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【社説】海外に出口を探す韓国の非対面診療、国内法制化を急ぐべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が非対面(オンライン)診療試験事業を施行してから今日で9カ月となった。非対面診療は海外の多くの先進国ですでに導入している制度だが、韓国では法制化が遅れている。新型コロナ拡大期間に一時的に許容したが、またも中断するという紆余曲折があった。政府・与党は非対面診療の導入を盛り込んだ医療法改正を進めたが、医療界の反発などで関連法案はまだ国会を通過していない。

このように正攻法がふさがったため、政府は迂回路を探したが、それが昨年6月に始めた試験事業だった。初期には初診患者の非対面診療は事実上許容しないなど制約条件があまりにも多かった。関連業界から「非対面診療をするつもりがあるのか」という声が出てきた理由だ。すると政府は昨年12月に補完案を出した。休日と夜間に限り初診から非対面診療を許容した。しかし依然として不便を感じる患者が多く、非対面診療の活性化は容易でなかった。

このため国内非対面診療プラットホーム企業は規制から自由な海外市場に目を向けている。業界トップのドクターナウは先月初め、日本市場に進出するために現地法人を設立する計画だと明らかにした。日本では初診患者から非対面診療を受けることができ、医師が処方した薬の自宅配送も可能という。タイ・ベトナムなど東南アジア市場に注目する韓国企業もある。いわゆる「K(韓国)-非対面診療」の海外進出活性化は歓迎できる。ただ、その理由が規制が厳しく法制化も遅れている国内から脱出するためであるなら苦々しい現実だ。


政府は先月23日から非対面診療を一時的に全面許容すると明らかにした。大型病院の専攻医(研修医)集団辞職で医療空白が長期化する状況の中で取った措置だ。規制緩和は評価できるが、時期と方法が適切だったかは疑問だ。非対面診療は主に軽症や慢性疾患患者を対象にするため、重症・救急患者にはそれほど役に立たない。いつか専攻医が集団行動を中断して医療現場が正常化すれば、非対面診療の許容範囲も以前のレベルに戻る予定だ。このように一時的な措置だけでは事業者が長期的に安定したサービスを提供するのは難しい。

遅くなかったが今からでも非対面診療の法的根拠を確実にして本事業に入らなければいけない。いつまでも試験事業をすれば時間の浪費になる。できるだけ今回の第21代国会の任期中に、遅くとも総選挙後に新しく構成される第22代国会では非対面診療の法制化を終えなければいけない。与野党は医療の不便解消が民生と直結する問題という点を忘れず来月の総選挙に臨むことを期待する。



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