死亡後、行方不明になっていたロシア反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏（４７）の遺体がシベリア北部のある病院に安置されていて、胸などにあざの痕が見つかったと外信が報じた。ナワリヌイ氏の正確な死因が明らかになっていない状況のため疑念だけが深まっている。ロシア司法当局は追悼客に短期懲役刑を宣告するなど強硬対応に乗り出している。

１８日（現地時間）、ラトビアメディア「ノーバヤ・ガゼータ欧州」は救急隊員である匿名の情報提供者を引用して「サレハルドの病院に安置されていたナワリヌイ氏の遺体からあざの痕が見つかった」と伝えた。この人物はメディアに対して「胸にあったあざは心肺蘇生術（ＣＰＲ）を試みた痕」としながら「刑務所職員が彼を生かそうとしたが多分心臓麻痺（まひ）で亡くなったのだと思う」と主張した。


痙攣（けいれん）が激しい場合、他の人が押さえた場合にあざができるというのが彼の説明だ。メディアは「通常、獄中死亡者の遺体は（解剖検査のために）すぐに法医学者に回されるが、ナワリヌイ氏の場合、どのような理由だったのか、臨床病院に運ばれた」と付け加えた。これに先立ってロシア当局は「ナワリヌイ氏は１６日散歩後に倒れ、医療スタッフが応急措置を行ったが命を救うことができなかった」と発表した。


◇反プーチン要人の多数が謎の死

死亡から３日が過ぎたが、解剖検査をしなかったためナワリヌイ氏の家族は遺体さえ引き渡しを受けられない状況だ。英紙ガーディアンによると、ナワリヌイ氏の母リュドミラさんは息子の遺体がサレハルドに移送されたことを聞いて訪ねたが「解剖検査が終わらないと遺体を引き渡すことはできない」と言われたという。このため家族に早く遺体を引き渡すよう求める請願も登場した。ワシントン・ポスト（ＷＰ）は１８日基準で２万９０００人以上が請願に署名したと伝えた。

彼の死亡原因を巡り、依然として各種推測が飛び交っている。まず、ロシア当局が死亡直後に前もって準備したかのように発表を迅速に出して「突然死なのに釈然としない」という指摘が出ている。

過去、プーチン大統領を批判して謎の死を遂げた事例も改めてスポットライトが当てられている。ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は「プーチン批判者が銃に撃たれたり毒殺されたりした事例はあるが、このうち多数が謎の死」と１８日、伝えた。プーチン氏を非難したロシア事業家ニコライ・グルシコフ氏が２０１８年自宅で犬をつなぐリードで首を絞められた状態で死亡していた事件が代表的だ。ＷＳＪは「グルシコフ氏が殺害された夜、自宅近所で目撃された黒のバンの搭乗者はまだ見つかっていない」と明らかにした。


【ナワリヌイ氏の遺体に謎のあざ…反プーチン事業家は犬のリードで死んだ（２）