◇妻ユリヤさん、ＥＵ外相会議に出席

こうした中、ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんは１９日、ベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合（ＥＵ）外相会議に出席する。これに先立ってドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議（１６～１８日）出席中に夫の訃報を聞いたユリヤさんは国際舞台で夫の死の不当さを訴えている。ジョセップ・ボレルＥＵ外務・安全保障政策上級代表は１８日、Ｘ（旧ツイッター）に「ユリヤ氏の外相会議出席を歓迎する」とし「ＥＵ外相はロシアで自由のために戦う人々を支持するという強力なメッセージを送り、ナワリヌイ氏を賛える」と明らかにした。


ユリヤさんは夫の死亡を聞いた後、プーチン大統領に対して「夫に犯したことに対する罰を受けるだろうという点を知ってもらいたい」と述べた。元銀行員のユリヤさんはナワリヌイ氏収監後、プーチン大統領に抵抗する運動を行っている。


◇「３月大統領選挙投票紙にナワリヌイの名前を書こう」

ロシア国内・外でナワリヌイ氏の追悼が続く中で、ロシア当局は彼の死が大規模な反政府運動に広がる可能性を懸念して強硬対応に乗り出している。サンクトペテルブルク裁判所はナワリヌイ氏の追悼行事に出席して逮捕された１５４人に集会禁止法違反容疑で最大１４日の短期懲役刑を宣告した。ロシア政治犯逮捕を監視するウェブサイト「ＯＶＤインフォ」によると、ロシア３６都市で３６６人がナワリヌイ氏を追悼したという理由で逮捕された。

ＡＦＰ通信はロシア各地でナワリヌイ氏の追悼空間が撤去され、帽子をかぶった男たちがクレムリン宮付近の橋に追悼客が捧げた花をごみ箱に捨てる様子が捉えられたと伝えた。

ＷＰは「ナワリヌイ追悼客の間に安全規則が出回っている」とし「（拘束に備えて）パスポートや水、完全に充電された携帯電話、補助バッテリーを持っているよう呼びかけがあった」と伝えた。同紙は石油財閥出身のロシア反体制要人のミハイル・ホドルコフスキー氏がロシア人に対して「来月行われる大統領選挙投票用紙にナワリヌイ氏の名前を書こう」という運動を行っていると伝えた。

ナワリヌイ氏は２０１８年大統領選に出馬してプーチン大統領に挑戦しようとしたが、過去地方政府顧問時期の横領容疑で有罪判決を受けた前歴のために候補登録を拒否された。

ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）は「ナワリヌイ氏死亡後、野党圏統合の求心点はサンクトペテルブルク国会議員を務めたマクシム・レズニク氏が提案した『正午デモ』になるものと見られる」と伝えた。先立ってレズニク氏は「大統領選が行われる来月１７日正午に投票所に出てほしい」と有権者に提案した。ナワリヌイも生前に「プーチン以外の誰でもいいので投票しよう」と呼びかけ、「このデモを防ぐのは不可能」として正午デモを支持した。


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