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【社説】時代変化を反映した進展した統一案が出るべき=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

1日、ソウル中区の柳寛順(ユ・グァンスン)記念館で開催された第105周年三一節記念式で演説する尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が昨日の第105周年三一節(独立運動記念日)記念式で「自由と豊かさを享受する統一が三一運動の完成だ」と述べた。就任演説当時のように「自由」を浮き彫りにし、「統一が独立の完成」という意味を強調した。尹大統領は「自由と人権という普遍的価値を拡張することが統一だ」とし「すべての国民が主である自由な統一韓半島(朝鮮半島)に向けて進まなければいけない」と方向を提示した。

昨年の三一節で尹大統領は「日本は協力パートナー」と規定し、韓米日安保協力強化のきっかけを用意した。今年も日本に対する友好的なメッセージを強調した。尹大統領はこの1年間、韓日関係について「韓日両国はつらい過去を踏んで『新しい世の中』に向かって共に進んでいる。自由・人権・法治の価値を共有しながら共同の利益を追求し、世界の平和と繁栄のために協力するパートナーになった」と前向きに評価した。三一節だが、今年の演説の傍点は日本よりも北朝鮮問題と統一に打たれた。演説で大統領が韓日関係より南北関係を前に出して統一に言及したのは異例といえる。

尹大統領が決心したように統一を正面から提起した背景には、北朝鮮の突出形態が影響を与えたという分析がある。北朝鮮は年末の労働党全員会議と年初の最高人民会議で南北を「交戦中の敵対的な2国家関係」と宣言した。今回の演説には韓国政府の対応が込められている。北朝鮮政権は世襲独裁政権維持のために南北統一を否定して憲法改正まで進めているが、韓国は一貫して統一に対する意志を持っているという事実を内外に明らかにしたのだ。これで韓国が統一の主導勢力であることを自負し、統一議論の主導権を握るという意志を表したという分析が出ている。


大統領室の関係者は「自由な統一韓半島」を強調した尹大統領の演説をきっかけに、自由民主主義の価値を反映した新たな統一ビジョンの準備に入ると伝えた。この関係者は「今まで韓国政府の公式統一案として定着してきた『民族共同体統一案』には自由主義的な哲学とビジョンが抜けている」と指摘した。尹政権は従来の統一観を整えて発展させ、統一観と統一ビジョンをさらに具体化する作業を進めていくべきだろう。

南北はすでに各自の統一案を持っている。韓国は盧泰愚(ノ・テウ)政権だった1989年、与野党の合意で「韓民族共同体統一案」を出した。これを継承して1994年の8・15演説で当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領が発表した「民族共同体統一案」が韓国政府の公式的な統一案として定着した。半面、北朝鮮は「高麗連邦制」主張を続けてきた。

最近、国際情勢の変化と共に北朝鮮の核・ミサイル高度化および頻繁な戦争脅迫で統一がさらに遠ざかったという声と懐疑論が広まっている状況だ。特に若い世代の統一に対する無関心と否定的な世論は懸念される水準にある。この時点に尹大統領が統一の意志を強く表したのは望ましいといえる。しかし自由民主主義的価値の強調や統一の意志だけでは足りない。北朝鮮の「敵対的2国家」論理には、韓国を排除して米国や日本と直接取引するという意図が隠れている。韓国が南北関係の主導権を放さないための精巧な案が必要だ。「民族共同体統一案」が出てから30年が経過した。南北関係や時代変化を反映したアップグレードされた統一案が出てくる時になった。そのために社会的な議論と合意を導出するのが統一部の役割だ。こうした過程を通じて南北の緊張緩和と統一問題への関心向上につながることを望む。



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