(2)側近の不正
先月3日、ゼレンスキー大統領はオレクシー・レズニコウ国防相(57)と次官6人を更迭した。昨年8月には全国各地の兵務庁長全員を解任した。戦争真っ只中に指導部核心人材が退いたことを受けて、外信はウクライナ高位層に対して全方向で起こった「腐敗との戦争」の結果だと分析した。
実際に昨年初め国防省内で軍需品調達を担当していたシャポバロフ次官がマメの缶詰や牛乳など一部軍納食品の価格を最大10倍まで膨らませて支給していたという暴露がありスキャンダルに発展していた。また地方の兵務庁長が徴集対象者一人当たり1万ドル(約150万円)受け取って免除処理するなど、兵役不正容疑も次々と摘発された。
ゼレンスキー大統領と執権与党の不正疑惑も相次いで出てきた。アザロフ元首相は「与党が古くなった低質弾薬を高値で買い入れて1000億フリブニャ(約3920億円)の予算を引き出した」と主張した。米国ジャーナリストのシーモア・ハーシュ記者はゼレンスキー大統領とその側近がウクライナ支援金の中で少なくとも4億ドルを着服したと伝えた。
アルジャジーラは、戦争真っ只中の状況で高位層の不正疑惑が相次ぎ、大統領に対する国民的失望感が大きくなっていると伝えた。イルコ・クチェリフ民主主義イニシアチブ財団とキーウ社会学研究所が共同で実施した世論調査で、回答者10人に8人が「蔓延した腐敗の責任はゼレンスキーにある」と答えた。
ウクライナは国際トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)の腐敗認識指数(CPI)で世界180カ国中116位(2022年基準)で、欧州においてロシア(137位)の次に低い順位だ。欧州連合(EU)が2022年ウクライナに加入候補国地位を付与しながら「不正腐敗の清算」を最優先に強調したほどだ。
(3)停戦vs領土奪還
ニューヨーク・タイムズ(NYT)はロシアのプーチン大統領が昨年「現在の戦線を新たな国境にする形で戦闘を終結する休戦交渉が可能だ」という立場を迂回的に明らかにしたと伝えた。この場合、ロシアはウクライナの領土20%を手に入れることになる。
米国と欧州でもウクライナが国土の一部をロシアに譲渡する形で停戦しようという声が高まっている。ワシントン・ポスト(WP)は先月米国政府が今春発表する「ウクライナ支援長期戦略」から「領土奪還」という従来の目標の代わりに「防御戦支援」にしようとしていると伝えた。
ウクライナ内部からも「クレムリン(ロシア大統領府)との交渉」の声が高まっている。ゼレンスキー大統領軍事顧問を務めたオレクシー・アレストビッチ氏は昨年11月、「ロシアと戦争終息に対して対話を始めなければならない」と主張した。
これに先立ち、アレストビッチ氏は昨年2月、ウクライナメディアとのインタビューで、韓国・北朝鮮分断形式の休戦案について説明して「西側の安全保障を受ける『韓国』のようなウクライナにするなら、少なくないボーナスになる」と主張したことがある。
だが、ゼレンスキー大統領は「領土譲歩はクレイジーなこと」としながら激昂した反応を見せてきた。「ウクライナがなぜテロリスト(ロシア)に領土を譲歩しなければならないのか」とし、ドンバス・クリミア半島まで完全な領土奪還およびロシア軍の完全撤退を主張している。
これに対して韓国国立外交院のコ・ジェナム教授は「停戦につながれば、その間非常戒厳下で延期されてきた大統領選挙・総選挙実施が避けられなくなる」としながら「ゼレンスキー大統領に対する否定的認識が広がっているところに、野党がザルジニー氏やクリチコ市長らを前面に出す場合、政権交替も可能な状況」と説明した。
続いて「ゼレンスキー氏にとって失脚はイコール戦争を防げなかったという途方もない審判につながるよりほかはない」とし「ゼレンスキー氏が停戦ではなく『領土奪還』を主張するのはこのような状況を防ぐための名分であり、戦略的選択である可能性がある」と話した。
<ウクライナ戦2年>「国民英雄」だったゼレンスキー、支持率30%P失う(1)
