「最後のアジアカップ? 孫興慜(ソン・フンミン)なら2027年大会も問題はないと思う」。
アジアサッカー連盟(AFC)アジアカップが開催中のカタール・ドーハで日本のベテランサッカー記者が話したことだ。その日、別の場所でも似た話を聞いた。大韓サッカー協会の関係者は「孫興慜の体は韓国人とは異なる」と語った。この関係者は孫興慜について「体が外国人のようだ。ベテラン選手だが、疲労回復が後輩よりはるかに早い」と説明した。
孫興慜は14年前の2010年12月、シリア代表との評価試合でAマッチにデビューした。丈夫な体と徹底的なコンディション管理のおかげで今までメジャー大会にすべて出場した。国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)3大会(2014、18、22年)とアジアサッカー連盟(AFC)アジアカップ4大会(2011、15、19、23年)にもれなく出場した。今回のカタールアジアカップが孫興慜の7回目のメジャー大会だった。最高成績は2022年カタールW杯の16強と2015年オーストラリアアジアカップの準優勝だ。
「無冠」は孫興慜の名声に影響を及ぼさい。本人自身がすでに特別な存在だからだ。「韓国の自慢」と表現するには世界的にあまりにも有名だ。視聴者数が最も多いイングランドプレミアリーグで得点王タイトルを獲得した。135年の伝統を誇るイングランドプロサッカーの舞台で得点とアシストを最も多く記録したアジア選手でもある。今後、孫興慜を超えるアジアサッカー選手が出てくるだろうか。容易ではなさそうだ。「史上最高のアジアFW」というタイトルは今後もしばらくは孫興慜の専有物となる可能性が高い。
英国に行くと孫興慜の地位を確認しやすい。地下鉄の駅・繁華街など流動人口が多い場所にプレミアリーグ中継広報ポスターが貼られているが、そのモデルが孫興慜だ。他に理由はない。プレミアリーグが見ても孫興慜は「最も前に出すべきスター」だからだ。スポーツブランドのアディダスは孫興慜を広告撮影会場に迎えようとチャーター機を飛ばす。ブランド品バーバリーの首席デザイナーのダニエル・リー氏、映画スパイダーマンシリーズのスター、トム・ホランドが孫興慜と写真を撮って子どものように喜ぶ。孫興慜は世界で最も有名なスポーツスターの一人だ。名前を言えば世界のどこでも通じるほどの「大物」だ。
孫興慜はポップスターでなくスポーツスターだ。ポップスターに対する評価は主観的だ。人気と作品性の因果関係が薄い。傑作だから100%ヒットするという保証はなく、逆にヒットしたからといって完成度が高い作品とは限らない。MBTIに例えるとF(感性)の領域といえるだろうか。
スポーツスターは本人の分野で「最高」であることを認証する客観的な方法が存在する。2022-23シーズン世界最強代表チームは(W杯で優勝した)アルゼンチン代表だった。クラブはUEFAチャンピオンズリーグを席巻したマンチェスター・シティだ。世界最高のサッカー選手は(バロンドールを受賞した)リオネル・メッシだ。そのように決まっている。「T(理性)」性向のスポーツは客観的な指標が基準となる。
孫興慜は今年32歳だ。次のメジャー大会は2026年W杯(北中米)と2027年アジアカップ(サウジアラビア)だ。孫興慜の年齢は34歳、35歳となる。孫興慜の実力が30代半ばまで維持されると断言するのは難しい。しかしカタール現地で会った外国記者らの考えは違った。「孫興慜の最後のアジアカップ」という表現を聞いた記者は「なぜなのか。孫興慜が代表チームから引退するのか」と問い返す。彼らの目には孫興慜が韓国サッカーの英雄になる時間が十分にあると映っているようだ。いろいろと考えていると、30代でメッシとロナウドが成就したことが思い浮かんだ。
孫興慜のパフォーマンスは彼らに準ずるほど例外だ。体の状態までが特別だ。孫興慜は国内選手の間で普及している各種栄養剤を摂取しない。次のメジャー大会で孫興慜と一緒にできないことはないはずだ。メッシがこの年齢までこれほどのことを成し遂げるとは誰が予想していただろうか。10年以上にわたり孫興慜は韓国サッカーの希望だった。希望は実現するまで常に有効だ。
ホン・ジェミン/サッカーコラムニスト
