スパイ道具として利用される可能性が疑われてきた中国製コンテナクレーンに対して、米国のバイデン大統領が強力なサイバーセキュリティを要求する行政命令に21日(現地時間)、署名する。写真は昨年6月4日、財政責任法案に署名するバイデン大統領。中央フォト
米政府高位当局者によると、バイデン大統領はこの日スパイ道具として利用される可能性が提起されてきた中国製コンテナクレーンに対して強力なサイバーセキュリティを要求する行政命令に署名する予定だ。この当局者は「バイデン大統領が海洋サイバー脅威に対応するために国土安全保障省の権限を強化する行政命令に署名する予定」と明らかにした。
今回の行政命令は沿岸警備隊に敵性国家および勢力の悪意のあるサイバー活動に対応したり海上輸送船舶・施設にサイバーセキュリティを強化したりするように要求する権限を付与し、サイバー事故に対する報告義務化などを含んでいる。バイデン政府はこれとあわせて今後5年間で米国港湾インフラに200億ドル以上(約3兆円)を投資することにした。米政府のある関係者は「今回の行政命令にはサイバー脅威が分かっているか疑われる船舶の移動を統制し、港湾の安全とセキュリティ脅威要因を是正するように該当の施設に要求したり該当サイバーシステムやネットワークが組み込まれている船舶・海岸施設を検査したりすることができる権限が含まれる」と説明した。
港湾施設のサイバーセキュリティ強化を骨子とした今回の指針は事実上米国港湾の80%以上を占有した中国製クレーン除去を狙っているという分析が出ている。米政府当局者は「中国製クレーンは遠隔で制御・プログラミングができて潜在的な悪用に脆弱な場合がある」とし「沿岸警備隊は米国内の多数を占めている中国製クレーンが加えることができる米国の重要インフラ保護のために海上保安指針を発表する」とした。この当局者は該当指針の具体的な内容はセキュリティ上公開することができないと話した。ただし中国製クレーンの所有主や運営者にさまざまなサイバーセキュリティ要件を課す予定であり、中国全域の港湾責任者にもこの指針を伝達して順守可否を確認する考えだとした。
米国の主要湾港で稼働している中国製コンテナはスパイ道具に利用される可能性が提起されて「トロイの木馬」にたびたびたとえられてきた。中国製クレーンに装着された情報収集装置が港湾コンテナの出荷元や目的地などの貨物情報を追跡して中国本国に送信することができ、場合によっては物流サプライチェーン(供給網)をかく乱させ、米国に相当な被害を与える可能性があるという懸念が提起されていた。
特に米軍の利用頻度が高いバージニア・メリーランド・サウスカロライナなどの湾港に最近数年間で中国上海振華重工業(ZPMC)のクレーンが多数配置されて秘密情報流出に対する懸念が高まっていた。米国防情報局(DIA)は2022年中国がクレーンを通じて港湾物流量をかく乱あるいは軍事装備荷役情報を収集する可能性があるとの分析を出したことがある。
中国最大通信装備会社ファーウェイ(華為)の送信塔から米軍核基地傍受の可能性が提起されたほか、中国動画シェアプラットフォーム「TikTok」が米国の安全保障に脅威になる可能性があるとし、政府機関・研究機関などからの除去が進んでいる。こうした中、中国製クレーンも米軍需物資および貨物情報の収集に悪用される可能性があるという懸念が高まり、強力なセキュリティ対策がこの日出てきた。
米政府当局者は「米国の港湾と規制対象施設に中国製クレーンが200基以上あると把握している」とし「既存のクレーンの約50%を調査し、悪意のあるサイバー活動が見つかった場合もある」と述べた。また別の米政府関係者は「中国のサイバー活動に対する明らかな懸念があり、犯罪活動に関連した懸念もある」とした。日本最大の湾港の一つである名古屋港がランサムウエア攻撃で数日間運営が中断されたこともある。
中国製港湾クレーンは韓国の港湾でも事実上除去手順を踏んでいる。韓国政府が中国製港湾クレーンの国産代替に入ったためだ。釜山(プサン)港湾公社と仁川(インチョン)港湾公社は昨年から推進しているコンテナ埠頭に設置予定の港湾クレーンを国内企業に発注したり国内企業に加点を与えたりするやり方で国産クレーンの導入を誘導している。
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