ドナルド・トランプ前米大統領（７７）が共和党のサウスカロライナ州予備選挙で勝利した後、演説中に家族に辞意を表明する過程で、次男夫婦の名前だけに言及せず俎上に上がった。

トランプ前大統領は２４日（現地時間）、サウスカロライナ州知事を歴任したニッキー・ヘイリー元国連大使を２０．３％ポイントの差で大きく上回った後に行った勝利演説で家族の名前をいちいち呼んだとビジネスインサイダーが２５日報じた。妻のメラニア氏、長男のドナルド・トランプ・ジュニア夫妻、長女のイバンカ・トランプ夫妻、次女のティファニー・トランプ夫妻、末息子のバロン・トランプ君を取り上げながら「心から感謝し愛している。私たちは立派な家族を成している」と話したが、いざ演説当時、そばに立っていたエリック・トランプ夫妻に言及しなかったのだ。

民主党側ではソーシャルメディア（ＳＮＳ）で「あまりにも老衰したトランプ氏がノートを読んでいたが、彼の家族の中でエリック氏およびララ氏に言及することを忘れた」「トランプ氏は家族の名前を覚えるためにノートが必要だ。それでもエリック氏とララ氏を忘れてしまった」などとトランプ前大統領の記憶力と認知能力を問題視した。


民主党の戦略家であるジェシー・ファーガソン氏もＳＮＳに「トランプ氏はノートを読みながらも子供のうち１人は忘れた」と批判した。民主党の大統領選候補であるバイデン（８１）米大統領が、高齢と記憶力をめぐる論議に巻き込まれたことを意識し、同様の手法でけん制に乗り出したものとみられる。

一方、トランプ前大統領は１月にも２０２１年議事堂襲撃事件に言及し、暴動事件当時ナンシー・ペロシ下院議長と共和党予備選挙候補であるニッキー・ヘイリー元国連大使を呼び間違えたことがある。昨年は、自分が大統領選挙でバラク・オバマ元大統領に勝ったと言い間違えて非難されたこともある。