アジアサッカー連盟(AFC)アジアカップが開催中のカタール・ドーハで日本のベテランサッカー記者が話したことだ。その日、別の場所でも似た話を聞いた。大韓サッカー協会の関係者は「孫興慜の体は韓国人とは異なる」と語った。この関係者は孫興慜について「体が外国人のようだ。ベテラン選手だが、疲労回復が後輩よりはるかに早い」と説明した。
孫興慜は14年前の2010年12月、シリア代表との評価試合でAマッチにデビューした。丈夫な体と徹底的なコンディション管理のおかげで今までメジャー大会にすべて出場した。国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)3大会(2014、18、22年)とアジアサッカー連盟(AFC)アジアカップ4大会(2011、15、19、23年)にもれなく出場した。今回のカタールアジアカップが孫興慜の7回目のメジャー大会だった。最高成績は2022年カタールW杯の16強と2015年オーストラリアアジアカップの準優勝だ。
「無冠」は孫興慜の名声に影響を及ぼさい。本人自身がすでに特別な存在だからだ。「韓国の自慢」と表現するには世界的にあまりにも有名だ。視聴者数が最も多いイングランドプレミアリーグで得点王タイトルを獲得した。135年の伝統を誇るイングランドプロサッカーの舞台で得点とアシストを最も多く記録したアジア選手でもある。今後、孫興慜を超えるアジアサッカー選手が出てくるだろうか。容易ではなさそうだ。「史上最高のアジアFW」というタイトルは今後もしばらくは孫興慜の専有物となる可能性が高い。
英国に行くと孫興慜の地位を確認しやすい。地下鉄の駅・繁華街など流動人口が多い場所にプレミアリーグ中継広報ポスターが貼られているが、そのモデルが孫興慜だ。他に理由はない。プレミアリーグが見ても孫興慜は「最も前に出すべきスター」だからだ。スポーツブランドのアディダスは孫興慜を広告撮影会場に迎えようとチャーター機を飛ばす。ブランド品バーバリーの首席デザイナーのダニエル・リー氏、映画スパイダーマンシリーズのスター、トム・ホランドが孫興慜と写真を撮って子どものように喜ぶ。孫興慜は世界で最も有名なスポーツスターの一人だ。名前を言えば世界のどこでも通じるほどの「大物」だ。
孫興慜はポップスターでなくスポーツスターだ。ポップスターに対する評価は主観的だ。人気と作品性の因果関係が薄い。傑作だから100%ヒットするという保証はなく、逆にヒットしたからといって完成度が高い作品とは限らない。MBTIに例えるとF(感性)の領域といえるだろうか。
スポーツスターは本人の分野で「最高」であることを認証する客観的な方法が存在する。2022-23シーズン世界最強代表チームは(W杯で優勝した)アルゼンチン代表だった。クラブはUEFAチャンピオンズリーグを席巻したマンチェスター・シティだ。世界最高のサッカー選手は(バロンドールを受賞した)リオネル・メッシだ。そのように決まっている。「T(理性)」性向のスポーツは客観的な指標が基準となる。
孫興慜は今年32歳だ。次のメジャー大会は2026年W杯(北中米)と2027年アジアカップ(サウジアラビア)だ。孫興慜の年齢は34歳、35歳となる。孫興慜の実力が30代半ばまで維持されると断言するのは難しい。しかしカタール現地で会った外国記者らの考えは違った。「孫興慜の最後のアジアカップ」という表現を聞いた記者は「なぜなのか。孫興慜が代表チームから引退するのか」と問い返す。彼らの目には孫興慜が韓国サッカーの英雄になる時間が十分にあると映っているようだ。いろいろと考えていると、30代でメッシとロナウドが成就したことが思い浮かんだ。
孫興慜のパフォーマンスは彼らに準ずるほど例外だ。体の状態までが特別だ。孫興慜は国内選手の間で普及している各種栄養剤を摂取しない。次のメジャー大会で孫興慜と一緒にできないことはないはずだ。メッシがこの年齢までこれほどのことを成し遂げるとは誰が予想していただろうか。10年以上にわたり孫興慜は韓国サッカーの希望だった。希望は実現するまで常に有効だ。
ホン・ジェミン/サッカーコラムニスト
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