生徒らの殺害脅迫を受け、防刃ベストを着て出勤した全北の高校教師 [写真 全北教師労働組合]
愛と尊敬で表象される師弟間の道理が崩れて久しい。しかし生徒が先生に向かって殺害脅迫までするのはタブーを越えて社会的に容認できない行動だ。さらに理解できないのは学校と教育当局の対応だ。教師労働組合によると、被害教師は6カ月以上の休職を勧告する精神科の診断書を受けた。しかし学校側は病気休暇申請の受理と生徒の分離措置に消極的だったという。学校教権保護委員会が開かれたが、生徒が謝罪を望んでいるという理由で軽微な処分が下された。しかしこれにも親が反発し、行政審判が進行中だ。親側は2年前に起きたことを根拠に教師の虐待容疑を取り上げた。それも学校の外で教師が禁煙指導をしたところ、生徒が反発したため、学校に連れていこうと袖を引っ張ったというものだった。
昨年ソウル瑞草区(ソチョグ)の小学校教師が自殺したのをはじめ、似た事件が相次いだ。教師が教権を保護してほしいとして集団で訴え、教育部は積極的な解決を約束した。教員地位法を含む4大教権保護法案が改正され、教師の正当な生活指導を虐待行為として処罰できないようにした児童虐待処罰法改正案も国会を通過した。
しかし依然として教育現場は変わらないという評価が多い。教育当局は教師に関する問題があれば、あれこれと報告書を出すよう学校側に求める。学校側は被害を受けた教師を支援するどころか叱責するケースが多いという。孤立した教師は問題の生徒がいても無視するのが上策だと考えて保身を図るしかない。このように学校が教育を先延ばしにすれば、結局、後に社会で犯罪の形で爆発する可能性が高い。
全北教育庁は急いで教権保護に取り組む必要がある。捜査機関も処理を先延ばしせず、正当な生活指導であることを確認すれば直ちに嫌疑なしとしなければいけない。また新学期から導入される校内暴力担当調査官制が副作用なく現場に定着するよう、教育当局は徹底的な事後管理をすることが求められる。
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