ツイッターは2022年、イーロン・マスク氏が買収後、激動の歳月を送っている。大量解雇が続き、名称もXに変わった。ただでさえTikTok、YouTubeにユーザーが集まって「ソーシャルメディアは死んだ」(バイス・メディア)、「ソーシャルメディア時代が暮れていく」(ジ・アトランティック)という言葉が出ている渦中に、マスク氏の予測不能な奇行まで重なり、Xとなったツイッターの未来に対する懸念も高まっている。マスク氏が率いるX、さらには一時民主主義の砦とまで呼ばれたソーシャルメディア・プラットフォームの未来はどうなるのだろうか。
◇「このアプリはクソな言葉が一つもできない(This app makes zero fuXXing sense)」
昨年2月、X(当時ツイッター)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が非常会議を招集してツイッターアプリを巡って吐き出した言葉だ。その日朝、マスク氏とバイデン大統領はアメリカンフットボールのスーパーボウル競技でフィラデルフィア・イーグルスを応援するツイートを残したが、フォロワー数が1億人以上少ないバイデン大統領のツイート照会数がマスク氏よりも3倍多かったというのが怒りの理由だったという。推薦アルゴリズム改善会議が開かれ、「グーグル(Google)トレンドなどの指標を見てもあなたの人気は下だ」と直言した人はその場で解雇されたりもした。IT専門メディア「プラットフォーマー」のゾエ・シファー(Zoe Schiffer)編集長が先月13日に出版した本『Extremely Hardcore:Inside Elon Musk’s Twitter(極度に大変な:イーロン・マスクのツイッターの内部)』で赤裸々に明かされたマスク氏の経営方式だ。
◇マスク氏、ツイッターを殺す
2022年10月、マスク氏は440億ドル(約6兆6200億円)でツイッターを買収した。この日を基点にツイッターは全く別の会社になった。名前だけがXに変わったわけではなかったのだ。
もともとツイッターは2006年作られたマイクロブロギング(micro-blogging)プラットフォームの元祖だ。草創期にはユーザーが些細な自分の日常をシェアして人気を呼んだ。長年ツイッターについて研究したイリノイ大学コミュニケーション学科のジジ・パパチャリシ教授は中央日報の取材に対して「ツイッターによって他のメディアにまで日常をシェアする文化が広がった」と話した。
問題は創業者であるジャック・ドッシーCEOなどツイッター旧経営陣が企業をまともに経営する方法を知らなかったという点だ。2020年ツイッターのDAU(日間アクティブユーザー数)は1億9200万人で、当時フェイスブック(18億4000万人)と約20倍の違いが生じていた。
マスク氏が買収した後、ツイッターは名前をXに変えて、大量解雇をした後、収益モデルを導入したが経営状態は良くならなかった。かえってDAUは競争ソーシャルメディアのプラットフォームが軒並み上昇する間に16%減少し、企業価値は72%(フィデリティ)暴落した。ユーザーがマスク氏個人やXのソーシャルメディア政策に反感を持って離れたためだ。ユーザーが反感を持っている代表的な政策は「検閲放棄」だ。
マスク氏は有害コンテンツの検閲人材を大量に解雇し、トランプ前大統領や9・11テロ陰謀論者などのアカウント停止を解除した。また、有名人の詐称を防ぐために認証アカウントに無料で付けていた「ブルーチェック」(青色チェック表示)機能も有料化した。フェイクニュース検閲機能を減らし、その場に収益モデルを組み込んだのだ。
◇下り坂のソーシャルメディア
もちろんXの下降傾向を全てマスク氏のせいばかりにはできない。テキストの形で日常をシェアしたり個人の意見を表出するソーシャルメディア・プラットフォームが下り坂をたどっているためだ。
YouTube・インスタグラムなどの動画や写真、TikTokのショート動画(1分以内の短い動画)コンテンツが人気を博し、テキストを読もうとするユーザーが減った。ソーシャルメディア産業専門家であり、元青瓦台(チョンワデ、大統領府)デジタル疎通センター長のカン・ジョンス氏は「テキスト中心のソーシャルメディアを利用したミレニアル世代が年を取ってしまったせいでフェイスブックとツイッターはすでに少数のユーザーだけが残っているニッチマーケット(隙間市場)に転落した」と分析した。
