岸田文雄首相が19日、自身が率いる自民党内の岸田派(46人)の解散を発表した。自民党内の派閥の裏金問題で世論が悪化すると、政治生命をかけて決断したということだ。続いて党内最大派閥の安倍派(98人)と二階派(38人)も解散を宣言した。
日本の政治地形に相当な変化が予想される中、22日に開かれた第31回韓日ビジョンフォーラムでは「最近の日本政局動向と韓日関係展望」をテーマに専門家らが討論した。出席者は「日本の政局が揺らいでいるが、対外政策の一貫性は概して維持される」とし「今年も韓日関係の安定化に集中するべき」という意見で一致した。
▼イ・ジュギョン釜山大教授のテーマ発表の要約
現在、日本の政局の行方を左右するキーワードは「政治改革」だ。自民党の裏金スキャンダルの波紋で社会全般で政治改革の議論が加速する見通しだ。これに先立ち党の要職から安倍派が排除・交代され、その後、総裁直属の政治刷新本部が設置されたが、世論の反応は冷たい。
限界を作ったのは他でもなく自民党だ。自民党はその間、衆議院解散決定と官邸主導政治など首相の権限とリーダーシップを活用して有権者の政権選択の可能性を遮断する政治をしてきた。岸田内閣は故安倍元首相時代に対する「総決算」作業を遅延させた。岸田首相は安倍時代の政治を事実上継承しながら「安倍ブランド化」に集中した。こうした状況で野党も弱体化し、代案勢力を構築するのに失敗した。信頼を回復するレベルの政治刷新は期待しにくい状況だ。
岸田首相の交代があるとすれば、3月の予算案確定と4月の米国訪問後になると予想されている。次期リーダーの条件は「脱安倍」「脱派閥」「脱既成政治」のクリーンで斬新なイメージだ。さらに政策革新能力と地方掌握力も重要となる。衆院解散は岸田首相の在任中、または新首相体制下で6-9月に行われるというのが日本国内の大半の意見だ。
日本政局は揺らいでいるが、従来の外交・安全保障路線は維持されるとみられる。日本は政策の予測可能性が高い国だ。派閥は現在、政策集団というより人脈集団に近い。自民党主導の政治構造が形成された「1955年体制」当時の自民党派閥内に自由主義と現実主義の外交政策に対する選好が混在したとすれば、現在は派閥すべてが保守・現実主義性向に変化した。
李元徳(イ・ウォンドク)国民大教授=1955年体制で派閥は非常に理念的な色彩を帯び、政策路線が派閥別に差別化されていた。しかし最近は派閥間の外交・安保路線にほとんど差はなく集約される傾向がある。主要派閥が解体されても基本的な性格に大きな変化はないだろう。自民党内のスキャンダルが政権交代につながる可能性は低いが、最近、日本国内では次期首相候補に上川陽子外相を挙げる意見も少なくないという。
梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授=裏金事件の深刻さに比べて岸田内閣の対応が十分でない。むしろ安倍元首相時代には党内の世論が下からきめ細かく形成される側面があったが、今はそのような過程が見られず隙が多い。岸田首相は安倍元首相の傘の下から抜け出せなかった。過去の問題に関連して日本は「プラスアルファ」をする考えがないようだ。その一方で台湾関連の事案などにおいて韓米日安保協力の枠組みを活用しようという意思は表している。
朴鴻圭(パク・ホンギュ)高麗大教授=官邸政治のシステムの中でもリーダーがどれほどリーダーシップを発揮するかという重要な問題だ。また、テーマ発表で「1955年体制」当時と現在の自民党派閥の政策選好様相の比較があったが、変化の過程で決定的な契機があったかに目を向ける必要がある。決定的な契機で変化があったとすれば新しい方向性を摸索することができ、漸進的な過程であれば今後も大きい変化は期待しにくい。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)韓半島平和作り事務総長=政府は極めて政治的な懸案である韓日の過去の問題に行政的に対処した。それだけでなく昨年8月のキャンプデービッド首脳会談など韓米日安保協力も政治的に非常に重いイシューだ。韓日関係と韓米日協力の持続の可能性を担保しなければいけないが、どうなるか分からない状況だ。韓国が率先するものの、韓米日が力を合わせなければいけない。特に日本のために自国内の世論が呼応しなくても持続の可能性を担保するべきなのか、冷静に得失判断をする必要がある。
李夏慶(イ・ハギョン)中央日報論説委員=太平洋戦争の戦犯の東条英機と戦後日本再建の主役の吉田茂の共通点は、首相でありながら外相を兼ねたという事実だ。日本はこのように外交を重視するDNAがある。日本が外交の一貫性と安定性を維持するのは重要だ。しかし問題を解決するためには局面を突破するための転換的発想、リーダーシップの勇気と決断力も必要だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の決断で韓日関係が良くなったが、日本の呼応は依然として不足する。日本のリーダーシップにも躍動性、柔軟性、現実性がさらに表れなければいけない。日本がもっと動き出さなければいけない。
