#風景1.K-POP宗主国に大型公演会場がない?
最近、韓国内外の大型歌手が公演会場が探すのは至難の業だ。4万5000席の蚕室(チャムシル)総合運動場主競技場が2026年末まで改築工事中のためだ。蚕室補助競技場(2万5000)、高尺(コチョク)ドーム(2万)も工事中だ。昨年ジャンボリー大会閉幕式、K-POP公演を、サッカーファンから「芝生が傷む」と恨まれながらも上岩(サンアム)ワールドカップ競技場で開いた背景だ。現在国内で1万人以上収容可能な場所はKSPO DOMP(旧体操競技場)1カ所だけ。今月初め東京ドーム(5万)で4公演を終えた米ポップスターのテイラー・スウィフトに対して「コリアパッシング」論争が出ているが、彼女が立てるような舞台がそもそもないのが現実だ。日本は1万人以上収容できる公演会場が40会場、海外では孫興慜(ソン・フンミン)が所属した英国トッテナム・ホットスパー・スタジアム(6万)などスポーツ球場を音楽公演会場として積極的に活用している。
華やかな大衆音楽公演会場に対する要求は業界の念願だった。昨年開館した仁川永宗島(インチョン・ヨンジョンド)の1号アリーナ(1万5000)に続き、ソウル倉洞(チャンドン)、京畿道高陽(キョンギド・コヤン)などに1万~2万席アリーナ建設が推進中だがまだまだ時間がかかる。一言でK-POP強国という地位にふさわしくないインフラ不足だ。観光などと連携し、日増しに高まるグローバル公演市場を考えるとなおさらだ。昨年韓国コンテンツ振興院によると、世界のライブチケット販売額は30兆3000億ウォン(約3兆4200億円)に達した。
#風景2.創作者保護法が創作者の足を引っ張る?
昨年漫画『黒いゴム靴』作家の悲劇的な死を契機に文化体育観光部と国会が用意した「文化産業公正流通法」(文産法)も論争になっている。文化産業全般の不公正行為10条項の規制を骨子としているが、重複規制・過剰立法論争で国会法司委を通過することができなかった。趣旨には共感するが現場にそぐわず、特にデジタルコンテンツに対する理解が足りないという指摘もある。
たとえば「作家に販促費の転嫁禁止」条項は創作者を保護しているようだがウェブトゥーン・ウェブ小説の連載前半の一部を無料で公開して読者を集めるプロモーション慣行が無名作家の登竜門になってきた現実と衝突する。プラットフォーム・出版社が負担を負って新人に機会を与える理由がないためだ。創作者団体まで否定的な立場を示すと文化体育観光部は下位法令で補完して業界の意見を取りまとめ・反映すると明らかにした。
#風景3.未来価値を先取りした製作会社の買収が犯罪?
最近裁判所は劣悪なドラマ製作会社(パラムピクチャーズ)を高価で買収して背任(400億ウォン)容疑が持たれているカカオエンターテインメントのキム・ソンス代表とイ・ジュノ投資戦略部門長に対する拘束令状を棄却した。検察はキム代表らが買収代金を膨らませてパラムピクチャーズに相場差益を与えたとみたが、裁判所は「犯罪の成立と損害額などで争う余地がある」と判断した。これまでキム代表側は「ドラマ『ミセン-未生-』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のキム・ウォンソクPD、キム・ウニ、パク・ヘリョン作家など有名監督・作家と多数の作品があり、成長潜在力を備えた有望な製作会社に対する投資」と抗弁してきた。
もちろんパラムピクチャーズ大株主のタレント、ユン・ジョンヒさんがイ部門長の妻という点は相変らず疑わしいが、コンテンツ製作会社の特殊性を考慮しなかった無理な捜査という批判が多い。作品ラインナップ、監督・作家など無形の資産を見て未来価値に投資したことを、短絡的に背任と等値させたということだ。会計帳簿に出てくることはないが、IP(知識財産)を保有しているかどうかだけで、いくらでも価格が上昇するのが製作会社だ。下降線にある製作会社をなぜ高く買ったのかという疑いだが、目前の実績はなくても潜在力のある製作会社が投資を受けて良い作品を出す堅実な会社として起死回生した模範事例としてもみることができる。パラムピクチャーズは昨年tvN『無人島のディーバ』、Disney+(ディズニープラス)『最悪の悪』などヒット作を相次いで出し、400億ウォンの年間売上を達成した。
ひとまず捜査にはブレーキがかかったが、コンテンツ産業の主な動力の一つであるM&A(企業の合併・買収)市場に冷水を浴びせかねない事例だ。世界4大コンテンツ強国を目指しているという国のおかしな風景だ。
ヤン・ソンヒ/中央日報コラムニスト
