1.ゼロ金利時に買ったビル…高金利続いて不良化急増
「危機は兆しが現れてから相当期間が流れた後に爆発する」。
金融危機専門家であるハーバード大学のカーメン・ラインハート教授が何年か前の記者とのインタビューでこのように話した。これは2007年に起きたサブプライムローン問題をめぐっての発言だ。
最近ラインハート教授の発言を思い起こさせる事件が進んでいる。米国の商業用不動産(CRE)市場で危機の兆しが現れて1年近く流れた。
発端は米連邦準備制度理事会(FRB)の高強度通貨緊縮だ。FRBは利上げを止めている。高金利局面が続きCRE価格の下落幅がさらに大きくなっている。FRBの通貨緊縮時期ごとにCRE価格が下落しただけではない。常識と違い上がる時も多かった。
国際通貨基金(IMF)によると、FRBが1960年以降11回行った通貨緊縮の中で今回のサイクルのCRE価格下落が最も大きい。緊縮開始時のCRE価格を100とすると、FRBが2022年3月に始めた緊縮サイクルの場合CRE価格は90以下に落ちた。
そのため米CRE会社がぐらついている。影響は太平洋を渡り韓国に及んでいる。韓国5大金融グループであるKB、新韓、ハナ、ウリィ、NH農協の海外不動産投資損失が1兆ウォンを超えた。海外不動産投資のうち半分以上が集まった北米地域の不振のせいだ。
5大金融グループが各種ファンドを通じて投資した海外不動産は512件に達する。当初投資規模は10兆4446億ウォンだった。だが最近の評価価値は9兆3444億ウォン水準だ。収益率はマイナス10.53%程度だ。
2.今年だけで1241兆ウォンの満期到来…自転車操業も容易でなく
米国では価格下落の余波でCRE関連貸付の不良率(元金と利子延滞)も明確に上昇している。CREのうち代表格である事務不動産担保貸付の不良割合が6%台を超えた。
ウォール街のエコノミストが見るデッドラインは10%だ。不良率が10%を超えればCRE問題が中小都市銀行を本格的に揺るがしかねないためだ。
最悪はまだこなさそうだ。米預金保険公社などによると、CRE貸付は4兆7000億ドルに達する。都市銀行だけでなく私募ファンドなどがゼロ金利時代に積極的に貸し付けたためだ。
このうち2024年中に満期となり返さなければならない規模は9300億ドルと集計された。当初予想は約7000億ドル台だった。
そして2025年から2028年までの4年間に満期を迎えるCRE関連貸付金は1兆1000億ドル水準だ。
CRE会社は満期の延長を受けたり新たに資金を調達したりして負債を返さなければならない。いまのような市場状況で都市銀行とファンド、保険会社などが新たに貸し付けたり満期を延長したりする可能性は大きくない。
金融会社が資金を貸すといっても金利はゼロ金利時代より何倍も高くなるほかない。価格下落と空室率急上昇に苦しめられている不動産会社が高金利に耐えるのは容易でない。
3.「最悪時は銀行300社揺らぐ」…米国内の陰鬱なシナリオ
そのため陰鬱なシナリオが提示されている。全米経済研究所(NBER)が最近発表した報告書によると、CRE問題が発生すれば米国の中小都市銀行のうち少なくて数十社、多ければ300社が支払い能力を喪失する恐れがある。
支払い能力の喪失は一時的な流動性危機とは異なる言葉だ。銀行を整理した後も支払い義務を果たすことはできない状況が起きかねないという話だ。
サマーズ元米財務長官もブルームバーグテレビとのインタビューで「政府が都市銀行の金融規制を強化するより現在足下の火であるCRE問題を優先処理しなければならない」と注文した。
4.韓国、海外不動産56兆ウォン…投資損失2兆ウォン超える
韓国金融監督院の「海外不動産代替投資現況」によると、昨年9月末基準で金融会社の海外不動産代替投資残高は56兆4000億ウォンだ。このうち保険会社が31兆9000億ウォンと56.6%を占めて最も多く、銀行が10兆1000億ウォンで17.9%、証券会社が8兆4000億ウォンで14.9%の順だった。
全投資金額のうち事業所がどこなのか把握可能な単一事業所に入った金額は35兆8000億ウォンだった。このうち期限利益喪失(EOD)となった金額は2兆3100億ウォン(28件)で全投資金額の6.46%だ。EODとは優先債権者に利子あるいは元金を払えなかったり、資産価値下落で担保認定比率(LTV)条件に満たない事業所を意味する。状況によっては損失を懸念した金融会社が満期前に投資金を回収できる状態だ。金融監督院の把握の結果、EOD事業所は昨年9月以降3カ所増え、損失懸念投資額も2兆4600億ウォンまで増加した。