<危機の韓日関係、連続診断31>不安な韓半島の地政学的状況…いつよりも切実な韓米日協力(2)
日本の政治地形に相当な変化が予想される中、22日に開かれた第31回韓日ビジョンフォーラムでは「最近の日本政局動向と韓日関係展望」をテーマに専門家らが討論した。出席者は「日本の政局が揺らいでいるが、対外政策の一貫性は概して維持される」とし「今年も韓日関係の安定化に集中するべき」という意見で一致した。
▼イ・ジュギョン釜山大教授のテーマ発表の要約
現在、日本の政局の行方を左右するキーワードは「政治改革」だ。自民党の裏金スキャンダルの波紋で社会全般で政治改革の議論が加速する見通しだ。これに先立ち党の要職から安倍派が排除・交代され、その後、総裁直属の政治刷新本部が設置されたが、世論の反応は冷たい。
限界を作ったのは他でもなく自民党だ。自民党はその間、衆議院解散決定と官邸主導政治など首相の権限とリーダーシップを活用して有権者の政権選択の可能性を遮断する政治をしてきた。岸田内閣は故安倍元首相時代に対する「総決算」作業を遅延させた。岸田首相は安倍時代の政治を事実上継承しながら「安倍ブランド化」に集中した。こうした状況で野党も弱体化し、代案勢力を構築するのに失敗した。信頼を回復するレベルの政治刷新は期待しにくい状況だ。
岸田首相の交代があるとすれば、3月の予算案確定と4月の米国訪問後になると予想されている。次期リーダーの条件は「脱安倍」「脱派閥」「脱既成政治」のクリーンで斬新なイメージだ。さらに政策革新能力と地方掌握力も重要となる。衆院解散は岸田首相の在任中、または新首相体制下で6-9月に行われるというのが日本国内の大半の意見だ。
日本政局は揺らいでいるが、従来の外交・安全保障路線は維持されるとみられる。日本は政策の予測可能性が高い国だ。派閥は現在、政策集団というより人脈集団に近い。自民党主導の政治構造が形成された「1955年体制」当時の自民党派閥内に自由主義と現実主義の外交政策に対する選好が混在したとすれば、現在は派閥すべてが保守・現実主義性向に変化した。
李元徳(イ・ウォンドク)国民大教授=1955年体制で派閥は非常に理念的な色彩を帯び、政策路線が派閥別に差別化されていた。しかし最近は派閥間の外交・安保路線にほとんど差はなく集約される傾向がある。主要派閥が解体されても基本的な性格に大きな変化はないだろう。自民党内のスキャンダルが政権交代につながる可能性は低いが、最近、日本国内では次期首相候補に上川陽子外相を挙げる意見も少なくないという。
梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授=裏金事件の深刻さに比べて岸田内閣の対応が十分でない。むしろ安倍元首相時代には党内の世論が下からきめ細かく形成される側面があったが、今はそのような過程が見られず隙が多い。岸田首相は安倍元首相の傘の下から抜け出せなかった。過去の問題に関連して日本は「プラスアルファ」をする考えがないようだ。その一方で台湾関連の事案などにおいて韓米日安保協力の枠組みを活用しようという意思は表している。
朴鴻圭(パク・ホンギュ)高麗大教授=官邸政治のシステムの中でもリーダーがどれほどリーダーシップを発揮するかという重要な問題だ。また、テーマ発表で「1955年体制」当時と現在の自民党派閥の政策選好様相の比較があったが、変化の過程で決定的な契機があったかに目を向ける必要がある。決定的な契機で変化があったとすれば新しい方向性を摸索することができ、漸進的な過程であれば今後も大きい変化は期待しにくい。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)韓半島平和作り事務総長=政府は極めて政治的な懸案である韓日の過去の問題に行政的に対処した。それだけでなく昨年8月のキャンプデービッド首脳会談など韓米日安保協力も政治的に非常に重いイシューだ。韓日関係と韓米日協力の持続の可能性を担保しなければいけないが、どうなるか分からない状況だ。韓国が率先するものの、韓米日が力を合わせなければいけない。特に日本のために自国内の世論が呼応しなくても持続の可能性を担保するべきなのか、冷静に得失判断をする必要がある。
李夏慶(イ・ハギョン)中央日報論説委員=太平洋戦争の戦犯の東条英機と戦後日本再建の主役の吉田茂の共通点は、首相でありながら外相を兼ねたという事実だ。日本はこのように外交を重視するDNAがある。日本が外交の一貫性と安定性を維持するのは重要だ。しかし問題を解決するためには局面を突破するための転換的発想、リーダーシップの勇気と決断力も必要だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の決断で韓日関係が良くなったが、日本の呼応は依然として不足する。日本のリーダーシップにも躍動性、柔軟性、現実性がさらに表れなければいけない。日本がもっと動き出さなければいけない。
<危機の韓日関係、連続診断31>不安な韓半島の地政学的状況…いつよりも切実な韓米日協力(2)
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