――それでも「パリ五輪で総合20位も難しい」と言いましたが。
「アーチェリーやフェンシングなど特定種目を除くと優れた選手があまり出てきていません。人口が減っている上に辛いことはしない世の中になりました。さらにスポーツをする子どもたちを『勉強もしないでスポーツだけする集団』と見る視線も問題です。バスケットボールやバレーボールのような団体種目は出場選手を集められず失格で敗れるケースが一度や二度ではありません」
――「メダルの色より最善を尽くすことがより重要だ」「試合を楽しむのが真の勝利だ」とよく言われますが
「五輪に出場する選手に尋ねてください。自分の人生を懸けて激しく準備をします。医大に行こうと夜を徹して勉強する学生に『何をそこまでやるのか。医大に行けなくてもいいから最善を尽くせばいい』と話したらどうでしょう。どの分野であれ人生の最も高い目標を立てて準備する人は尊重しなければならないです。それでこそ韓国社会の多様性が生き返るでしょう。そしてもし五輪で成績が悪ければ『大韓体育会はいったい何をしていたのか』という声が出てこないでしょうか」
――国家代表選手に海兵隊キャンプ入所を指示したのが「時代錯誤だ」という批判を受けましたが。
「誤解が少しありますね。氷点下の天気に上陸ボートを持って海に飛び込むような海兵隊訓練をしたのでありません。兵営体験を通じてチームワークを強化し、愛国精神と国家代表としての責任感を気付かせるための教育をしたものでしょう。われわれは海兵隊と2カ月間相談してプログラムを組みました。日程が終わった後に無記名でアンケート調査をしたところ93%が『楽しくて有益だった』と答えました。私が会長をやっている間は毎年やるでしょう」
――生活スポーツ活性化に向け学校の運動場開放事業を推進されていますが
「運動をしたい人は増えているのに空間が不足しているでしょう。全国に小中高を合わせれば1万1000校です。学校の運動場を開放すれば家族と近所の人たちがともに汗を流し健康も得られ、運動場が地域のコミュニティ空間となって不和解消にも役立ちます。問題は管理主体と費用だと思いますが。大韓体育会は全国228の自治体に社団法人が組織されています。それを活用すれば良いです。ソウル・江南区(カンナムグ)にある学校運動場を江南区体育会で運営し、そこにスポーツ講師を1人ずつ配置するだけでも雇用が増えます。実際にコロナ禍前に大韓体育会が8000人のスポーツ講師を各地域に派遣したことがあります。政府が少しだけ財政支援をすれば十分に可能なプログラムです」
忠清南道論山(チュンチョンナムド・ノンサン)出身の李会長は、自分の力で財を成した企業家出身だ。大韓カヌー連盟会長を務めてスポーツ界に入門し、大韓水泳連盟会長、大韓体育会副会長などを経てスポーツ行政経験を積んだ。2016年の大韓体育会長選挙で当時の政権が推す候補を破って当選し、2021年に再任に成功した。大韓仏教曹渓宗信徒会長を務めた李会長は韓国で最高に顔が広いと言われるほど親和力に優れて政界や宗教界などに人脈が厚い。
◇韓国を代表する広い人脈は中庸
――韓国を代表するほどの広い人脈を持つ秘訣は何ですか
「私は人を差別しません。人々が中庸と言えば両辺を捨てて中を取ることと考えます。本当の中庸は両辺を包容するものです。差別なく同じように接するのが真の中道です。私は与党であれ野党であれ、教会に通おうが聖堂に通おうがイスラムでも区別しません。高官にも、わが家の掃除をするおばさんにも最善を尽くします」
――健康に向けどんな運動をしていますか。
「よく知られているように酒は着実に長期服用し(笑)、毎週登山をしています。春には開花する花を追って登り、秋は紅葉を追って下りてきます。登山はお金もあまりかからず自然と向き合って良い空気を吸い、自分を下ろして自分のスピードに合わせて行くことができて良いです」。
大韓体育会は最近、国家スポーツ委員会設立などスポーツ界の懸案をめぐり上位団体である文化体育観光部とぎくしゃくした関係にある。李会長は「文化体育観光部と争おうというのではなく、これまでの誤った慣行を変えスポーツ行政の専門性を認めてほしいという意味」と話した。
「今回の五輪20位も安心できない、韓国エリートスポーツの分水嶺になるだろう」(1)