「危機は兆しが現れてから相当期間が流れた後に爆発する」。
金融危機専門家であるハーバード大学のカーメン・ラインハート教授が何年か前の記者とのインタビューでこのように話した。これは2007年に起きたサブプライムローン問題をめぐっての発言だ。
最近ラインハート教授の発言を思い起こさせる事件が進んでいる。米国の商業用不動産(CRE)市場で危機の兆しが現れて1年近く流れた。
発端は米連邦準備制度理事会(FRB)の高強度通貨緊縮だ。FRBは利上げを止めている。高金利局面が続きCRE価格の下落幅がさらに大きくなっている。FRBの通貨緊縮時期ごとにCRE価格が下落しただけではない。常識と違い上がる時も多かった。
国際通貨基金(IMF)によると、FRBが1960年以降11回行った通貨緊縮の中で今回のサイクルのCRE価格下落が最も大きい。緊縮開始時のCRE価格を100とすると、FRBが2022年3月に始めた緊縮サイクルの場合CRE価格は90以下に落ちた。
そのため米CRE会社がぐらついている。影響は太平洋を渡り韓国に及んでいる。韓国5大金融グループであるKB、新韓、ハナ、ウリィ、NH農協の海外不動産投資損失が1兆ウォンを超えた。海外不動産投資のうち半分以上が集まった北米地域の不振のせいだ。
5大金融グループが各種ファンドを通じて投資した海外不動産は512件に達する。当初投資規模は10兆4446億ウォンだった。だが最近の評価価値は9兆3444億ウォン水準だ。収益率はマイナス10.53%程度だ。
2.今年だけで1241兆ウォンの満期到来…自転車操業も容易でなく
米国では価格下落の余波でCRE関連貸付の不良率(元金と利子延滞)も明確に上昇している。CREのうち代表格である事務不動産担保貸付の不良割合が6%台を超えた。
ウォール街のエコノミストが見るデッドラインは10%だ。不良率が10%を超えればCRE問題が中小都市銀行を本格的に揺るがしかねないためだ。
最悪はまだこなさそうだ。米預金保険公社などによると、CRE貸付は4兆7000億ドルに達する。都市銀行だけでなく私募ファンドなどがゼロ金利時代に積極的に貸し付けたためだ。
このうち2024年中に満期となり返さなければならない規模は9300億ドルと集計された。当初予想は約7000億ドル台だった。
そして2025年から2028年までの4年間に満期を迎えるCRE関連貸付金は1兆1000億ドル水準だ。
CRE会社は満期の延長を受けたり新たに資金を調達したりして負債を返さなければならない。いまのような市場状況で都市銀行とファンド、保険会社などが新たに貸し付けたり満期を延長したりする可能性は大きくない。
金融会社が資金を貸すといっても金利はゼロ金利時代より何倍も高くなるほかない。価格下落と空室率急上昇に苦しめられている不動産会社が高金利に耐えるのは容易でない。
3.「最悪時は銀行300社揺らぐ」…米国内の陰鬱なシナリオ
そのため陰鬱なシナリオが提示されている。全米経済研究所(NBER)が最近発表した報告書によると、CRE問題が発生すれば米国の中小都市銀行のうち少なくて数十社、多ければ300社が支払い能力を喪失する恐れがある。
支払い能力の喪失は一時的な流動性危機とは異なる言葉だ。銀行を整理した後も支払い義務を果たすことはできない状況が起きかねないという話だ。
サマーズ元米財務長官もブルームバーグテレビとのインタビューで「政府が都市銀行の金融規制を強化するより現在足下の火であるCRE問題を優先処理しなければならない」と注文した。
4.韓国、海外不動産56兆ウォン…投資損失2兆ウォン超える
韓国金融監督院の「海外不動産代替投資現況」によると、昨年9月末基準で金融会社の海外不動産代替投資残高は56兆4000億ウォンだ。このうち保険会社が31兆9000億ウォンと56.6%を占めて最も多く、銀行が10兆1000億ウォンで17.9%、証券会社が8兆4000億ウォンで14.9%の順だった。
全投資金額のうち事業所がどこなのか把握可能な単一事業所に入った金額は35兆8000億ウォンだった。このうち期限利益喪失(EOD)となった金額は2兆3100億ウォン(28件)で全投資金額の6.46%だ。EODとは優先債権者に利子あるいは元金を払えなかったり、資産価値下落で担保認定比率(LTV)条件に満たない事業所を意味する。状況によっては損失を懸念した金融会社が満期前に投資金を回収できる状態だ。金融監督院の把握の結果、EOD事業所は昨年9月以降3カ所増え、損失懸念投資額も2兆4600億ウォンまで増加した。
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