最近、韓国内外の大型歌手が公演会場が探すのは至難の業だ。4万5000席の蚕室(チャムシル)総合運動場主競技場が2026年末まで改築工事中のためだ。蚕室補助競技場(2万5000)、高尺(コチョク)ドーム(2万)も工事中だ。昨年ジャンボリー大会閉幕式、K-POP公演を、サッカーファンから「芝生が傷む」と恨まれながらも上岩(サンアム)ワールドカップ競技場で開いた背景だ。現在国内で1万人以上収容可能な場所はKSPO DOMP(旧体操競技場)1カ所だけ。今月初め東京ドーム(5万)で4公演を終えた米ポップスターのテイラー・スウィフトに対して「コリアパッシング」論争が出ているが、彼女が立てるような舞台がそもそもないのが現実だ。日本は1万人以上収容できる公演会場が40会場、海外では孫興慜(ソン・フンミン)が所属した英国トッテナム・ホットスパー・スタジアム(6万)などスポーツ球場を音楽公演会場として積極的に活用している。
華やかな大衆音楽公演会場に対する要求は業界の念願だった。昨年開館した仁川永宗島(インチョン・ヨンジョンド)の1号アリーナ(1万5000)に続き、ソウル倉洞(チャンドン)、京畿道高陽(キョンギド・コヤン)などに1万~2万席アリーナ建設が推進中だがまだまだ時間がかかる。一言でK-POP強国という地位にふさわしくないインフラ不足だ。観光などと連携し、日増しに高まるグローバル公演市場を考えるとなおさらだ。昨年韓国コンテンツ振興院によると、世界のライブチケット販売額は30兆3000億ウォン(約3兆4200億円)に達した。
#風景2.創作者保護法が創作者の足を引っ張る?
昨年漫画『黒いゴム靴』作家の悲劇的な死を契機に文化体育観光部と国会が用意した「文化産業公正流通法」(文産法)も論争になっている。文化産業全般の不公正行為10条項の規制を骨子としているが、重複規制・過剰立法論争で国会法司委を通過することができなかった。趣旨には共感するが現場にそぐわず、特にデジタルコンテンツに対する理解が足りないという指摘もある。
たとえば「作家に販促費の転嫁禁止」条項は創作者を保護しているようだがウェブトゥーン・ウェブ小説の連載前半の一部を無料で公開して読者を集めるプロモーション慣行が無名作家の登竜門になってきた現実と衝突する。プラットフォーム・出版社が負担を負って新人に機会を与える理由がないためだ。創作者団体まで否定的な立場を示すと文化体育観光部は下位法令で補完して業界の意見を取りまとめ・反映すると明らかにした。
#風景3.未来価値を先取りした製作会社の買収が犯罪?
最近裁判所は劣悪なドラマ製作会社(パラムピクチャーズ)を高価で買収して背任(400億ウォン)容疑が持たれているカカオエンターテインメントのキム・ソンス代表とイ・ジュノ投資戦略部門長に対する拘束令状を棄却した。検察はキム代表らが買収代金を膨らませてパラムピクチャーズに相場差益を与えたとみたが、裁判所は「犯罪の成立と損害額などで争う余地がある」と判断した。これまでキム代表側は「ドラマ『ミセン-未生-』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のキム・ウォンソクPD、キム・ウニ、パク・ヘリョン作家など有名監督・作家と多数の作品があり、成長潜在力を備えた有望な製作会社に対する投資」と抗弁してきた。
もちろんパラムピクチャーズ大株主のタレント、ユン・ジョンヒさんがイ部門長の妻という点は相変らず疑わしいが、コンテンツ製作会社の特殊性を考慮しなかった無理な捜査という批判が多い。作品ラインナップ、監督・作家など無形の資産を見て未来価値に投資したことを、短絡的に背任と等値させたということだ。会計帳簿に出てくることはないが、IP(知識財産)を保有しているかどうかだけで、いくらでも価格が上昇するのが製作会社だ。下降線にある製作会社をなぜ高く買ったのかという疑いだが、目前の実績はなくても潜在力のある製作会社が投資を受けて良い作品を出す堅実な会社として起死回生した模範事例としてもみることができる。パラムピクチャーズは昨年tvN『無人島のディーバ』、Disney+(ディズニープラス)『最悪の悪』などヒット作を相次いで出し、400億ウォンの年間売上を達成した。
ひとまず捜査にはブレーキがかかったが、コンテンツ産業の主な動力の一つであるM&A(企業の合併・買収)市場に冷水を浴びせかねない事例だ。世界4大コンテンツ強国を目指しているという国のおかしな風景だ。
ヤン・ソンヒ/中央日報コラムニスト
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