「アーチェリーやフェンシングなど特定種目を除くと優れた選手があまり出てきていません。人口が減っている上に辛いことはしない世の中になりました。さらにスポーツをする子どもたちを『勉強もしないでスポーツだけする集団』と見る視線も問題です。バスケットボールやバレーボールのような団体種目は出場選手を集められず失格で敗れるケースが一度や二度ではありません」
――「メダルの色より最善を尽くすことがより重要だ」「試合を楽しむのが真の勝利だ」とよく言われますが
「五輪に出場する選手に尋ねてください。自分の人生を懸けて激しく準備をします。医大に行こうと夜を徹して勉強する学生に『何をそこまでやるのか。医大に行けなくてもいいから最善を尽くせばいい』と話したらどうでしょう。どの分野であれ人生の最も高い目標を立てて準備する人は尊重しなければならないです。それでこそ韓国社会の多様性が生き返るでしょう。そしてもし五輪で成績が悪ければ『大韓体育会はいったい何をしていたのか』という声が出てこないでしょうか」
――国家代表選手に海兵隊キャンプ入所を指示したのが「時代錯誤だ」という批判を受けましたが。
「誤解が少しありますね。氷点下の天気に上陸ボートを持って海に飛び込むような海兵隊訓練をしたのでありません。兵営体験を通じてチームワークを強化し、愛国精神と国家代表としての責任感を気付かせるための教育をしたものでしょう。われわれは海兵隊と2カ月間相談してプログラムを組みました。日程が終わった後に無記名でアンケート調査をしたところ93%が『楽しくて有益だった』と答えました。私が会長をやっている間は毎年やるでしょう」
――生活スポーツ活性化に向け学校の運動場開放事業を推進されていますが
「運動をしたい人は増えているのに空間が不足しているでしょう。全国に小中高を合わせれば1万1000校です。学校の運動場を開放すれば家族と近所の人たちがともに汗を流し健康も得られ、運動場が地域のコミュニティ空間となって不和解消にも役立ちます。問題は管理主体と費用だと思いますが。大韓体育会は全国228の自治体に社団法人が組織されています。それを活用すれば良いです。ソウル・江南区(カンナムグ)にある学校運動場を江南区体育会で運営し、そこにスポーツ講師を1人ずつ配置するだけでも雇用が増えます。実際にコロナ禍前に大韓体育会が8000人のスポーツ講師を各地域に派遣したことがあります。政府が少しだけ財政支援をすれば十分に可能なプログラムです」
忠清南道論山(チュンチョンナムド・ノンサン)出身の李会長は、自分の力で財を成した企業家出身だ。大韓カヌー連盟会長を務めてスポーツ界に入門し、大韓水泳連盟会長、大韓体育会副会長などを経てスポーツ行政経験を積んだ。2016年の大韓体育会長選挙で当時の政権が推す候補を破って当選し、2021年に再任に成功した。大韓仏教曹渓宗信徒会長を務めた李会長は韓国で最高に顔が広いと言われるほど親和力に優れて政界や宗教界などに人脈が厚い。
◇韓国を代表する広い人脈は中庸
――韓国を代表するほどの広い人脈を持つ秘訣は何ですか
「私は人を差別しません。人々が中庸と言えば両辺を捨てて中を取ることと考えます。本当の中庸は両辺を包容するものです。差別なく同じように接するのが真の中道です。私は与党であれ野党であれ、教会に通おうが聖堂に通おうがイスラムでも区別しません。高官にも、わが家の掃除をするおばさんにも最善を尽くします」
――健康に向けどんな運動をしていますか。
「よく知られているように酒は着実に長期服用し(笑)、毎週登山をしています。春には開花する花を追って登り、秋は紅葉を追って下りてきます。登山はお金もあまりかからず自然と向き合って良い空気を吸い、自分を下ろして自分のスピードに合わせて行くことができて良いです」。
大韓体育会は最近、国家スポーツ委員会設立などスポーツ界の懸案をめぐり上位団体である文化体育観光部とぎくしゃくした関係にある。李会長は「文化体育観光部と争おうというのではなく、これまでの誤った慣行を変えスポーツ行政の専門性を認めてほしいという意味」と話した。
「今回の五輪20位も安心できない、韓国エリートスポーツの分水嶺になるだろう」(1)
この記事を読んで…