昨年7月、米国の民間衛星写真サービス企業「アムブラスペース(Umbra Space)」がツイッターで公開した北朝鮮平壌(ピョンヤン)金日成(キム・イルソン)広場のレーダー動画(SAR)衛星写真。 [写真 アムブラスペース]
韓国国防部関係者はこの日、「偵察衛星1号機が最近地上に送ってきた衛星写真に対する検証と補正作業が行われている。現在までのところ正常であることが確認されている」と述べた。これに伴い、国防部は6~7月ごろの正常戦力化も可能だと判断している。軍当局は保安を理由に伝送写真に撮影された平壌中心部の具体的な標的に対しては明らかにしなかった。
北朝鮮軍事施設や平壌など主要地域に対する偵察任務を担当している偵察衛星1号機は現在400~600キロメートルの高度で一日2回、韓半島(朝鮮半島)の上空を通過している。昼間には電子光学(EO)、夜間には赤外線(IR)センサーを利用して撮影が可能だ。写真の解像度は約30センチで、縦横に30センチの点をひとつのピクセルとして識別する水準だ。全世界のサブメーター(縦横の解像度に1メートル以下)級の衛星のうち性能が高いほうだという評価を受けている。昨年11月に北朝鮮が発射した偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)」1号の解像度は1~5メートル程度と推定される。
送受信が正常に行われた場合、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の執務室ともいえる平壌の労働党中央委員会本部庁舎はもちろん、主要軍事施設の車両移動や移動式発射台(TEL)なども識別が可能だ。韓米共同先制打撃体系「キルチェーン(Kill Chain)」の核心力量を確保することになる。これまで米国の偵察衛星に敏感に反応してきた北朝鮮の立場では、今や「韓国の目」にまで気を使わなくてはならない立場になった。
韓国軍は2025年までに全5基の偵察衛星を打ち上げ、北朝鮮に関する衛星情報についての米国依存度を減ら、独自の監視力を確保する計画だ。このような計画に向けて、4月第1週フロリダのある空軍基地で偵察衛星2号機を追加で打ち上げる。
軍当局によると、2号機はレーダー電波を利用した合成開口レーダー(SAR)衛星だ。南・北極の極軌道を周回するEO・IR衛星とは違い、SAR衛星は傾斜軌道を周回し、可視光線に頼らなくてもよいため、いかなる気象条件でも標的に対する超高解像度の動画撮影が可能だ。
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