先月3日、ゼレンスキー大統領はオレクシー・レズニコウ国防相(57)と次官6人を更迭した。昨年8月には全国各地の兵務庁長全員を解任した。戦争真っ只中に指導部核心人材が退いたことを受けて、外信はウクライナ高位層に対して全方向で起こった「腐敗との戦争」の結果だと分析した。
実際に昨年初め国防省内で軍需品調達を担当していたシャポバロフ次官がマメの缶詰や牛乳など一部軍納食品の価格を最大10倍まで膨らませて支給していたという暴露がありスキャンダルに発展していた。また地方の兵務庁長が徴集対象者一人当たり1万ドル(約150万円)受け取って免除処理するなど、兵役不正容疑も次々と摘発された。
ゼレンスキー大統領と執権与党の不正疑惑も相次いで出てきた。アザロフ元首相は「与党が古くなった低質弾薬を高値で買い入れて1000億フリブニャ(約3920億円)の予算を引き出した」と主張した。米国ジャーナリストのシーモア・ハーシュ記者はゼレンスキー大統領とその側近がウクライナ支援金の中で少なくとも4億ドルを着服したと伝えた。
アルジャジーラは、戦争真っ只中の状況で高位層の不正疑惑が相次ぎ、大統領に対する国民的失望感が大きくなっていると伝えた。イルコ・クチェリフ民主主義イニシアチブ財団とキーウ社会学研究所が共同で実施した世論調査で、回答者10人に8人が「蔓延した腐敗の責任はゼレンスキーにある」と答えた。
ウクライナは国際トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)の腐敗認識指数(CPI)で世界180カ国中116位(2022年基準)で、欧州においてロシア(137位)の次に低い順位だ。欧州連合(EU)が2022年ウクライナに加入候補国地位を付与しながら「不正腐敗の清算」を最優先に強調したほどだ。
(3)停戦vs領土奪還
ニューヨーク・タイムズ(NYT)はロシアのプーチン大統領が昨年「現在の戦線を新たな国境にする形で戦闘を終結する休戦交渉が可能だ」という立場を迂回的に明らかにしたと伝えた。この場合、ロシアはウクライナの領土20%を手に入れることになる。
米国と欧州でもウクライナが国土の一部をロシアに譲渡する形で停戦しようという声が高まっている。ワシントン・ポスト(WP)は先月米国政府が今春発表する「ウクライナ支援長期戦略」から「領土奪還」という従来の目標の代わりに「防御戦支援」にしようとしていると伝えた。
ウクライナ内部からも「クレムリン(ロシア大統領府)との交渉」の声が高まっている。ゼレンスキー大統領軍事顧問を務めたオレクシー・アレストビッチ氏は昨年11月、「ロシアと戦争終息に対して対話を始めなければならない」と主張した。
これに先立ち、アレストビッチ氏は昨年2月、ウクライナメディアとのインタビューで、韓国・北朝鮮分断形式の休戦案について説明して「西側の安全保障を受ける『韓国』のようなウクライナにするなら、少なくないボーナスになる」と主張したことがある。
だが、ゼレンスキー大統領は「領土譲歩はクレイジーなこと」としながら激昂した反応を見せてきた。「ウクライナがなぜテロリスト(ロシア)に領土を譲歩しなければならないのか」とし、ドンバス・クリミア半島まで完全な領土奪還およびロシア軍の完全撤退を主張している。
これに対して韓国国立外交院のコ・ジェナム教授は「停戦につながれば、その間非常戒厳下で延期されてきた大統領選挙・総選挙実施が避けられなくなる」としながら「ゼレンスキー大統領に対する否定的認識が広がっているところに、野党がザルジニー氏やクリチコ市長らを前面に出す場合、政権交替も可能な状況」と説明した。
続いて「ゼレンスキー氏にとって失脚はイコール戦争を防げなかったという途方もない審判につながるよりほかはない」とし「ゼレンスキー氏が停戦ではなく『領土奪還』を主張するのはこのような状況を防ぐための名分であり、戦略的選択である可能性がある」と話した。
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