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韓国バッテリー業界に黄信号…米国の圧力と日本の反撃(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
◆素材・部品・装備の競争力を前面に出した日本の追撃

SNEリサーチによると、10年前の2014年のグローバル電気自動車バッテリー市場シェア1位は日本だった。当時、使用量を基準に71%で、韓国(17.3%)、中国(9.6%)を大きく上回っていた。しかしその後、中国の大規模投資、韓国の技術力確保とコスト削減などで日本はシェアが急減した。昨年のグローバル市場シェアでCATL(36.8%)、BYD(15.8%)、LGエナジーソリューション(13.6%)に続く4位になったパナソニック(6.4%)だけが命脈を保っている。

その日本が最近、捲土重来を期した政府と企業の果敢な投資で尋常でない雰囲気を形成中だ。日本経済産業省は昨年、トヨタのバッテリー事業投資に補助金1200億円を支援すると発表した。トヨタが推算した該当事業規模の40%にのぼる金額だ。また海外の報道によると、日本政府傘下の日本政策投資銀行(DBJ)は半導体とバッテリーなど国家経済安全保障に必須の産業分野に今後2年間に1500億円以上を投資することにした。これを通じて自国企業のバッテリー素材生産拡大などを支援することにした。


またパナソニックは自動車部品生産子会社を売却した資金をバッテリー事業の強化に投資すると明らかにした。果敢な投資で過去の栄光を取り戻すという日本の自信は、バッテリー産業の根幹である素材・部品・装備分野で維持する強力な競争力から生まれる。韓国科学技術企画評価院の分析資料によると、現在の日本の技術水準を100%とすると、韓国は96%、中国は82.5%と、それぞれ0.5年と2年の技術格差がある。

日本は素材・部品・装備で、韓国はパッケージング(量産技術)でそれぞれ優位を占めるが、全体的に日本の技術力がやや優勢という。瑞靖大のパク・チョルワン・スマート自動車学科教授は「日本の市場シェア拡大はまで明確に表れていないが、1991年に世界で初めてリチウムイオンバッテリー量産と商用化に成功し、三元系・黒鉛陰極材などバッテリー関連の主要新技術を開発するなど常に先導的な位置にいた」とし「これを中心にいつでもまた競争でリードする可能性がある」と警戒した。これはトヨタ・ホンダなど強大な自動車企業とのシナジー効果にもつながるからだ。

韓国も企業の積極的な投資でバッテリーの素材・部品・装備競争力は過去より高まった。素材ではECOPROBMがバッテリーの出力を決定する陽極材分野でグローバル1位の生産力を確保し、ポスコフューチャーエムはバッテリー充電速度を決定する陰極材分野でグローバル5位に入る。SKIETは陽極と陰極のセパレーター分野で、SKネクシリスは陰極材コーティング材料の銅箔分野でそれぞれ世界1位だ。装備ではDE&TとA-PROなどが競争力を確保している。

それでも改善点は少なくない。例えばECOPROBMは負債比率が昨年上半期155.6%、ポスコフューチャーエムは昨年7-9月期133%にのぼるなど、攻撃的な投資過程で財務構造が悪化し、投資の拡充に困難がある。政府が電気自動車に補助金を与えるようにバッテリー産業にも生産補助金を支給し、税制優遇措置を取るなど対策に取り組むべきだという分析が出る理由だ。企業戦略設計専門家のソル・ミョンファン・パルス代表は「バッテリーは結局、材料中心の科学分野」とし「韓国が今のようにパッケージング分野だけに注力していれば今後バッテリー産業で現在の位置を維持するのは厳しくなるため、政府が積極的に素材・部品・装備分野の強化に努力する必要がある」と指摘した。

◆「ゲームチェンジャー」全固体市場獲得競争

最近バッテリー業界は「夢のバッテリー」と呼ばれる全固体電池の開発競争に専念している。中国が主導した価格引き下げの「チキンゲーム」で悪化した競争条件を改善する「ゲームチェンジャー」と考えられているからだ。全固体電池は陽極と陰極の間の電解質が液体でなく固体の二次電池だ。現在最も多く使用される二次電池のLIBは液体電解質だが、可燃性物質であるため高熱で爆発する危険性があり、寿命も短い方だ。半面、固体電解質は構造的に安定していて、衝撃による漏液の危険性が低い。

このため火災防止部品を使用する必要がなく、その空間にバッテリー容量を向上させる素材を使用する形でエネルギー密度を高めることもできる。したがって固体電解質にすれば爆発の危険の最小化できるほか、電気自動車の軽量化と走行距離の向上まで期待できる。成長鈍化の懸念がある従来のバッテリー市場とは異なり、全固体電池市場は2022年のグローバル市場規模2750万ドルから2030年には400億ドル規模に急成長すると予想される理由だ(SNEリサーチ)。

このため各国は全固体電池の商用化と市場先行獲得に死活をかけている。中国では政府主導で全固体電池を商用化するための連合体「CASIP」が最近結成された。CATL、BYD、CALBなどが参加し、2030年までに中国で全固体電池を商用化し、サプライチェーンを構築するという目標だ。中国清華大のウヤン・ミンガオ教授は現地メディアに「全固体電池技術がバッテリー市場で中国が優位を立つ状況を覆すリスクに備える必要がある」と評価した。ただ、専門家らは中国が日本より速度戦で遅れをとる可能性が高いとみている。日経アジアによると、中国企業が保有する全固体電池関連の特許はまだ100件にもならない。

しかしトヨタは関連特許を1300件以上も確保している。トヨタは来年中に自社のハイブリッド車に、2026年には電気自動車に全固体電池を搭載し、2027年からは全固体電池を大量生産する計画だ。ここに台湾も挑戦している。先月24日の海外報道によると、台湾企業の輝能科技(プロロジウム・テクノロジー)は桃園に全固体電池工場を竣工し、量産に入と発表した。目標とする初期生産力は電気自動車1万4000台に搭載される年間0.5GWh規模だ。

韓国ではサムスンSDIが全固体電池開発競争で最もリードしているという分析だ。サムスンSDIは昨年、国内で初めて全固体電池試作品を生産し、10-12月期に一部の顧客に提供した。2027年の商用化が目標だ。また組織改編を通じて全固体電池担当組織(ASB事業化推進チーム)を新設した。SKオンは米国のソリッドパワーと技術移転協約を締結し、速度戦に加わった。2026年の試作品生産と2028年の商用化を目標に次世代バッテリーパイロットラインを年内に大田(テジョン)に完工する予定だ。LGエナジーソリューションは2030年までの量産を目標にしている。

カギはこれら企業が商用化に成功しても意味のある収率をどれほど早期に達成できるかだ。企業は収率安定化のために初期の全固体電池に液体電解質を添加するしかないという分析もある。韓国科学技術研究院のチョン・ギョンユン・エネルギー保存研究センター長は「電気自動車に実際に搭載されるには目標の時期よりもさらに時間がかかる」とし「性能を最大限維持して価格競争力を確保するのも難題だ」と分析した。


韓国バッテリー業界に黄信号…米国の圧力と日本の反撃(1)

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