及してはいない。これに関連して、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「メッセージが超党派的で簡潔だった」としながらも「しかしこれ自体でもトランプの過激支持層である『MAGA(米国を再び偉大に)』と(親トランプ志向の)フォックス(FOX)ニュースなどの怒りを触発する可能性がある」と伝えた。普段から歌詞に含蓄的で秘密の意味を隠しておくことを好むスウィフトさんがこの日のメッセージにも自分の考えを迂回的に入れている可能性を指摘した。
このためスウィフトさんが「テネシーなど16州で予備選が開かれる」と言及した部分に注目が集まった。厳密に突き詰めると、予備選は15州だけで行われ、アイオワ州では民主党コーカス(党員集会)だけが開かれるためだ。これに対して「事実上、バイデン支持を迂回的に表現した」という解釈が出てきた。
これに先立ち、トランプ支持層の間ではスウィフトさんを狙った陰謀説が拡散した。「国防総省の秘密要員であるスウィフトが大衆心理作戦を遂行中で、若年有権者が大統領選挙でバイデンに投票するようにあおっている」という内容だ。
このような陰謀説が広がるほどスウィフトさんが米政界から高い関心を集めているのは、彼女が持つ政治的影響力のためだ。ニューズウィークが今年1月に有権者1500人を対象に実施した世論調査で「スウィフトが支持する候補に投票する考えはあるか」という質問に、回答者の18%が「可能性が高い」または「相当高い」と答えた。全体回答者のうち45%は「スウィフトのファン」だった。
スウィフトさんの音楽を聞いて育ったコアファン層であるZ世代(1990年代中盤~2000年代初期生まれ)は全体有権者の16.4%(4100万人)を占める。トランプ陣営にとってはそれだけ威嚇的な存在といえる。
スウィフトさんが初めて政治的発言をしたのは2018年中間選挙の時だ。自身が幼少期を過ごしたテネシー州から出馬した共和党上院議員候補が「ジェンダー平等賃金」と「女性暴力防止法」再承認に反対すると、民主党候補を公開的に支持した。2020年大統領選挙では「人種差別反対」「性的少数者の権利尊重」「女性の身体に対する選択権」などを強調してバイデン氏を支持した。トランプ氏に対しては「優越主義と人種主義をあおる」と言って露骨に批判した。
T・スウィフトさん、マスク氏、ミシェル・オバマ氏…米大統領選挙の変数になり得る場外人物(2)
◇キングメーカー? 政界にも「スウィフト効果」
スウィフトさんは今回の大統領選挙予備選の分岐点になる5日(現地時間)の「スーパーチューズデー」を控えてファンに投票を呼びかけるコメントを出して目を引いた。インスタグラムのストーリーに「3月5日はテネシーなど16の州と米国領で大統領選挙プライマリー(予備選)が開かれる」とし「皆さんを最もよく代表する人に投票してほしい」と明らかにした。
スウィフトさんは2020年大統領選挙当時はバイデン氏を露骨に支持していたが、今回は特定の政党と候補には言及してはいない。これに関連して、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「メッセージが超党派的で簡潔だった」としながらも「しかしこれ自体でもトランプの過激支持層である『MAGA(米国を再び偉大に)』と(親トランプ志向の)フォックス(FOX)ニュースなどの怒りを触発する可能性がある」と伝えた。普段から歌詞に含蓄的で秘密の意味を隠しておくことを好むスウィフトさんがこの日のメッセージにも自分の考えを迂回的に入れている可能性を指摘した。
このためスウィフトさんが「テネシーなど16州で予備選が開かれる」と言及した部分に注目が集まった。厳密に突き詰めると、予備選は15州だけで行われ、アイオワ州では民主党コーカス(党員集会)だけが開かれるためだ。これに対して「事実上、バイデン支持を迂回的に表現した」という解釈が出てきた。
これに先立ち、トランプ支持層の間ではスウィフトさんを狙った陰謀説が拡散した。「国防総省の秘密要員であるスウィフトが大衆心理作戦を遂行中で、若年有権者が大統領選挙でバイデンに投票するようにあおっている」という内容だ。
このような陰謀説が広がるほどスウィフトさんが米政界から高い関心を集めているのは、彼女が持つ政治的影響力のためだ。ニューズウィークが今年1月に有権者1500人を対象に実施した世論調査で「スウィフトが支持する候補に投票する考えはあるか」という質問に、回答者の18%が「可能性が高い」または「相当高い」と答えた。全体回答者のうち45%は「スウィフトのファン」だった。
スウィフトさんの音楽を聞いて育ったコアファン層であるZ世代(1990年代中盤~2000年代初期生まれ)は全体有権者の16.4%(4100万人)を占める。トランプ陣営にとってはそれだけ威嚇的な存在といえる。
スウィフトさんが初めて政治的発言をしたのは2018年中間選挙の時だ。自身が幼少期を過ごしたテネシー州から出馬した共和党上院議員候補が「ジェンダー平等賃金」と「女性暴力防止法」再承認に反対すると、民主党候補を公開的に支持した。2020年大統領選挙では「人種差別反対」「性的少数者の権利尊重」「女性の身体に対する選択権」などを強調してバイデン氏を支持した。トランプ氏に対しては「優越主義と人種主義をあおる」と言って露骨に批判した。
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