ユーザーは減ったが、規制は増えた。バイデン大統領は昨年10月「ディープフェイクは名誉を傷つけてフェイクニュースを流布する」とし、AI技術の開発を政府が統制する行政命令に署名し、欧州連合(EU)も昨年8月からフェイクニュースと虚偽コンテンツ流布の責任をプラットフォームに問う「デジタルサービス法(DSA)」を施行した。
ツイッター、完全に「X」になった…440億ドルで買収したマスク氏の屈辱(2)
◇「このアプリはクソな言葉が一つもできない(This app makes zero fuXXing sense)」
昨年2月、X(当時ツイッター)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が非常会議を招集してツイッターアプリを巡って吐き出した言葉だ。その日朝、マスク氏とバイデン大統領はアメリカンフットボールのスーパーボウル競技でフィラデルフィア・イーグルスを応援するツイートを残したが、フォロワー数が1億人以上少ないバイデン大統領のツイート照会数がマスク氏よりも3倍多かったというのが怒りの理由だったという。推薦アルゴリズム改善会議が開かれ、「グーグル(Google)トレンドなどの指標を見てもあなたの人気は下だ」と直言した人はその場で解雇されたりもした。IT専門メディア「プラットフォーマー」のゾエ・シファー(Zoe Schiffer)編集長が先月13日に出版した本『Extremely Hardcore:Inside Elon Musk’s Twitter(極度に大変な:イーロン・マスクのツイッターの内部)』で赤裸々に明かされたマスク氏の経営方式だ。
◇マスク氏、ツイッターを殺す
2022年10月、マスク氏は440億ドル(約6兆6200億円)でツイッターを買収した。この日を基点にツイッターは全く別の会社になった。名前だけがXに変わったわけではなかったのだ。
もともとツイッターは2006年作られたマイクロブロギング(micro-blogging)プラットフォームの元祖だ。草創期にはユーザーが些細な自分の日常をシェアして人気を呼んだ。長年ツイッターについて研究したイリノイ大学コミュニケーション学科のジジ・パパチャリシ教授は中央日報の取材に対して「ツイッターによって他のメディアにまで日常をシェアする文化が広がった」と話した。
問題は創業者であるジャック・ドッシーCEOなどツイッター旧経営陣が企業をまともに経営する方法を知らなかったという点だ。2020年ツイッターのDAU(日間アクティブユーザー数)は1億9200万人で、当時フェイスブック(18億4000万人)と約20倍の違いが生じていた。
マスク氏が買収した後、ツイッターは名前をXに変えて、大量解雇をした後、収益モデルを導入したが経営状態は良くならなかった。かえってDAUは競争ソーシャルメディアのプラットフォームが軒並み上昇する間に16%減少し、企業価値は72%(フィデリティ)暴落した。ユーザーがマスク氏個人やXのソーシャルメディア政策に反感を持って離れたためだ。ユーザーが反感を持っている代表的な政策は「検閲放棄」だ。
マスク氏は有害コンテンツの検閲人材を大量に解雇し、トランプ前大統領や9・11テロ陰謀論者などのアカウント停止を解除した。また、有名人の詐称を防ぐために認証アカウントに無料で付けていた「ブルーチェック」(青色チェック表示)機能も有料化した。フェイクニュース検閲機能を減らし、その場に収益モデルを組み込んだのだ。
◇下り坂のソーシャルメディア
もちろんXの下降傾向を全てマスク氏のせいばかりにはできない。テキストの形で日常をシェアしたり個人の意見を表出するソーシャルメディア・プラットフォームが下り坂をたどっているためだ。
YouTube・インスタグラムなどの動画や写真、TikTokのショート動画(1分以内の短い動画)コンテンツが人気を博し、テキストを読もうとするユーザーが減った。ソーシャルメディア産業専門家であり、元青瓦台(チョンワデ、大統領府)デジタル疎通センター長のカン・ジョンス氏は「テキスト中心のソーシャルメディアを利用したミレニアル世代が年を取ってしまったせいでフェイスブックとツイッターはすでに少数のユーザーだけが残っているニッチマーケット(隙間市場)に転落した」と分析した。
ユーザーは減ったが、規制は増えた。バイデン大統領は昨年10月「ディープフェイクは名誉を傷つけてフェイクニュースを流布する」とし、AI技術の開発を政府が統制する行政命令に署名し、欧州連合(EU)も昨年8月からフェイクニュースと虚偽コンテンツ流布の責任をプラットフォームに問う「デジタルサービス法(DSA)」を施行した。
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