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【コラム】日本経済の躍動性回復、今回こそ本物だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

キム・ジユン記者

今回は違う。

日本経済は数十年間、ディスインフレーション(物価上昇鈍化)状態に閉じ込められていた。ついに躍動性を取り戻すための構造的な変化が始まった。静態的な均衡を破ったのは政府の攻撃的通貨緩和ではなく慢性的な労働力不足だ。

才能ある若年労働者の離職率が特に高まった。日本で最も普遍的な賃金体系は年功序列を基盤とする終身雇用だ。若年労働者は長期的な職業安定性を得る代わりに、低い賃金を受け入れなければならない。


労働力不足はより多くの労働者が転職し、さらに高い賃金を受けるように鼓舞している。そのため大企業でさえ、基本的に必要な人材を維持するために困難を強いられている。企業は年功序列賃金体系から成果給賃金体系にシフトしていくために努力を加速している。

離職率の上昇はさらに急激な賃金上昇とさらに効率的な労働配分を可能にさせる。これは再び生産性向上を産む。企業が熟練した労働者を確保するにはさらに高い賃金を提供しなければならない。高賃金のために収益性を高めなければならないという必要性が企業にとって強力な動機として働く。

最近、企業は前例のない規模の輸入物価上昇を耐え抜いた。彼らは今や、収益性を高めるためのさらに攻撃的価格戦略を追求している。一方、企業支配構造を改善するための持続的な努力が実を結び始めている。過去数年間の自己資本利益率(ROE)が構造的に上昇したのだ。

日本企業は低い収益性を改善する余地がまだある。買収合併(M&A)が増加する傾向の中で、より多くの企業が事業ポートフォリオを再編して収益性を高めようと努力している。また、使われていない過剰現金を保有している状況で財務レバレッジを高めるのも収益性を高めることができる一つの方法だ。

日本のゾンビ企業は極度に低い利率環境と政府の過度な中小企業保護政策に支えられて辛うじて生きながらえている。高齢化による労働力不足は収益性のないゾンビ企業の退出を加速させるだろう。多くの小規模企業が労働力不足により運営を持続できなくなっている。

長期的に非効率的なゾンビ企業の退出は平均生産性を高めて大切な労働力資源をさらに生産的な企業に配分することが予想されている。

金融市場は日本経済に対する「フェイク朗報」によって失望を何度か体験したが、現在進行している構造的変化は本物だ。

ただし、日本が変化に結びつくまでは時間がかかることがあるので忍耐が必要だ。

長井滋人/オックスフォード・エコノミクス日本代表・元日本銀行国際局長



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