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来年3月に韓国に来る「二刀流」大谷の魅力の正体(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
では、なぜ私たちは大谷を美しい青年として眺めるのだろうか。そこには私たちの現実の中の青年の美しくない現実の陰画があるからだ。韓国の青年は自分の人生を美学的に生きていくことができない。大谷が高校1年でマンダラートを完成した時、韓国の青年は言語と数理の領域の正解を見つける技術を習得する。大学生になっても美学的な生き方は自身のものにはならない。スペックを積み上げたり、裕福でない親を恨んだり、アルバイトで学費を稼いだりする。こういう息が詰まる回路のような生活は社会人になってからも変わらない。その姿を青年でないすべての国民が共に見守る。低い出生率は青年たちがそれなりに美学的に暮らしてみようとする最後の選択の結果なのかもしれない。

大谷が美しく見えるのは、暗い私たちの青年の肖像が最も華麗で完璧な異国の青年の姿に投影されたからだ。大谷に対する視線は、逆転ホームランを期待できない定められた結果に敗北するのを望まず、非現実的な「マンチンナム」にしばらく自分を重ねてみるものと言ってもよい。大谷がパンデミックの憂鬱な時間に私たちを訪ねてきたという事実はこのような心証に可能性を付与する。

卓越した個人が共同体を引っ張っていく時代は過ぎた。率いる英雄もなく、率いられる大衆も存在しない。それでアベンジャーズとマーベルシリーズに夢中になる。この時代の英雄は歴史の救援者でなく、日常のつらさを慰やしてくれる「マンチンナム」に存在する。


来年3月にその「マンチンナム」が韓国に来る。その時まで青年たちが元気を出して過ごすことを望む。打席に入った大谷のように注目される青春ではないとしても、自分の暮らしに下を向かず堂々と生きることを3月に高尺(コチョク)ドームの打席で感じ取ってほしい。

キム・ジョンヒョ/ソウル大研究教授・体育哲学


来年3月に韓国に来る「二刀流」大谷の魅力の正体(1)

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