サムスン電子の李在鎔（イ・ジェヨン）会長が今月初めに４０人以上のサムスングループ系列会社社長団を呼び集め、人工知能（ＡＩ）など技術産業の変曲点を点検し、事業計画を協議したことが確認された。李会長はＡＩがサムスンの主要事業に及ぼす影響が大きくなっているだけに系列会社が積極的に対応して市場を先導するよう呼び掛けた。

韓国財界によると、李会長は２日午後にサムスングループ系列会社社長らと社長団会議を開いた。午後６時ごろから２時間ほど夕食をともにし新年の事業戦略について意見を交わしたという。

この日は尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長、具光謨（ク・グァンモ）ＬＧ会長、鄭義宣（チョン・ウィソン）現代（ヒョンデ）自動車グループ会長が参加した財界新年賀詞交歓会があった日だ。李会長は午前１０時にソウルの中小企業中央会で財界行事に参加し、夕方に本社ビルで社長団と会ったとみられる。


この日の会議には韓宗熙（ハン・ジョンヒ）代表理事副会長、鄭賢豪（チョン・ヒョンホ）事業支援ＴＦ長（副会長）、慶桂顕（キョン・ゲヒョン）ＤＳ部門代表理事社長らサムスン電子部門の役員だけでなく、サムスン電機の張悳鉉（チャン・ドクヒョン）社長、サムスンディスプレーのチェ・ジュソン社長ら主要系列会社の経営陣が大挙参加した。サムスン関係者は「李会長は会長就任後、年初の社長団会議を定例化するようだ。昨年に続き今年も新年の業務が始まる２日夕方に全員を呼んで集めたもの」と話した。

この日の会議ではあらかじめ準備された映像を一緒に視聴したという。映像にはサムスンの顧客、ユーザーの思いやサムスンに望む声などが入れられた。映像には「ギャラクシーのスマートフォンはｉＰｈｏｎｅよりこんな点が残念」として競合企業とサムスン電子製品を比較する内容も含まれたという。李会長は顧客の立場で考える企業にならなければならないと強調したという。その上で生成ＡＩなどユーザーに必要なサービスを最適化して提供し、技術トレンドを牽引していくことを社長団に注文した。サムスン関係者は「李会長は社長の前で上映されるこの映像を前日に直接視聴しリハーサルまでするほど細かく共有するメッセージを点検した」と話した。昨年初めの会長就任後初の新年社長団会議では李健熙（イ・ゴンヒ）先代会長の主な発言と経営戦略が盛り込まれた映像を一緒に見た。

李会長は新年に入り静かに内部の取りまとめに集中している。社長団会議で技術リーダーシップを強調したのに続き、サムスンの研究開発ハブであるサムスンリサーチを訪れサムスンの技術名匠らと昼食をともにしている。李会長は来月５日にサムスン物産と第一毛織の不当合併・会計不正容疑事件の１審宣告を控えている。

李会長との会議を前後してサムスン社長団も早く動いている。サムスン関係者によると、１７日にギャラクシーＳ２４を公開して３日後の２０日に本社社屋で鄭賢豪副会長がサムスン電子と系列会社の社長団と役員の一部を招集しＡＩ技術の方向性と今後の対応戦略などを主題に討論会を開いたという。サムスン電子ＤＳ部門、ＤＸ部門、サムスンＳＤＳなどＡＩと関連した系列会社がすべてこの会議に参加した。事情がありオフライン会議に出席できない社長はオンラインで参加するほどサムスンのＡＩ戦略を点検する重要な会議だったという。この席ではサムスン電子が開発した生成ＡＩ「ガウス」をはじめとして生成ＡＩの活用性、これに必要なプロセッサと半導体、セキュリティ問題などを総合的に点検した。サムスン社長団は昨年末にもロボティクスを主題にこれと同様の討論会を開いた。業界関係者は「最近はＡＩという大きな波が世界のテック企業を襲っているが、この戦いで少しでも押されれば回復は容易でないという危機感がサムスンにも大きい」と話した。